訪問ライブ顛末記


ベストライフ清田・11月誕生会 /2017.11.12



 市内遠方の有料老人ホーム誕生会で歌った。2007年に最初の依頼があり、今回が実に13回目のライブだった。
 ほぼ年に一回ペースだが、今年に限れば1月にも依頼されていて、今回が2度目。その理由は定かではないが、請われれば歌い手は素直にお受けするのみ。過去の記録を参考に、重複曲を避けて慎重に準備した。

 札幌新道を通って向かう新コースを開拓してから、自宅からの所要時間がかなり短縮され、約40分で到着。余裕をもって設営し、10分前にはスタンバイした。


 予定通り14時から開始。施設側の誕生イベントがまずあり、14時15分から歌い始めた。約35分で12曲を歌う。


「高校三年生」
「おかあさん(森昌子)」
「影を慕いて」
「いい日旅立ち」
「君恋し」
「ダニーボーイ」
「荒城の月」
「矢切の渡し」
「長崎の鐘」
「誰か故郷を想わざる」
「星影のワルツ」
「東京ラプソディ」


 晩秋の1曲目の選択は難しい。1曲目の基本は元気のいいストローク系だが、季節感を考慮して1〜5月は「北国の春」、6〜8月は「憧れのハワイ航路」、9〜10月は「高原列車は行く」あたりに決めている。ところが、11〜12月に相応しい曲があまりない。
 12月なら「ジングルベル」あたりを使う手があるが、さすがに早すぎる。季節感に左右されない「365歩のマーチ」を歌った時期もあったが、いまいちしっくりこない。

 そこでこれまで中盤で歌っていた「高校三年生」をこのところ歌っている。いわば中継ぎピッチャーを先発に回すようなやり繰りだが、卒業を間近に控えた晩秋にはピッタリの歌だ。


 聴き手はいつも通り職員を含めて50名ほど。入れ替わりの少ない施設形態で、聴き手の平均年齢は高く、嗜好は完全な傾聴型。曲の半分はシットリ叙情系である。

 3曲目の「影を慕いて」は、先日別施設のライブで出たリクエストで、この施設でも受けるはずだった。ところが、場内はケーキや飲物をサービスする真っ最中で、厨房からは昼食の後片づけの音が響く。いまひとつ落ち着かない雰囲気で、期待はずれの手応え。この種の曲はもっと後に配置するべきだったと反省。
 5曲目の「君恋し」あたりから場がようやく落ち着き、職員さんも一緒に盛り上げてくれるようになる。場の反応もじょじょによくなった。

「ダニーボーイ」は介護施設で歌うにはかなりの冒険で、リスクを避けて手堅い曲を前後にはさんだ。しかし、歌詞が高齢者向けの心に響くもので、反応は決して悪くなかった。
「荒城の月」以降は過去に好評だった曲を並べたこともあり、共に口ずさむ方が続出。手応えは抜群で、そのままラストへとなだれ込む。ラストは手拍子を誘導し、全員で楽しく歌い終えた。

「星影のワルツ」でイントロのピッキングが少し引っかかるなど、小さなミスはあったが、全体の出来は悪くなく、施設側にも喜んでもらえた。またひとつ信頼の実績を重ねることができたと思う。


 

慈啓会老健施設・11月誕生会 /2017.11.24



 市内遠方の藻岩山麓にある老健施設で初めて歌った。依頼はネット経由だが、過去13年のライブ活動の中で、老健施設では一度しか歌っていない。
 依頼が少ないのは、医療ケアとリハビリを主たる目的とする施設なので、歌や踊り等の娯楽系イベントに大きなニーズがないからではないか。

 数日前のドカ雪の爪痕がまだ残っていて、かなり早めに家を出たが、車の流れは予想外にスムーズ。開演30分前に先方に着く。


 さっそくステージとなる会場に入る。母がお世話になっている老健施設もそうだが、リハビリもかねている場なので、非常に広い。その中央あたりが仮想のステージだった。
 背面に壁がなく、前面の壁もはるか遠くなので音響面では難しい。照明で歌い手が明るく見えるようマイクスタンド位置を調整する。

 ラスト2曲はホワイトボードに貼った手書きの歌詞を見ながら歌うことが決まっていたが、「バラが咲いた」の歌詞が1番のみで、指摘すると「では1番を2回歌うということで…」と、よくある手法に落ち着きそうになった。
 しかし、2番は「バラは散っても、心の中でずっと咲き続ける…」と、人生とバラとを重ね合わせる暗喩が秀逸。フォーク風だが高齢者の支持が熱い所以。ここを抜いてしまうと魅力が半減するので、2番は歌詞を口頭指導で歌うことで決着した。

 予定より1分早い13時49分から歌い始め、およそ33分で11曲を歌う。
(※はリクエスト)

「高校三年生」
「二輪草」
「お座敷小唄」
「ここに幸あり」
「幸せなら手をたたこう」
「荒城の月」
「矢切の渡し」
「夜霧よ今夜も有難う」
「バラが咲いた」※
「リンゴの唄」※
「冬のリヴィエラ」※



 日帰りのデイケア利用者が対象で、聴き手は30人弱。男性比率が6〜7割と他施設に比べて突出して高く、進行の難しさを予感させた。
 歌に対して強い反応があったのは、やはり前列に座った女性。後列の男性たちはおしなべて反応が鈍く、参加型の「幸せなら手をたたこう」でも応ずる拍手はまばら。いつも思うが、人生を柔軟に謳歌しているのは圧倒的に女性のほうだ。
(あとで考えたが、リハビリ中で自由に手足を動かせない事情があったのかも)

 ライブはその女性のリードで進んだが、何せ全体の3割程度なので、盛り上がりも遠慮がち。初めての場で過去の実績が皆無に等しい老健施設ということもあり、構成の的がいまひとつ絞りきれなかったかもしれない。

 予定より2分早く終わったのでセルフアンコール的にリクエストを募ったら、案外すんなりと出てホッとした。
 ずっと打合せてきた担当者が急な業務で不在で、ラストのシングアウト曲に行き違いがあったりし、難条件がいくつも重なったが、大きなミスなく終えたのでよしとしたい。



 

ベストライフ東札幌・11月誕生会 /2017.11.26



 市内の有料老人ホーム誕生会で歌った。今年4月にも歌っているが、当初は年1回ペースだった依頼が、ここ数年は年2回ペースに変わった。
 いろいろな理由で買われているのは間違いなく、過去の記録を調べて慎重に準備する。特に今年4月に歌った曲の重複は極力避けた。

 寒いが、時折雪がチラつく程度で路面状況は良好。夏とそう変わらない所要時間で、イベント開始15分前に先方に着く。
 ステージからはブラインドとなるいつもの場所で機材を組み立ててスタンバイ。14時30分から施設側のイベントが始まり、終了後ただちに機材一式を運搬移動する。予定より少し早い14時42分からスタートした。


 先方の希望通り、15時20分までの38分で12曲を歌う。


「高校三年生」
「二輪草」
「ソーラン節」
「ここに幸あり」
「君恋し」
「月の砂漠」
「故郷」
「矢切の渡し」
「いい日旅立ち」
「誰か故郷を想わざる」
「上を向いて歩こう」
「まつり」


 クリスマスはひと月先だが、中旬くらいから介護施設の飾りつけはクリスマス一色に変わった。街の商戦と同じで、だんだん早くなる傾向だ。
 クリスマスソングはさすがに早すぎるので、冬から春にかけての曲を中心に構成した。

 3曲目には当初「お座敷小唄」を予定していたが、当日になって気が変わり、「ソーラン節」に変更。同じく「リンゴの唄」を予定していたラストも当日になって「まつり」に差し替えた。
 理由は特にないが、歌い始めてからその場の「空気」のようなもので決めた。多くの場合、その判断に外れはない。


 誕生会にはライブ中にケーキと飲物が出されるのがこの施設の特徴。サービスする職員さんの動きが慌ただしく、出だしの数曲は少なからず影響を受ける。
 2週間前に歌った系列の別施設で、前半に叙情系の曲を配置して失敗した経験を活かし、3曲目までは穏やかな曲調を避けた。

 この目論見はおおむね当たって、4曲目あたりから会場の雰囲気が落ち着き始め、「君恋し」で完全に場をつかんだ。続く童謡2曲も当たって、共に歌う声が多数。その勢いでラストまで突っ走るはずが、「矢切の渡し」あたりで遅れて参加する利用者がいて、再び場が落ち着かなくなる。
 テーブルの一角で、歌そっちのけでおしゃべりに興ずる動きがあり、ライブ進行は一段と難しくなった。熱心に聴いてくれる方は確かにいたので、求められた時間まで淡々と歌い切るのみと、この時点で腹をくくる。

 場が劇的に再反転したのは、ラスト間近の「誰か故郷を想わざる」から。戦中の懐メロだが、系列の他施設では評価の高い曲。この施設で歌うのは初めてで、一抹の不安もあったが、抜群の反応だった。この時期の歌をもっと掘り起こす必要がありそうだ。
 ラスト2曲はその勢いのまま一気に乗り切る。数日前からカルピスの「ほっとゆずかりん」を飲み始めたのが効いたか、久しぶりに喉の調子はピークに近く、歌いながら順に会場を見渡す余裕さえあった。

 終了後に最前列に座った女性からアンコールらしき声も出たが、進行の方が気づかずに終了宣言。惜しいことをした。
 短い間隔で沈んだり浮いたりを繰り返す忙しいライブだったが、じっと耐えてどうにか盛り返した感。終了後に声をかけてくれる方がいつもより多かった事実が、ライブの出来を物語っている。


 

ココロホーム北11条・Xmas会 /2017.12.10



 ネット経由で依頼された北大近くのサ高住で歌った。数日前から深夜の咳に悩まされ、声は普通に出てキーも普段通りだが、歌唱中に咳き込むことが稀にあり、状態としては不安定。夏にも似た状態になったことがあり、リスクを避けて今回は病院に行った。
 咳の元凶は痰で、喉の入口でウイルスと戦っているらしい。薬を大量にもらって飲み始めたが、飲んですぐに咳が止まるほどの即効性はなく、ここ数日は眠れぬ夜が続いていて、極度な睡眠不足に陥っていた。

 あいにく依頼は午前と午後の2本連続。系列の2施設を順に回り、同じメニューで歌って欲しいというもの。サ高住なので介護度の低い元気な方が多く、演奏は1時間という長めの要望。我が体調を考えると、状況は最悪に近い。
 あまり寝た感覚のないまま、7時半に起床。薬が効いたか、痰がかなり出て喉が少し楽になる。出る直前の練習でも声はまずまず出た。


 開始15分前に先方到着。施設開設4年にして初めてのXmas企画だそうで、飲物のサービスにやや手間取り、予定を2分過ぎてから始まった。
 ちょうど1時間で17曲を歌う。

《セレクトタイム》
「ジングルベル」
「上を向いて歩こう」
「瀬戸の花嫁」
「お座敷小唄」
「バラが咲いた」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「荒城の月」
「矢切の渡し」
「リンゴの唄」(歌詞カード)

《リクエストタイム》
「影を慕いて」
「知床旅情」
「ブルーライトヨコハマ」
「私鉄沿線」(初披露)
「恋の町札幌」
「さよならはダンスの後に」
「青い山脈」(歌詞カード)


 初めて訪れる施設で、先方もボランティア演奏を招いた経験はあまりなさそう。喉の不安もあって、手探りの進行にならざるを得なかったが、場の反応はまずまずで救われた。


 聴き手は職員を含めて35名ほど。男性の姿がかなりあって、この種の施設では珍しい。30分過ぎた時点で前半ラストとして「リンゴの唄」を全員で歌い始めたら、気が緩んだせいか一瞬咳がこみ上げてきてヒヤリとした。

 後半のリクエストタイムでも順調にリクエストが出た。「影を慕いて」「知床旅情」は、リクエスト一覧を全く見ずに出された男性からのリクエスト。「文字が小さい」との声が複数あり、今後修正する必要があるかもしれない。
 不安いっぱいで臨んだ割に大きなミスもなく無難に歌い終え、機材をたたんで次なる系列施設へと向かった。(後編に続く)


 

ココロホーム北35条・Xmas会 /2017.12.10



(前編からの続き)
 咳による体調不良という悪条件下での午前中ライブを無事に終えて、次なる系列施設のサ高住へと向かう。
 同じ通り沿いに北へ2.5キロと近く、15分ほどで難なく到着。ネット経由で最初に声をかけてくれたIさんや、両施設の社長さんもそのまま移動して立ち会ってくれた。
 ちょうどお昼にさしかかり、移動後に施設内で美味しいお弁当をいただく。近隣のイオンで食べるつもりでいたので、移動の手間が省け、気遣いがありがたかった。

 この施設では13時から始めることになっていて、15分くらい前から準備を始める。内容は午前のものと全く同じ予定だった。

 10分くらい前から利用者が集まりだす。聴き手は前施設よりやや少なめ。前施設同様にお茶やケーキのサービスにやや時間がとられたが、一段落するまでじっと待った。
 6分遅れて開始。1時間で18曲を歌う。(◎は二択リクエストと対決曲)


《セレクトタイム》
「ジングルベル」
「上を向いて歩こう」
「二輪草◎(瀬戸の花嫁)」
「お富さん◎(お座敷小唄)」
「ここに幸あり◎(バラが咲いた)」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「小樽のひとよ」
「荒城の月◎(月の砂漠)」
「浪花節だよ人生は」
「リンゴの唄」(歌詞カード)

《リクエストタイム》
「知床旅情」
「恋の町札幌」
「くちなしの花」
「酒と泪と男と女」
「君といつまでも」
「クリスマスイブ」(初披露)
「青い山脈」(歌詞カード)


 前施設で3曲目に歌った「瀬戸の花嫁」の手応えがいまひとつの印象だったので、ふと思いついて別候補だった「二輪草」との二択リクエストをいきなり仕掛けてみた。
 すると「二輪草」が圧倒的な支持で驚かされる。「瀬戸の花嫁」は介護施設では人気の定番曲だが、人の好みは場で変わるということ。

 以降、前半の多くを二択リクエストで進めたが、結果としてかなりの曲が別の曲と入れ替わった。「小樽のひとよ」は「高校三年生」との対決曲だったが、強く推す方がそれぞれいたので、両方を歌った。場に応じた柔軟な進め方という意味で、咄嗟の判断は正しかったと思う。


 後半のリクエストタイムも順調な動きで、切れ目なくリクエストが出た。「知床旅情」「恋の町札幌」の2曲が前施設と重複して驚く。好みが分かれた二択リクエストとは異なる動きで、こういうこともある。

「クリスマスイブ」は介護施設では珍しく、そもそも人前で歌うのは初めてだった。調子よく歌っていたら、2ヶ所あるファルセットがいつものように出ない。喉の不調が影響していたのは間違いない。
 このほか、冒頭でGやG7のコードで左手の指がつるという、初めての経験をした。後半になって回復したが、長丁場による心身の疲労が関わっていた気がする。

 体調を主とする各種条件は万全ではなかったが、うまくさばいて無難に乗り切り、先方にも喜んでもらえた。
 帰り際にお土産でいただいたXmasショートケーキを妻と美味しくいただく。キモチは一足先にXmas気分。


 

あろは=遊デイサービス・Xmas会_1 /2017.12.11



 怒涛のXmasライブ3本目を近隣のデイサービスで実施。2年前に初めて招かれ、昨年は年末に2本続けて依頼された。
 今回も中1日を挟んで2本まとめての依頼で、デイサービスの仕組み上、曜日で利用者が異なるので、同じ内容で2度という話になった。

 病院で処方された薬の効果か、はたまた昨夜試みた「枕を極端に高くして寝る」という対策が効いたか、昨夜の咳はそうひどくなく、久しぶりにゆっくり寝られた。睡眠による体力回復という面では好ましいが、昨日のライブの反動か、起きると声がれの症状があった。
 処方された咳の薬は飲み続ける必要があり、声がれによく効く漢方薬の在庫はあるが、両方を飲む場合は医師に相談すること、とある。迷ったが、ひとまず漢方薬の半分だけを朝食前に飲んだ。
 朝食後に咳関連の薬を続けて飲んだが、しばしして軽いめまいと眠気に襲われる。やはり相性はよくないのか。

 ライブは14時からなので予備室で横になったら、1時間ほど眠った。早めの昼食をとり、今日歌う予定の曲を順にチェック。

 ところが、寝てしまったのがよくなかったか、充分にボイトレをやっても高音が思うように出ない。昨日は普通に歌えていたのに、どうしたことか。2時間35曲という昨日のライブが、体力の落ちている身に相当なダメージとなったらしい。
 時間がないので、この日はキーを下げて歌うことを即断。下げることが不可能な曲は、別の曲に差し替えることにした。


 ともかくも施設へと向かい、開始20分前に到着。担当の方に普段よりもキーを下げて歌うことを事前にお話しする。
 予定ちょうどの14時に開始。苦しみつつも、リクエストやアンコールを交えて48分で17曲を歌う。(※はリクエスト)


「ジングルベル」
「上を向いて歩こう」
「二輪草」
「お富さん」
「ここに幸あり」
「小樽のひとよ」
「高校三年生」
「故郷」
「矢切の渡し」
「時の流れに身をまかせ」
「夜霧よ今夜も有難う」
「丘を越えて」
「函館の女」※
「古城」※
「憧れのハワイ航路」※
「リンゴの唄」
「月がとっても青いから」(アンコール)



「ツヤのある高音」が日頃からのウリなので、やむを得ない事情とはいえ、大半の曲を1音下げて歌のは腹ただしく、情けない思いだった。しかし、この種の場では穴を開けてしまうことが最悪で、多少のアラはあっても、予定通りに場を作ることが大切なのだと自分に言い聞かせる。

 昨日のように歌唱中に咳の出る気配はなかったが、手探り的進行であることは同じ。場の反応自体は悪くなく、事情を知っている担当の方がうまく盛り上げてくれて、前半の予定曲は大きなミスなく乗り切った。

 終了前に数曲のリクエストを募ることが恒例で、カポによるキー調整が不可能な曲が出ないよう祈ったが、何と最初に出た「函館の女」が半音しか下げられない曲。やむなく半音だけ下げて歌ったが、案の定出だし部分で高音の一部がかすれてしまった。

 予定ぴったりの45分で歌い終え、ヤレヤレと思った途端、当の担当者の方から「アンコール!」の声。実はアンコールもこの施設では恒例なのだった。
 ここで初めて喉の調子にふれ、アンコールは1曲限定とさせていただく。
(ライブ中に体調不良の言い訳は一切しなかった)


 ようやく終了となり、撤収しようと背景の幕を回避してPAをスタンドごと移動させたら、ケーブル類がつないだままだったことをまた忘れていた。電子譜面つきのマイクスタンドが倒れ、木製ホルダーの一部が欠けた。
 幸いにタブレットPCは無傷で、ホルダーも帰宅後すぐに修復したが、ついこの前も別の場で同じ失態をやらかしたばかり。学ばない学べない自分がなんとも情けない。体調管理のことも含め、いよいよライブ活動の見切り時が近づいているのか。


 

あろは=遊デイサービス・Xmas会_2 /2017.12.13



 一昨日歌ったばかりのデイサービスで再び歌った。同じXmasライブで内容も同じだが、曜日を変えたことで、多くの聴き手が入れ替わった。
 2日前は咳が遠因と思われる急な声がれに見舞われ、悲惨な内容だったが、中1日の休養日を活かし、喉の回復に励む。
 咳に悪いというアルコールを一切やめ、0時前には床につく。病院で処方の薬のほか、声がれに即効性のある漢方薬「響声破笛丸料」を毎食前に欠かさず飲んだ。

 声がれは日毎に改善し、昨日は普段より半音下げれば歌えるようになり、2日後の今日は普段通りのキーで歌えるまでに回復した。プロの歌手やアナウンサーも愛用するという「響声破笛丸料」の効き目、やはり絶大である。


 前回同様に14時から開始。2日前と一部の曲を変更し、48分で16曲を歌う。
(※は歌詞指導)(◎は二択リクエスト)


「ジングルベル」
「上を向いて歩こう」
「二輪草」
「お富さん」
「ここに幸あり」
「小樽のひとよ」
「いつでも夢を」
「荒城の月」
「矢切の渡し」
「小指の思い出」
「恋の町札幌」◎
「大空と大地の中で」(リクエスト)
「憧れのハワイ航路」
「故郷」※
「青い山脈」※◎
「北酒場(アンコール)」


 この日は2日前よりも格段に聴き手が少なかった。あとで知ったが、9人もの欠席者がいたという。大半が風邪で、歌い手の私も咽喉部でウィルス侵入を必死で防いでいる風邪予備軍なのだった。
 聴き手の大半が女性ということもあってか、反応は非常に弱かった。サンタ衣装で仮装した職員さんが盛んに手拍子で盛り立てても、あまり乗ってこない。喉は復活していたが、聴き手の反応は必ずしもそれとは連動しない。

 反面、「ここに幸あり」「荒城の月」等の叙情系の曲に対する反応はそれなり。局面打開をはかるべく、後半になって二択リクエストを仕掛けてみたが、これにはそれなりの効果があった。
 リクエストを募っても反応は乏しく、唯一あったのは職員さんからのもの。ラスト近くで口頭での歌詞指導を2曲続けたが、これには応ずる人がかなりいて、効果はそれなり。


 経験値を総動員しつつ工夫を重ね、時間ぴったりにまとめて終えたが、場の雰囲気が微妙。終了宣言する職員さんが現れず、かといって誰一人席を立つでもなく、シーンと静まり返ったままなのだった。
「アンコール…?」と女性職員さんがポツリとつぶやき、ただちに私が応じて「アンコールですか?でしたら、手拍子で催促するとか…。こんなふうに」とリードすると、ようやく会場から手拍子が湧く。
 ごくまれに発生する「歌い手主導アンコール」だが、聴き手が大人しい場合は、こんなこともある。

 不思議なことに、終了後に声をかけてくれた利用者の方が3〜4人いた。場は静かでも、歌が届いていないというわけではなかったらしい。ライブはなかなか奥が深いもの。