1966年8月1日〜6日


 59年前となる16歳の夏、「高校時代に何か大きなことをやってみたい」という単純な理由から、自転車での単独旅を企てた。目的地は日本最北端の稚内〜宗谷岬。住んでいた札幌から往復で800キロを超える。
 自転車は年賀状配達のバイトをして買ったが、野営具や旅費までは賄えず、テントなしの野宿と自炊で乗り切ろうと決めた。家族や友人の強い反対にも決意は揺るがない。
 雨と悪路、自転車の故障に苦しみつつ、道端で野宿を繰り返し、里心にも打ち勝って、3日で宗谷岬に到達。海峡に沈む赤い夕日が目に滲んだ。多くの人の好意と励ましを貰い、5泊6日の旅を無事にやり遂げた。

 時を経て日記や写真を元に当時を振り返り、まとめ直した。記憶は記録となり、生きる支えとなって蘇る。

 =CONTENTS=

 計画から旅立ちまで
 1日目/札幌〜比布町蘭留
    《雨と野宿で疲労困憊》

 2日目/比布町蘭留〜音威子府
    《雨と悪路と里心》

 3日目/音威子府〜宗谷岬
    《晴れて一気に到達》

 4日目/宗谷岬〜初山別
    《夕日の日本海》

 5日目/初山別〜滝川
    《トラブル続発で帰着叶わず》

 6日目/滝川〜札幌帰着
     …59年後のあとがき



 この記録は16歳の夏に書かれた旅行記をベースにし、当時の心境やエピソードを現在の視点から、「追記」という形で加筆しています。(2025年9月 記す)