縄文の日々をめざして


 
続・簡単CDラベル.... 2009/冬



 以前に「CDラベルを安く簡単に貼る方法」を書いたが、人によっては難易度がやや高いような気がし、自分でも特にCDを裏返したラベルの上にまっすぐ落とすのが、作業毎にバラつくのが気になっていた。
 イベントライブの音源や映像をまとめて30枚以上作る必要に迫られ、同じ枚数のラベルも必要になったが、作業の過程で前回よりも難易度が低く、しかも前回同様に廃品利用でタダ同然で作れるCDラベルセット道具を考案した。
(CDラベルの調達や印刷方法は前回と同じなので、省略する)

 今回考えた道具は、ブランクCDがケースなしでまとめて入っている円筒形のプラスチックケースを再利用したものだ。安いので、最近ブランクCDを買うときはもっぱらこれ。専用のプラケースは古いのを使いまわしたり、100円ショップで買った28枚入のホルダーに入れたりしてるので、あまり必要としない。
 量販店などに行くと20枚入、25枚入、50枚入などあるが、今回使ったのは一番大きい50枚入のもの。たまたま余っていたからで、他の小さいものでも同様に作れる。以下、その手順である。


不要なCDの裏を使い、試し刷りしたCDラベルの中心の丸い部分(普通は捨ててしまう直径24〜40ミリ程度の不要な部分)をはがし、中心をピンセットでぴったり合わせて貼る。(写真1)
 この部分はCDよりも一段高くなり、ラベルを貼るときの中心位置を正確に出すための重要なガイドとなる。裏を使ったのは、ラベルのセンター合わせの際、余計な模様があると目障りで合わせにくいから。

中央の直径15ミリ前後の穴をカッターナイフで丸く切り取る。(写真2)

円筒形のCDケースのうち、中心に棒がついている側の中央に、ドーナッツ形の厚紙を切って置き、中央付近をセロテープでとめる。これはケースについている1ミリ程度の段差を解消するため。(写真3)

ケース中央の棒の根元に、セロテープを2回り巻く。(写真4)これはCDをセットする際、周囲に出来る微妙な隙間を解消するためで、個々のケースで巻く回数は変わるかもしれない。
 今回は2回り巻いてぴったりだったが、「1.5回り」などと半端な数値にすると、ここで中心のズレが出てしまうので、避ける。

さきほど作ったセット用CDを貼ったラベル部分を上にして、CDケースにきっちりと置く。(写真5)

印刷の終えたCDラベルをその上にセット。(写真6)この時にいかにしてズレなく置くかが仕上がりの重要なポイントで、作業はピンセットなどで慎重にやる。
 どうしても中心部が浮いてしまう場合、不要なラベルの切れ端をごく小さく三角形に切取り、中央部にわずかにかかるように貼って押さえると、うまくゆく。

ターゲットCDを裏返し、ケース中心の棒に合わせてそっと置く。(写真7)写真では撮影の都合で片手でやっているが、両手で平行に落とすのが正解。

そのまま柔らかい布などで全体をまんべんなくこすって完全に接着させると完成。(写真8)このとき、不要なCDなどを上に重ねて作業すると、ターゲットCDのキズを気にせずに済む。

 ラベルの浮きやはがれは禁物なので、取り出して本来のプラケースに入れたあとも、再度上からていねいに密着させたほうが無難。
(大事なデータを損傷してしまう可能性がゼロではないので、試される方は各自の責任で行ってください)



 
ICレコーダーホルダ.... 2010/冬



 ライブ録音をいつでもどこでも効率的にするために、ICレコーダーというものを買った。CDと同等音質と言われる「PCM、44.1kHz録音」が可能なタイプで、以前は軽く数万円もしたが、最近は1万円以下で高性能の品が手に入る。
 今回買ったのはサンヨーのICR-PS501RMという製品。噂通り、値段の割にはなかなかの優れ物だが、ライブ会場で実際に使う際、設置するためのホルダーが必要になる。専用のホルダー市販されているが、かなり高い。写真を見ると何となく自分でも作れそうな気がし、さっそくやってみた。

 得意の木材加工を駆使し、以下のような5WAYホルダーがめでたく完成した。

使った材料
・20×28角棒、L=90×2本  ・16×28角棒、L=40×2本
・φ8丸棒、L=90  ・5ミリ厚ハードボード、80×90
・M6ボルト、L=30  ・M6蝶ナット  ・φ2細ビス4本
・1/4ナット(三脚用)  ・事務用大型クリップ  ・フェルト布


 作り方を簡単に記すと、以下の手順。

部材1(写真1)
 ICレコーダーそのものを確実に保持する重要な部材。これだけ作ってしまえば、何とか用は足りるかもしれない。

1)20×28角棒にICレコーダーを挟む切り込みを入れる。寸法はセットするICレコーダーによって異なるが、今回は幅15×深さ30で入れた。

2)切り込みを紙ヤスリで調整し、内側にフェルト布をホワイトボンドで貼る。

3)16×28角棒の内側をU字形にえぐる。加工はノコとノミでやるが、このパーツを両側から細ビスとホワイトボンドで固定する。これでICレコーダーがきっちり入る穴が完成する。

4)部材端部にφ6ミリの穴を開け、事務用大型クリップと共に、ボルト蝶ナットで止める。


部材2(写真2)
 部材1を机上に置いたり、譜面台や三脚に固定したりする補助部材。必須ではないが、あると使い方が広がる。

1)20×28角棒の小口側中心に、φ8×深さ40の穴をドリルで開ける。

2)その穴にφ8丸棒を木工ホワイトボンドと共に入れ、軽く叩いて固定。

3)この部材の端部に、5ミリ厚ハードボード(ベニヤ板か厚紙でも可)80×90を細ビスで固定。これは机の上に置いたときに安定させる台となる。

4)この台の裏側中心に、φ10ミリ×深さ5の穴を開け、1/4ナットを金槌で打込む。これは三脚用の固定ネジ穴となる。
 三脚用の固定ネジは一般的なミリ規格ではなく、インチ規格。大型ホームセンターなどで入手可能。

 各モードでの使い方は、以下の通り。

机上モード(写真3)
 部材1をクリップで部材2に挟み、適当な角度で置く。

クリップモード(写真4)
 部材1をクリップで壁などの任意の場所に止める。(約30ミリ厚まで固定可能)

譜面台モード(写真5)
 部材1をクリップで部材2に挟み、部材2の丸棒部分を穴に差し込む。角度は任意。譜面台の穴はφ10くらいなので、ゆるい場合は丸棒の周囲にフェルト布を巻き、ホワイトボンドで固定すればよい。

三脚モード(写真6)
 部材1をクリップで部材2に挟み、部材2裏のナットに三脚のネジを止める。

マイクモード(写真7)
 部材1のクリップ部分を外し、直接マイクホルダーに差し込む。

 試してみると、クリップモードだけでたいていの用は足りる。写真8はマイクスタンドのブームに直接挟んだ例。譜面台や三脚などでも、おしゃれではないが、同様に使えた。

 今回の細工には、通常の電動ドリルやドライバーのほかに、手ノコやノミなどを使った。木片をU字形にえぐる細工が非常に難しいが、構想通りピタリ出来上がったときの快感は、また格別。箱に保存してある端材を使ったので、買ったのは大型クリップ(2個で105円)のみ。
 各寸法はセットするICレコーダーによって変化するが、基本的な考え方は同じでやれるはず。ぜひ、チャレンジしてください。



 
代用スピーカースタンド.... 2010/春



 ふと閃いて、マイクスタンドを利用したスピーカーホルダーを作ろうと思った。材料は例によって安くて作りやすく、何度も使いまわしが可能な木材だ。
 きっかけは昨年秋のカフェライブでの出来事。PAや照明一式をお店に持込んで歌い、ライブ自体は無事に終わった。しかし、その時使った手製の照明スタンド兼スピーカースタンドの安定性がやや悪く、ライブ終了後に客に倒されて、一部が壊れた。
 その反省から、何とか軽くて安定性のよい代替品はないかと模索していた。

 マイクスタンドは3本の手持ちがあるが、基本はソロライブなので、常用するのは1本のみ。他の2本は予備として置いてあるだけで、たまに自宅ライブにゲストを迎える際に出番があるくらい。この普段は遊んでいるマイクスタンドを、何とか代用できないだろうか?と考えた。

 最初は単純に照明スタンドとして使おうと思った。ブーム式のマイクスタンドは3つのパーツに別れているが、まず下の2段を2/3ほど延ばし、上のブームの部分を真上に目一杯立てる。すると上端部にマイクホルダーがくるが、ここにクリップ式のスポット照明を直接挟んでやればよい。
 試してみると、特別なアタッチメントも必要なく、ぴったり決まる。もともとが重いマイクを横向きに支えるよう設計されているので、安定度も抜群。これは使える。

 次に閃いたのは、これをスピーカースタンドとしても使おう、という考えだった。これまでの手製品も照明とスピーカーの両方を兼用させている。マイクスタンドにスピーカー保持用のアタッチメントを作って取りつければ、現状の重いレンガ式手製スタンドを持ち運ぶ必要がなくなる。
 材料は例によって安くて作りやすく、何度も使いまわしが可能な木材だ。

使った材料(アタッチメント1個の場合)
・18×50角材、L=260×1本  ・16×45角材、L=180×2本
・M6ボルト、L=50×1個  ・M6蝶ナット×1個
・φ3、L=35木工ビス4本  ・ステンレスL字金具×1個


 作り方を簡単に記すと、以下の通り。

1)18×50角材の端部に、16×45角材2本を木用ビスで固定する。このとき、2本の角材の隙間を、挟むべきマイクスタンドの中間部直径(通常は15ミリ)とぴったり一致させる。
(写真1、2)

2)16×45角材を貫くように、直径6ミリの穴を開け、M6ボルトと蝶ナットで止める。M6ボルトの頭の部分は、木材側を10ミリのドリルで深さ5ミリほどえぐり、軽く叩き込むようにすると、工具なしで締め付け可能になる。(写真2)

3)ステンレスL字金具を金属専用ハサミで二つに切り、ひとつを18×50角材の端部に、もうひとつをスピーカー裏にビス止めする。(写真1、3)
 スピーカー側はビス1本だけで上のみ固定し、下をアタッチメント側に差し込んで固定する。

4)アタッチメントをいったん分解し、マイクスタンドに挟みこんでボルトで締め付け、さらにスピーカーを取りつける。(写真4)

 まだ実戦では試してないが、自宅スタジオでは充分使えることが分かっている。実戦でのレポートは順次追記の予定。



 
ミニアンプスタンド.... 2010/夏



 あるプロ歌手のライブで、マイクスタンドの下半分だけをうまく利用してミニアンプを保持しているのを見た。
 会場はごく普通のカフェで、キャパは20人程度。天井が高く、場の音響条件がよいので、大げさなPAは必要なく、簡易な音響装置で充分と判断したのだろう。

 私も介護施設系のライブには、ほとんどヤマハのアンプ内蔵スピーカー(ミニアンプ)を使う。床に置くだけでは位置が低すぎて音の通りが悪く、モニタするにも位置が遠いので、適当な椅子や台をそのつど借り、何とかやり繰りしていた。
 最近になって地域センターでのライブをやることになり、天井がかなり高く、会場も広いので、支持のしっかりした高めの台が欲しくなった。しかし、私の持つヤマハのミニアンプにはスタンド取付け用の穴は開いてなく、現状では無理。そこで、何とか自分で工夫し、手持ちのマイクスタンドでミニアンプを支持する改造を試みた。

 手持ちのミニアンプ、ヤマハVA-10は常に電池で使用しており、電池こみの重量は約3.2Kg。(単4エネループ電池をホルダ変換して使用)。マイクスタンドだけで保持するにはかなりの重さがあるので、スタンドはなるべく頑丈なほうがよい。
 手持ちの3本のうち、サウンドハウス製マイクスタンドの取付けネジが3/8インチあり、最もしっかりしていたので、これを使うことにした。

使った材料
・3/8ステンレスナット×1個  ・座金×1個


1)まず対象となるミニアンプ重心の位置を出す。一般的には本体の中央だが、特に前後方向はアンバランスなので、丸い鉛筆などの上に載せ、重心を探す。

2)ミニアンプを分解し、重心位置にドリルで底に穴を開ける。穴の内部側にナット、外側に座金を接着剤で固定する。外側の座金は、ネジを締めた際に本体への負荷を分散させる役目。(写真2、3)
 この時点で底の重心位置に何らかの障害物があった場合、改造は不可。今回対象のヤマハVA-10は底の部分が完全な空洞で、底板も5ミリほどの厚さがあり、好条件だった。

3)接着剤はなるべく強力なタイプにする。今回は手持ちのセメダインXを使った。写真4は組立て前の軽い状態で、マイクスタンドに仮固定したところ。本格テストは接着剤が完全硬化後に行う。


 自宅スタジオで試してみると、従来よりも音が大きく感じて、非常に歌いやすい。スピーカーが耳により近いことと、支持がしっかりしたせいだろうか。スタンドの下半分だけを携行すればよいので、適当な支持台がないと分かっている場、初めての場には、原則としてこれを持参しようと思う。
(ミニアンプの構造や重量によっては、マイクスタンドでの保持そのものが難しいケースも考えられます。改造は各自の責任でお願いします)


《部分修正に関して》
 実戦にて数回使用したところ、ステンレスナットを本体内側で固定していた接着剤がはがれてしまった。そこで写真5〜6のような改造を実施。

1)5ミリ厚のハードボードを70×70に切断。中心にナットの形状を鉛筆でなぞり、六角形の穴を開ける。(ドリルとノミを併用)この場合、実寸より心持ち小さめに開ける。

2)ナットをハンマーで穴に叩き込み、本体底の内側に仮固定。(写真5)

3)表側から1ミリ程度の穴を4つ貫通させ、細い木ネジで固定。(写真6)念のため、ナットと木ネジ周辺に木工ボンドを流し込んで補強した。

 接着剤よりは格段に強くなったが、しばしこれで様子をみたい。ハードボードが入手不可能な場合、数ミリ厚のアクリル板、アルミ板などで代用可能と思われる。強く締めた際にナットが空転しないような固さのある材料が必要。