訪問ライブ顛末記


シルバーハイツ中島公園 介護棟・誕生会 /2017.7.13



 昨年11月にネット経由で初めて依頼のあった介護付有料老人ホームの誕生会で再び歌った。建物が介護棟と一般棟の2つに分かれており、まず介護棟で午前中に歌い、1週間後の午後に一般棟で再び歌うという変則的な依頼である。

 1ヶ月ほど前に打診があった当初は夏風邪も回復傾向にあり、何も問題ないはずだった。しかし、先週半ばに咳が再発し、週末のデイサービスライブを終えたあとに声がかれ、まともに歌えなくなった。

 単なる咳なら薬などでごまかしも効くが、声がかれていては人前では歌えない。声がれ専用の漢方薬などを飲んだが、早急な回復は難しそうだった。実施3日前に先方に電話して事情をお話ししたが、行事予定が決まっていて変更は難しいという。

 あれこれやり取りのすえ、私はギター伴奏に徹し、歌は職員さんに担当してもらうことになる。プロジェクターで歌詞カードを投影して、入居者のみなさんにも共に歌ってもらい、歌ごえふうの展開で臨むことになった。
 苦し紛れの対応だが、中止や延期よりはずっといいと先方も言う。来週のライブでの完全回復を目指し、今回はこのような形でお許しいただくことになった。

 昨日の午後あたりから喉の調子が急速に回復し始め、試しに歌ってみると、あまり問題なさそうだった。かなり高価だった漢方薬が効いたのかもしれない。
 今日になると喉はさらに復活していた。しかし、予定通りにギター伴奏の練習だけして、歌は一切歌わずに施設へと向かう。
 開始35分前に到着したら、担当の職員さんからも「すっかり治ってますね」と言われた。月曜に電話した際は、会話もままならないほどのガサガサ声だったので、自分でも驚くほどだ。

 PA関連の機材をまず組み立て、プロジェクター機材をセットしようとしたら、何とスクリーンは施設にあるという。床に置いてスクリーンが上にせり出す自立式で、どこにでも設置可能なすぐれもの。DIYスクリーンの出る幕はない。
 プロジェクターだけ持参のものを使うことになったが、照度が弱いので、なかなかうまく投影できない。三脚をいつもより高くし、スクリーン上の照明を消すなどして、ようやく最後尾席からも読めるようになった。

 準備に多少手間取ったが、予定通り11時15分に開始。施設長さん主導のアンコールなどあって、25分で7曲を歌った。


「憧れのハワイ航路」
「瀬戸の花嫁」
「バラが咲いた」
「我は海の子」
「知床旅情」
「丘を越えて」
〜アンコール
「青い山脈」


 選曲は誰でも知っていて、一緒に口ずさめる定番曲ばかり。当初の予定では職員さんがマイクを握って歌を担当するはずが、「歌えるのならぜひに」と、結局私がマイクを使って歌うことになった。

 起きてから全く練習してなかったが、まずまず声は出た。しかし、無理と油断は禁物だ。用心して「知床旅情」以外は全てキーを半音下げて歌った。
 1時間前にビックスドロップを飲んでいたこともあってか、咳が出る気配はなく、全曲を無難に歌い終えた。

 この施設では初の試みだったプロジェクターでの歌詞投影は、非常にうまく運んだ。共に歌う方が多数。ライブは終始にぎやかに進んだ。
 施設側にも好評で、全く予定になかった来週の一般棟ライブでも、同じ手法でやることが決まる。照度の高いプロジェクターが施設にあるそうで、次回はそれを使う。私が持参するのは接続ケーブルだけで、機材の負担は少なくなる。
 直前まではキャンセルも覚悟していたが、終わってみれば「災い転じて福」のライブとなった。


 

シルバーハイツ中島公園 一般棟・誕生会 /2017.7.20



 1週間前に歌った介護付有料老人ホームの誕生会で再び歌った。場所は前回とは別の建物で、介護度の低い一般棟。演奏時間や曲の構成はほぼ同じだが、開始時間が遅くなって夕食会の余興として歌う。
 昨年も同じだったが、食事に加えてアルコールも出されるので、場としては非常に難しい。

 喉の調子はじょじょに回復して声がれもなく、咳も出ない。それでも不安が払拭できず、開始30分前に会場でビックスドロップを1錠飲んだ。
 16時45分から施設のイベントが始まり、誕生日の歌やプレゼント贈呈などあって、16時55分から食事が始まった。
 控室で機材を事前に組み立ててスタンバイ。この日初めて使う施設のプロジェクターの位置や私の立ち位置などを施設長さんと確認する。

 17時25分に機材を会場となる食堂に搬入。プロジェクターとスクリーンの設置はすでに終わっていて、電源や各種ケーブル類をすばやくつなぐ。予定より15分遅れて17時30分からライブは始まった。
 1週間前より1曲増やし、アンコールを含めて25分で8曲を歌う。

「憧れのハワイ航路」
「瀬戸の花嫁」
「バラが咲いた」
「我は海の子」
「サン・トワ・マミー」
「知床旅情」
「丘を越えて」
〜アンコール(リクエスト)
「よこはま・たそがれ」


 前回と変えたのは、4曲目の「我は海の子」のあとに「サン・トワ・マミー」を入れたこと。担当の職員さんから、「可能であれば、ぜひシャンソンを」との要望が以前からあり、介護度が低い場ということもあって、今回は歌った。

 喉の調子は1週間前よりも向上していて、プロジェクターでの歌詞投影も格段に見やすくなっていたが、不思議な事に場の反応は1週間前のほうがよかった。
 テーブルにはデザートや飲物が並び、まだ食事をしている方もいた。歌詞を見ながら一緒に歌うには、条件的に難しい感じだった。食事会の余興であれば、単純に歌を聴くスタイルが聴き手の負担が少なくてよかった気がする。

 アンコールは施設長さん誘導のもの。「みなさん、もう少し聴きたいとは思いませんか?リクエストなどあれば…」と私に同意を求める。打合せには全くなかったが、レパートリーにあれば、と応じた。
 うまい具合に出たリクエストが、演歌の「よこはま・たそがれ」。過去に一度もリクエストが出たことがなく、人前で歌うのも確か2度目。しかし、これが実にいい感じで歌えて、間奏の時点で歓声と拍手が湧く。
 カラオケ好きな方が多いと聴いていたので、もっと演歌を構成に入れるべきだったかもしれない。

 直前に舐めたビックスドロップが効いたか、はたまた状態そのものが回復したせいか、喉の調子は悪くなく、イメージ通りに声が出て、ほぼ発病前の調子に戻った気がする。

 2ヶ月近くも続いた長い長い喉の不調。一時は活動の長期中断まで考えた。元はといえば自分の不節制がもたらしたトラブルだが、今日のライブでようやく長い低迷から脱却できた気がする。この日一番の収穫がそれだったかもしれない。


 

ケアセンター山の手・訪問ライブ /2017.8.9



 5月末に予定されていたが、思わぬ夏風邪とそれに伴う喉の不調により、中止を余儀なくされた障がい者施設でのライブを、ようやく終わらせた。2ヶ月半もの順延で、先方には大変なご迷惑をおかけした。
 このところの練習では、普段通りのキーで声は出る。ロングトーンや声のツヤの面では不安も残るが、ともかくも人前で歌えるレベルまでには回復している。

 施設は札幌西部の山沿いにあり、依頼は昨年に続いて2度目なので、道順に不安はない。開始20分前には到着し、さっそく機材を組み立てる。
 会場がかなり広く、前回スピーカー1台では非力を感じたので、2台を持参した。施設側でも広い会場に配慮し、高さ30センチほどのステージを今回は用意してくれた。ステージ上部には立派な横断幕まであって晴れがましい。

 開演5分前には準備が整った。自由参加だったが、会場にはすでに多くの聴き手が集まっている。その数、ざっと60名ほどか。前回を上回る盛況だった。

 予定を早めて、13時55分から歌い始める。休憩なしの1時間5分で、17曲を一気に歌う。
(全曲リクエスト、※は初披露)


「君のひとみは10000ボルト」※
「逢いたくて逢いたくて」※
「いちご白書をもう一度」
「昴-すばる-」
「昔の名前で出ています」
「恋するフォーチュンクッキー」※
「川の流れのように」
「for you…」※
「いい日旅立ち」

「ワインレッドの心」
「夢一夜」
「あんたのバラード」※
「氷雨」
「瞳はダイアモンド」※
「エーデルワイス」
「しあわせになろうよ」
「長い夜」


 全325曲の一覧をFAX送信し、事前にリクエストを募っていた。その数70曲弱もあり、その中から1時間分の18曲前後を選ぶのは、至難の業だった。

 リクエストとしてはPOPS系と演歌系、そしてフォーク系が圧倒的に多く、洋楽系や唱歌系はごくわずか。要望の多い3つのジャンルから全体のメリハリを考慮しつつ選んだ。
 全体的に傾向が新しく、歌った曲も17曲中6曲が初披露という、非常に斬新な構成となった。

 大きな目玉は、6曲目に歌った「恋するフォーチュンクッキー」。AKB48の歌だが、実は送信した一覧には入っていない。しかし、ぜひにという先方の強い要望。まるで知らない曲だったが、練習に練習を重ねてこの日に備えた。
 歌う順序も早すぎず遅すぎない位置に慎重に配置。この思惑は当たって、曲名を告げただけで会場が湧く。手拍子や歓声が絶え間なく続き、大変な盛り上がりとなった。
 正直いって、あまり歌いたい曲ではなかったが、少なくとも介護施設系の場では「自分が歌いたい曲」ではなく、「聴き手が求める曲」を優先して歌うべきだろう。

 全てが利用者からの事前リクエストなので、全体的に反応は悪くなく、要所に配置した演歌や叙情性の強い曲もいいアクセントになっていたと思う。
 ただ、休憩なしで突っ走った関係か、40分を過ぎたあたりから、場の反応がめっきり弱くなってくるのを感じた。1曲ごとの拍手が弱く、トイレなどで場を離れる聴き手が目立つ。自分の調子が歌うに従ってよくなっていったのと対照的だった。

 予定ではラスト前に「少年時代」を歌うつもりだったが、時間的にも聴き手の体力面でも無理と判断。ひとつ飛ばしてラストへとなだれ込む。
 ラストは職員さんの盛り上げなどもあって、にぎやかに締めくくる。利用者代表の方から感謝の言葉と記念品などいただいて、時間ぴったりに無事終了となった。

 終了後に「とてもよかったです」「聴きたい曲ばかりだった」「ずっと聴いていたかった」「次はいつ来てくれますか?」などと多くの方が声をかけてくれたり、記念写真を撮ったりする方がいて、前回同様に暖かい余韻が場に残った。
 担当のIさんと話したが、もし次の機会があるなら、演奏時間を少し短くするか、途中で完全な休憩をはさむなどの配慮が必要かもしれない。

 自分の反省としては、時間内に多くの曲を歌おうとする余り、MCが少なくなってしまったこと。さらには「昴-すばる-」のラストで高音が一部切れてしまったことがある。不安のある曲は、無理せず半音下げて歌うべきだ。
 とはいえ、全体として大きなミスはなく、風邪によるキャンセルという大きな失態を、ようやく回復させることができたのは喜ばしい。


 

新川エバーライフ・8月お楽しみ会 /2017.8.23



 年1回ペースで招かれる特養&デイサービスから数日前に突然の連絡があり、8月のお楽しみ会余興で歌って欲しいという。いつもは1ヶ月以上前に打診があるが、今回は中4日という急な話。しかも同じ施設では5月に歌ったばかりで、年に2回招かれること自体が初めてだった。
 理由はあえて聞かなかったが、おそらくは予定演者に何らかの理由でキャンセルがあったのだろう。
 今年は4月にもピンチヒッターで歌っている。ボランティア演者の多くは中高年なので、こうしたことは起こりがち。他ならぬ私自身も5月から6月にかけて喉を傷め、各方面にご迷惑をおかけした。とても他人事ではない。

 先方の希望は10曲+アンコール。いつもは選曲リストを事前にFAXするが、今回は時間がないので省略となった。5月のセットとの重複を避け、手早くプログラムをまとめた。

 昨日の愚図ついた天気がウソのように、午前中からカラリと晴れて気温もぐんぐん上がった。前日まで衣装は長袖のつもりでいたが、暑いので1ヶ月ぶりに半袖シャツを引っ張り出す。
 開演20分前に施設に着いて、機材を組み立てる。会場が広く聴き手が100名近いので、PAはいつも2台を使う。設営にはやや時間がかかる。
 予定ぴったりの14時30分からイベント開始。35分で11曲を歌った。


「高原列車は行く」
「瀬戸の花嫁」
「星影のワルツ」
「旅の夜風」
「少年時代」
「幸せなら手をたたこう」
「埴生の宿」
「矢切の渡し」
「長崎の鐘」
「まつり」
〜アンコール
「憧れのハワイ航路」


 夏から秋への移り変わりの時期なので、それを意識した内容でまとめた。5月に歌った曲との重複はない。
 介護度の高い特養入居者と介護度の低いデイサービス利用者とが混在しているので、曲の構成も新旧のバランスに配慮する必要がある。
「少年時代」は完全にデイサービスむけで、「旅の夜風」「長崎の鐘」は主に特養入居者を意識したものだった。

 全体的に聴き手が大人しいのが施設のもうひとつの特徴で、いつも通り拍手や手拍子は起きないし、無理に誘導することもしない。叙情系の曲を多めにしたこともあり、ライブは淡々と進んだ。
 まるで季節が真夏に逆戻りしたような暑さで、歌うとさらに暑さが増し、体調は最悪だった。聴き手も暑さで参っている様子がステージから見て取れる。ライブは聴くだけでも体力を消耗するものだ。

 喉の調子はまずまずだったが、暑さのせいか高音部で声が一部切れそうになり、慎重に歌い進める。中ほどの「幸せなら手をたたこう」でようやく場がなごみ、ラストの「まつり」では手拍子も飛び出した。
 アンコールは事前の打合せによるもの。つまりは「お約束アンコール」だったが、こちらにも期せずして手拍子が飛び出す。

 ともかくも無難にまとめて、急な要請には充分お応えできたと思う。施設側にも大変喜んでもらい、義理を果たせた。


 

のどか祭り /2017.9.10



 12年前に弾き語りボランティア活動を始めた当初から、おつき合いが続いている近隣のグループホーム秋祭りで歌った。
 活動記録を調べてみると、今回が実に31回目のライブ。群を抜く数である。ホーム長さんを始め、ずっと変わらずにいる職員さんや利用者も多く、長い長い家族のような信頼関係が続いている。

 明け方まで雨だったが、イベント開始予定の昼にはカラリと晴れ上がり、暑いほど。昨年は雨に降られて屋内開催となったが、やはり祭りは雨よりも晴れが似合っている。
 トップバッターなので開始20分前には会場に入り、ただちに機材をセット。電子譜面の液晶が強い日差しで見づらいので、照度を最大に上げた。

 ステージの場所が電源からやや遠く、いつものように100Vバッテリを持参して接続。予定ピッタリの13時からイベントは始まった。珍しくアンコールなどあって、20分強で7曲を歌う。


「さんぽ」
「高原列車は行く」
「星影のワルツ」
「365日の紙飛行機」
「矢切の渡し」
「まつり(北島三郎)」
〜アンコール
「また逢う日まで」


 セットリストは1週間前から決めていたが、前日になって急に気が変わり、2曲を差し替えた。
「旅の夜風」→「365日の紙飛行機」、「北酒場」→「矢切の渡し」という変更で、あまりに古い曲やテンポの早すぎる曲は受けない、との記載を過去ブログで見つけたのがその理由。
 いつからかこの施設では、大半の曲に手拍子が入るようになった。これは無視できない事実で、手拍子の打ちにくい曲は極力避けるべきだった。

 だいたい思惑通りにライブは進んだが、聴き手の手を休めるつもりで入れた「星影のワルツ」にも手拍子を打つ人がいて、ちょっと困った。受ける曲だが、文字通りワルツなので手拍子は合わせにくい。その分ゆっくり歌うことで、どうにか格好はついた。

 時間通りに終わって、ただちに場を空けようとすると、進行のNさんが突然「アンコール!」と言い始める。打合せに全くなかったが、古すぎず、手拍子の合わせやすい「また逢う日まで」で応じた。

 次の演者であるエイプリルさんに引き継ごうとしたら、ボーカルのユキさんが近寄ってきて、「菊地さん、すぐ帰ります?」と不思議なことを聞く。1年前は母の入院とイベントがぶつかり、終了後ただちに撤収したが、今回は特に予定がない。
 すると、PA一式を貸して欲しい、とユキさんが言う。今回はいつもよりメンバーが増え、伴奏にギターとカホンを加えた3人構成だった。ギターはエレアコで、アンプにつなぎたいような口ぶり。普段はアンプラグドにこだわっているユニットだが、状況が変わったらしい。

 電子譜面だけを取り外し、ギターシールドを含めてそっくりお貸しした。カホンやエレアコの音が予想外に強く、ボーカルにマイクを通すことで、いいバランスになった。
 曲の構成は70年代の昭和歌謡が中心だったが、3人だと音の厚みが違う。PAを使って正解。

 その後、利用者代表による唱歌、お神輿の巡回などあって、14時で出し物は終了。食事会は15時まで続いたが、お土産をたくさんいただいて帰路につく。
 今年の9月は例年よりライブ依頼が多く、今回が断続的に続く7本のライブの1本目。自分の声量にはいまひとつ不満が残ったが、歌の途中で咳き込んだり、高音で音が途切れそうになる不安は解消された。まずまずの出だしである。


 

清田区介護予防センター 羊ヶ丘会場 /2017.9.14



 今年1月から始まって、都合7度目の札幌市介護予防事業関連の場で歌った。しばらく間が空いたので一段落ついたとばかり思っていたが、思いがけない再開だった。

 会場は今回もかなり離れた区の町内会館。同じ事業でも会場は全て異なり、係員以外の聴き手は毎回異なるのでマンネリ化の恐れはいまのところないが、地域によって聴き手の嗜好が微妙に違うので、毎回のつかみが難しいという不安もある。

 開始はいつも10時と決まっていて、今回は他の演者が私のあとに続けてやる関係で、1時間限定のライブとなった。
 これまたいつも通り、電子譜面はタブレットからプロジェクター経由で壁に投影させる。事務局備品の高性能プロジェクターなので、照度の不安はない。
 ぴったり10時から始まり、1時間ちょうどで17曲を歌った。

《セレクトタイム》
「高校三年生」
「少年時代」
「人生いろいろ」
「埴生の宿」
「矢切の渡し」
「思い出のグリーングラス」
「星影のワルツ」
「小指の想い出」(初披露)
「ここに幸あり」
「時の流れに身をまかせ」

《リクエストタイム》
「秋桜」
「宗谷岬」
「古城」
「恋の町札幌」
「吾亦紅」
「川の流れのように」
「上を向いて歩こう」


 聴き手はちょうど10人で、全員が女性。普段から参加者は少ない会場だそうだが、今回は歌なので多いほうだという。
 介護予防事業なので男性がもっといてもいいはずだが、他の会場でも参加者の多くは女性。男性はいったいどこで何をやっているのか?

 事前にある程度の情報は得ていたので、叙情系の静かな曲を中心に構成。手拍子や歓声は皆無だが、じっと集中して聴いてくれているのが分かる。1曲終わるごとの拍手は長くて熱かった。
 全体的に大人しい雰囲気なのは間違いなく、人数が少ないこともあって、後半のリクエストタイムでリクエストが出るかどうか不安だったが、いざ始まると途切れなく飛び出してホッとした。
 場の気分を象徴するように、叙情系の曲が大半だったが、それでよかったのだと思う。

 終了後、ただちに音楽体操のグループに場を譲る。いつもは私の単独ライブなので、場の余韻に従って延々歌うことも少なくないが、今日に限ればそれはない。まあ、こんなこともある。

 ところで、あまりに急いで場を譲ろうとする余り、マイク端子をつけたままPAを移動させてしまい、マイクスタンドを電子譜面ごと床に倒してしまった。
 床やマイクは無事だったが、タブレットPCの液晶ガラスが割れ、手製の電子譜面ホルダも壊れてしまった。このところタップの反応が悪くなっていたので、買い替えの時期だったと前向きに考えよう。