ツクイ札幌太平・訪問ライブ /2018.8.12
近隣のデイサービスで歌った。今回で14度目の依頼だが、事前に施設側と折衝し、ステージ位置や客席の配置をこれまでとは大きく変えてもらった。
音の返りや聴き手とのコミュニケーションに違和感を感じ始めたのがその理由。ステージは壁を背にし、客席は窓を背負う位置で歌い手を見やすくする。テーブルは通常の食堂配置ではなく、椅子だけを並べて歌い手との距離感を短くする。
他の施設では普通にやっている手法だが、回数が重なると慣れの部分で悪い面も出てくる。その修正を提案した。
開始15分前の13時45分に先方到着。テーブル配置はまだ通常のままだったが、ほどなくしてテーブルと椅子の分離作業が始まる。初の試みだったが、割と簡単に終わって、定刻前にはスタンバイした。
やや早めの13時57分くらいからライブ開始。7分の休憩をはさみ、正味60分で19曲を歌った。(※はリクエスト)
「憧れのハワイ航路」
「二輪草」
「ふたり酒」
「瀬戸の花嫁」
「知床旅情」
「二人は若い」
「恋のバカンス」
「牧場の朝」
「われは海の子」
「夜霧よ今夜も有難う」
「君恋し」
〜休憩7分
「高校三年生」
「人生いろいろ」
「涙そうそう※」
「恋はやさし野辺の花よ」
「ダイアナ」
「思い出のグリーングラス」
「愛燦燦※」
「りんごの木の下で」
聴き手は30名弱。今年になって2度目のライブだが、なぜか前回よりも参加者は増えていた。
曲の構成は前日と大きく変えていない。ただ、この施設では1時間という長い演奏を求められる。川中美幸をメドレーで歌ったり、夏の唱歌を2曲続けたりしたのは、演奏時間を調整する意図からだった。
大きな問題もなく、まず11曲を無難に歌う。4日で3回というハードなスケジュールの最終日だったが、喉は好調を維持していた。そのせいか、はたまた会場配置をガラリ変えたせいか、場の手応えは前回よりも遥かにいい。
この日は非常に蒸し暑く、聴き手の体力を考慮して、途中で休憩を提案した。トイレに立つ人がけっこういて、思っていたより時間がかかってしまう。利用者の多くは顔なじみなので、適当な雑談で場をつないだ。
他施設での夏向き構成は前半で使い切ったので、後半は目についた曲を適当に歌う。活発な場ならリクエストがどんどん出て選曲には困らないが、この施設に限ればその傾向はなく、曲の選択は概ね歌い手に任される。
わずかに出たリクエストに応えつつ、過去にあまり歌っていない洋楽系を中心に歌い継いだが、反応自体は決して悪くなかった。
やがて正味1時間が経過。他施設の平均演奏時間よりは遥かに長い。施設の求めには十二分に応えたので、ラストの曲でにぎやかにシングアウトして終えたが、なぜか場が納得していない雰囲気。
「もっと聴きたい」という無言の意思表示なのは明らかで、進行の方も扱いに困っていたが、この施設では過去にも無理をして喉を傷め、予定をキャンセルした苦い経験がある。情に流されては結局我が身を滅ぼすだけなので、「またの機会に」と固辞した。
「今日はこれまでで最高の歌唱ですね」と、昨年喉を傷めた時期に対応してくれた職員さんから、休憩中に声をかけられた。
3日前からの連続ライブで、ピークに近い喉の好調さを自覚していたが、長く聴いてくれている方から同様の評価を受け、年頭から取り組んでいるさまざまな復活作戦に自信を深めた。
3日続けて「もっと聴きたい」という声が自然に上がったのも、決して偶然ではない。聴き手は正直なものだとつくづく思う。
・風邪を引かない各種予防策(食生活やストレッチ)
・毎日の歌の練習はやらず、ライブ数日前に軽くチェック&調整する程度
・年間ライブ数は50以下
・演奏時間は短めに(やむを得ない場合は休憩を入れる)
・ライブは1日1本まで
復活作戦の概要はこんな感じだが、これで何とか70歳まで人前で歌い続ける目標が叶うかもしれない。