僧侶の血を引いているせいか、私は人一倍霊感が強いらしく、これまでさまざまな霊的体験をしてきた。信ずるか信じないかは読む方の自由として、ここではその一部を紹介したい。(地名、人名には仮名を使用)




白いブレザーの友/8枚
 学寮の同室の柴崎は、家庭教師のアルバイトに励んでいたが、ある日、やむにやまれぬ用事でそれを休むことになる。どうしてもバイトに行きたかった柴崎の魂は…。


顔のない美女/12枚
 気のいいおばちゃんの経営する川べりの焼き肉屋台に、ある夜柔道部の横田が興奮した様子で飛び込んできた。「おばちゃん、いまそこですごい美人に出会ったよ!」横田の見た「美人」の正体とは…。


恐怖の水神社/12枚
 酔った勢いで水神様を祭った神社を汚してしまった男たち。その夜、彼等の同じ夢の中に現われて彼等を苦しめたものとは?
(この作品は(株)同朋舎発行、合田一道著「北の幽霊」に掲載されました)


お助けの数珠/11枚
 全国放浪行脚の途中、ある日道端で偶然拾った数珠には、不思議な霊力が宿っていた。ひとつの数珠にまつわる、時を超えた三つの不思議な話。


同じ椅子に座った人/17枚
 長い片想いにけりをつけるため、すべての手紙を燃やした翌日、当の彼女からの一年ぶりの電話が鳴った。だがそのとき、男には別の女友達が…。ひとつの椅子をめぐってすれ違い、絡み合う幾本もの男女の糸。だがそのどれもが、結ばれる赤い糸ではなかった。


海峡を越えてきた叔父/10枚
 私たちの結婚式で父親代わりをしてくれた妻の叔父が死んだ。はるばると津軽海峡を越えてやってきた叔父の霊とは…。