訪問ライブ顛末記


シルバーハイツ中島公園 介護棟・誕生会 /2016.11.10



 ネット経由で依頼された介護付有料老人ホーム誕生会で歌った。人前で歌うのは久しぶりの気がしたが、実は先月もチカチカパフォーマンスで2度歌っている。しかし、当たりハズレのある路上ライブの宿命で、場は閑散としていた。つまり、きちんと用意された場で歌うのは9月下旬以来である。

 苦手な午前中ライブだったので、早めに起きて準備。発声練習を中心に軽めのリハで備える。
 施設はやや離れた都心近くにあったが、先週会場調査に行ったので、大きな問題はない。路面は一部凍結していたが、渋滞に巻き込まれることもなく、40分強で現地に着いた。

 施設には一般棟と介護棟の2つがあり、同じ構成で2週に分けて歌うことになっていた。この日は介護棟の誕生会余興。演奏時間は普段より短めの20分である。

 11時少し前に会場に着いたら、すでに多くの方々が集まっていた。その場で機材をセットし、11時10分ころまでにスタンバイ。当初は11時20分開始の予定だったが、聴き手も職員の方々もすでに全員集まっている。予定を10分前倒しして始めることになった。

 アンコールを含め、およそ25分で8曲を歌う。


「高原列車は行く」
「瀬戸の花嫁」
「愛の讃歌」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「星影のワルツ」
「青い山脈」(全員で)
〜アンコール
「月がとっても青いから」


 聴き手は30名ほど。初めて歌う場なので、構成での大きな冒険は避けた。3曲目の「愛の讃歌」は介護施設ではあまり歌わないが、シャンソンとしては広く知られているし、最初の打合せで担当職員の方から望まれて入れた曲だった。

 出だしの数曲は手探りの進行で、反応もやや弱い。場のタイプとしては明らかに「傾聴型」である。そんな静かな場が大きく動いたのが、4曲目の「幸せなら手をたたこう」から。
 施設の形態から、静かな展開はある程度予想していたので、全7曲の中ほどに唯一参加型のこの曲を配置したが、なかなか効果的だった。施設長さんを先頭に職員さんも積極的に参加誘導してくれて、場は大いに盛り上がる。以降はその勢いでラストまで上り詰めた印象だった。

 ラストの「青い山脈」は施設側が準備してくれた歌詞カードを全員に配り、曲間での歌詞指導もあわせて行った。
 アンコールは事前に施設側と打合せてあったもので、いわゆる「お約束アンコール」だったが、場の雰囲気には充分沿うものだった。
 職員さん主導の手拍子も入り、この日最高の盛り上がり。展開次第ではシットリ系の「ここに幸あり」で歌い納めることも考えていたが、その場の判断でこちらを選択して正解だった。

 終了後、「いい歌でした」と、入居者や職員の方々から喜ばれる。短時間の午前中ライブという難しさはあったが、無難に乗り切れた。


 

シルバーハイツ中島公園 一般棟・誕生会 /2016.11.17



 1週間前に歌ったばかりの有料老人ホームで再び歌った。前回と同じ誕生会余興だが、建物と歌う時間が異なる。
 前回は介護度がやや重い「介護棟」と呼ばれる建物で、今回は介護度の低い「一般棟」と呼ばれる建物。当然ながら聴き手は全く異なり、歌う時間帯も前回の午前中から夕食後のデザートの合間に、という設定に変わった。

 介護施設で夕方開始のライブは過去に例がなく、食事中という設定も数少ない。歌い手の条件としては厳しいが、全く同じ構成でも構わないという。準備そのものは楽だった。

 開始予定は17時15分だったが、かなり早めの16時35分に施設に着く。会場となる食堂に人が集まり始めた時間で、設営のタイムロスを少なくするべく、控室で機材を予め組み立てて準備した。
 食事がやや遅れ、17時30分から歌い始める。イベント開始からすでに45分が経過し、場はすっかりリラックスムード。そんな気分を壊さぬよう、慎重に進めた。アンコールを含め、およそ25分で8曲を歌う。


「高原列車は行く」
「二輪草」
「愛の讃歌」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「星影のワルツ」
「青い山脈」(全員で)
〜アンコール
「また逢う日まで」


 1週間前と全く同じ構成で構わない、とは聞いていたが、施設長さんの話などを参考にし、以下の3点に変更を加えた。

1)2曲目「瀬戸の花嫁」をカラオケ色の強い「二輪草」に。
2)「幸せなら手をたたこう」の3番の歌詞「ほっぺつねろう」を難易度の高い「笑いましょう」に。
3)アンコール「月がとっても青いから」をPOP風の「また逢う日まで」に。

 聴き手の介護度が低く、カラオケ好きが多いとの事前情報から加えた変更だが、結果として2曲目はどちらでも大差なかったような気がした。

 聴き手はおよそ50名。運営母体が同じせいか、全体的な場の雰囲気は1週間前の介護棟と比べて大きな違いはなく、じっくりと歌に耳を傾ける「傾聴型」である。
「幸せなら手をたたこう」を機にじょじょに乗ってくる展開も同じだったが、最初に「ぜひご一緒に口ずさんでください」と声をかけたこともあってか、一緒に歌う声は数多く耳に届いた。

 ラストの「青い山脈」では、完全に歌声サロン風の雰囲気。アンコールは職員さん中心の「お約束アンコール」だったが、ここでは思いついて前回歌った「月がとっても青いから」と「また逢う日まで」の二択を場に求めてみた。
 すると思いがけず「また逢う日まで」の声が圧倒的。ラストは自然発生の手拍子と歌声が広い吹き抜けホールに響き、楽しいシングアウトとなった。

 喉の調子がいまひとつで、体調は必ずしも万全ではなかったが、前回と同じく職員さんや入居者の方に数多く声をかけていただき、手堅くまとめられたと思う。


 

ツクイ札幌太平・訪問ライブ /2016.11.23



 年に数回招かれる近隣のデイサービスで歌った。特にイベントはなくとも定期的に声がかかり、職員さんや入居者の方々ともすっかり顔なじみ。2014年に最初の依頼があって、今回が通算7度目のライブ。互いの厚い信頼関係が築かれつつある。
 11月の下旬だが、折悪しく真冬並みの低気圧が上空に居座っていて、最高気温がマイナス2度、最低気温がマイナス7度という、時期外れの厳寒真冬日だった。積雪はそれほどでもないが、とにかく寒い。凍てついた道を慎重に車を走らせる。

 幸いに車で15分の近距離で、開始15分前に無事に到着。テーブルの配置はそのままにし、入り口付近の空いたスペースで歌うことになる。
 予定ぴったりの14時から始め、職員参加の歌や数度のアンコールなどあって、予定オーバーの1時間5分で18曲を歌った。

《前半〜ソロ》
「高原列車は行く」
「瀬戸の花嫁」
「お座敷小唄」
「ちいさい秋みつけた」(リクエスト・初披露)
「うちのお父さん」(勤労感謝企画)
「おかあさん」(勤労感謝企画)
「長崎の鐘」
「銀色の道」
「舟唄」
「矢切の渡し」
「熱き心に」

《後半〜職員とのコラボ》
「時の過ぎゆくままに」
「雪國」
「サボテンの花」
「また逢う日まで」
「あの素晴らしい愛をもう一度」
「青い山脈」(アンコール)

《アンコール→私のソロ》
「夜霧よ今夜も有難う」(リクエスト)


 前回好評だった職員さんとのコラボ演奏を今回も採用。曜日が異なるので、コラボ演奏は同じ曲目でやることになり、従って事前のリハは省略した。
 前半35分ほどは私のソロ。ライブ記録を調べ、ある程度の季節感も意識しつつ、過去にあまり歌ってない曲、初めて歌う曲を中心に構成した。

 開始前から複数の入居者の方から声がかかり、歌い手としては非常にやりやすい雰囲気だった。曲ごとの声援や拍手にも熱いものがあり、外の寒さを吹き飛ばす勢い。
 中間部に施設長さんと事前に打合せた「勤労感謝特別企画」を入れる。お父さん、お母さんに感謝しましょう、という売りだったが、この日は何をやっても受ける状況で、介護施設では難しいと思われたフォーク「うちのお父さん」にも手拍子喝采が続く。

 35分経過後から、職員さんとのコラボ演奏に突入となる。同年代の送迎担当の方とまず4曲歌い、最後に施設長さんと1曲を歌う。私はマイクなしで伴奏が役目だが、要所では歌の入りやハモリで参加した。
 どの施設でもそうだが、職員さんとのコラボには外れがない。普段の接触時間が長く、親しみの度合いが違うので当然といえば当然か。

 予定を終えると、ヘルパーさんが中心になってアンコールの要求。半分はお約束アンコールのような形だが、ここは3人一緒に「青い山脈」を歌詞指導つきで全員でシングアウトした。
 時計はぴったり15時。コルセットとホッカイロでガードして臨んだので、恐れていた腰痛も起こらず、ヤレヤレと撤収にかかろうとしたら、またまたアンコールの声あり。全くの想定外だったので驚き、では何を歌いましょうかと、場にお伺いをたてた。

 すると、最前列にいた女性から「夜霧よ今夜も有難う」をぜひに、とのリクエストあり。これが聴きたくて本来の利用日を飛び越えて、わざわざ参加したという。そこまで請われると応じないわけにはいかない。
 ところが、かの女性が歌の途中で涙をポロポロこぼし始めた。周囲の人にも涙が広がり、場が一種異様な雰囲気になった。あとで知ったが、亡くなったご主人が大好きだった曲だそうで、いい供養になりました、ありがとうございますと、何度も頭を下げられた。
 ラストがしんみりし過ぎた感がしないでもないが、自分の歌で泣いてくれるのは、歌い手冥利に尽きるというもの。長い付き合いのある場なので、こんな終わり方もたまにはよい。


 

わらび子供会・おたのしみ会 /2016.12.3



 ネット経由で依頼のあった、市内の町内会子供会イベントに出演。計12本がスケジュールとして詰まっている怒涛のライブ月間最初のライブとなるが、「午前中開始」「子供が対象」「初めての場」という、3つの難しい条件がくしくも重なった。
 特に子供を対象としたライブは最も実績が少なく、指折り数えてもこの12年で5〜6回ほど。その多くは苦戦していたが、新発想で臨んだ3年前の児童養護施設対象のライブでは、大きな手応えを感じていた。

 聞けば、今回の聴き手も同じ幼稚園児から小学生だという。当時の記録を参考に、似た構成で臨めば、それなりにうまく運ぶはずと考え、引き受けることにした。

 会場は町内会が管理する町内会館で少し遠いが、時折招かれる有料老人ホームやデイサービスの近隣にあって、土地勘はある。寒さも緩んで道路からは雪も消えた。車の流れはスムーズで、35分で先方に着いた。
 開始は10時で、5つある出し物のうち、私がトップバッター。歌で元気よくイベントを始めたい、という意向があったのか。

 子供たちは床に座り、15センチほどのステージ上で歌うことになる。後半で歌う「ピクニック」の動物の鳴き声を保護者の方と掛け合いでやることになっており、そのタイミング等を簡単にリハーサルする。あっという間に時間となった。
 10時ちょうどに開始。聴き手は保護者も含めて40名ほどか。持ち時間はアンコールなしの20分ちょうどなので、あまり余裕はない。以下の7曲をトントンと歌った。


「ウィンター・ワンダーランド」
「チキ・チキ・バン・バン」
「幸せなら手をたたこう」(聴き手参加)
「ビリーヴ」
「さんぽ」(歌詞指導)
「ピクニック」(保護者とのコラボ)
「オー・シャンゼリゼ」


 1曲目は12月ということもあり、Xmasソングを歌ったが、他の場では自然発生的な手拍子が出ることも少なくない歌に、会場は終始静かなまま。この時点で(今回は苦戦するかも…)という悪い予感が走る。
 続く「チキ・チキ・バン・バン」は、過去に子供たちがマイク回りで踊り始めたことのある曲だったが、同様に反応は極めて弱い。 (あとで気づいたが、立って歌う私と床に座っている子供たちとの間に、微妙な距離感があったかもしれない)

 そんな展開も想定し、中間に配置した聴き手参加型のカンフル曲「幸せなら手をたたこう」で、ようやく場が元気になる。続く「ビリーヴ」「さんぽ」も、特に低学年で一緒に歌う子供たちがけっこういて、その勢いで一気にラストへとなだれこむ心づもりだった。

 ところがラスト前の保護者とのコラボ「ピクニック」が誤算。本来この曲は動物の鳴き声担当者が歌い手の真横に立ち、漫才のような掛け合いで進めるもの。過去2回はその手法で臨み、大きな盛り上がりにつながっていた。

 今回は事前の打合せで、保護者の方が複数で子供たちの周囲に立ち、鳴き声を担当するという。前例はなかったが、希望には沿うことにした。
 しかし、いざ本番になると次の演目の準備などがあったのか、会場にいて鳴き声を出す方はごく少数。タイミングやアクションも打合せとはかなり違った。子供たちが大喜びするはずが、期待外れに終わってしまう。

 ややしぼんだ雰囲気のまま、時間切れとなる。ラストの「オー・シャンゼリゼ」で自然発生的な手拍子が出たのが救いだったが、ライブ月間のスタートとしては悔いの残る、ほろ苦オープニングとなった。
 聴き手の対象年齢が同じで曲目構成が同じでも、場によって受けたり受けなかったりする。子供が対象のライブの難しさを、改めて思い知った。


 

ツクイ札幌稲穂・訪問ライブ /2016.12.6



 市内遠方にあるデイサービスで歌った。3年前にネット経由で依頼があってから、年に3回ペースで定期的に招かれていて、今回が11回目のライブ。長く確かな信頼関係が続いている得難い場のひとつである。

 依頼が多いのはありがたい限りだが、慣れからくる緩みや飽きに陥りやすいこともまた事実。そんな流れにクサビを打つべく、今回は過去に一度もやっていない職員さんとのコラボを、ライブの後半に取り入れることになっていた。
 同じ系列の別施設で今年になって2度試み、いずれもうまく運んだ手法だが、実はその施設の責任者の方が以前に勤めていたのが今回の施設、という縁がある。

 コラボ演奏は受けるが、準備が大変だった。かなり前から候補曲の絞り込みを行い、延べ6人の職員さんと5曲を一緒に歌うことに最終決着。
 初披露が2曲あって、うち1曲はハモリを伴うデュエット曲の「カナダからの手紙」。事前リハが不可能なので難易度が高く、YouTubeで入念に調整した。

 電子譜面を複数で見るには画面が小さすぎるので、A4に印刷した譜面と譜面台を別に準備。マイクも1本余分に持っていくことにした。

 前夜から天候が急変し、市内では15センチの雪が降った。遠方なので遅刻が怖く、余裕をみて出発。思っていたより渋滞はなく、50分で無事に先方に着いた。
 ただちに機材をセットし、時間までコラボ演奏の打合せやキーの確認をする。「カナダからの手紙」を一緒に歌う予定だったTさんが喉の異変で急きょ別の女性に変更になり、不安があるというので、簡単なリハを控室で行った。

 予定通り15時から開始。前半35分は私のソロで10曲歌い、後半は職員さんとのコラボ演奏で5曲。ラスト2曲を私のソロでしめた。終了は1時間後の16時だった。

《前半〜ソロ》
「高原列車は行く」
「ここに幸あり」
「お座敷小唄」
「酒と泪と男と女」(リクエスト)
「矢切の渡し」
「銀色の道」
「雪国」
「小樽のひとよ」
「虹と雪のバラード」
「熱き心に」

《後半〜職員とのコラボ》
「帰ってこいよ」(初披露)
「浪花節だよ人生は」
「糸」
「カナダからの手紙」(初披露)
「大空と大地の中で」

《シングアウト〜ソロ》 「東京ラプソディ」
「また逢う日まで」


 職員さんはもちろん、利用者の方々も多くが顔見知りなので、家族的な雰囲気の中でライブは進んだが、普段よりもやや大人しい雰囲気がした。前半の私のソロでもう少し手拍子系の曲を入れるべきだったかもしれない。
 後半の職員さんとのコラボは、1曲ごとに歌い手が変わり、そのたびに会場が湧いた。職員さんと歌うことは開始時に告知していたので、前半の静ひつさは、もしかするとそれに対する期待感の裏返しだったかもしれない。

「帰ってこいよ」は1番3番を女性職員が、2番を私が歌った。「浪花節だよ人生は」は男性職員がソロで、「糸」は女性職員が2人で交互に歌った。「カナダからの手紙」はハモリの部分をやや苦戦。しかし、ぶっつけ本番に近い条件下では立派なもの。
「大空と大地の中で」は施設長さん(男性)によるソロで、ラストのロングトーンを延々と引っ張り、しまいには息が切れて床に倒れてしまうという座興が大受け。さすがに責任者だけあって、場のツボを充分に心得ている。

 曲の傾向や男女比、ユニット構成など、事前に充分に調整したかいがあって、変化に富んでいた。利用者の方々も年末にふさわしい楽しい会だったと、喜んでくれた。
 毎回ではさすがに厳しいが、冗漫を避ける意味でも、こんな手法もたまにはいいものだ。


 

あろは=遊デイサービス・Xmas会_1 /2016.12.13



 1年前に忘年会余興として招かれた近隣のデイサービスから、Xmas会余興として再び招かれた。もともとは系列のデイサービスで歌っていた私の姿を見て、「ウチの施設でもぜひに」と請われたもの。
 ライブ依頼のパターンはいくつかあるが、いわゆる「口コミ紹介型」とでも呼ぶべきか。数としては少ないが、実際に歌を聴いたうえでのことなので、歌い手冥利につきるというもの。

 今回は曜日を変えて2度歌って欲しいという、めったにない依頼も重なった。曜日が変わると利用者がガラリ変わるというのがデイサービスの大きな特徴で、施設によっても違うが、およそ3つほどのグループがあるという。
 今回は火曜と木曜の依頼。構成は同じで構わないそうで、今日はその最初の日だった。

 ドカ雪の爪痕がまだあちこちに残っていて、交通状況がつかめない。夏なら20分で着く施設だが。用心して45分前に家を出た。
 開始20分前に無事に到着。今回はステージ背景として、暗幕と私の名を記した横断幕とを施設側でセットしてくれた。控室で機材を予め組み立てて準備し、予定ぴったりの14時から始めた。
 アンコールを含め、およそ45分で14曲を歌う。


「北国の春」
「瀬戸の花嫁」
「お座敷小唄」
「ここに幸あり」
「幸せなら手をたたこう」
「上を向いて歩こう」
「月の沙漠」
「まつり」
「浪花節だよ人生は」
「時の流れに身をまかせ」(三択リクエスト)
「青い山脈」
「赤鼻のトナカイ」(職員さんとのコラボ)
〜アンコール
「神田川」
「憧れのハワイ航路」


 2回目とはいえ、前回とは曜日も異なり、聴き手の嗜好がいまいちつかみきれない不安があった。そこでニギヤカ系としっとり系の混合という、大外れのない無難な構成で臨むことにする。
 1曲目の「北国の春」は、これまで1月以降にしか歌ってこなかった。しかし、無難な定番曲であることは確かなので、夏や秋以外なら歌ってもいい気がし、禁を破った。この判断は結果として正解で、冒頭から一気に場をつかんだ気がする。

 以降、場の反応は上々で、間奏で拍手が起きたり、一緒に歌う方も多数。全体的な傾向としてこの日は、ニギヤカ系の曲を好む場だったろうか。
 トントン進んで、ラスト前にはときどき仕掛ける「三択リクエスト」を試みる。吉幾三「酒よ」、テレサ・テン「時の流れに身をまかせ」、石原裕次郎「夜霧よ今夜も有難う」から拍手で選んでもらったが、僅差でテレサ・テンに決まる。
 40人ほどの聴き手の大半が女性だったので、こうした結果になったのかもしれない。

 サンタクロースやトナカイに仮装した職員さんとのコラボ演奏でにぎやかに終わる手はずになっていたが、なぜか終了後に打合せにはない「アンコール!」が職員さん主導で飛び出す。しかし、場の雰囲気には充分沿う声だった。

 MCの中で話題に出たフォークの代表曲「神田川」をまず歌い、続けて施設名に一部関連があるという「憧れのハワイ航路」を職員さんのダンス体操つきで歌って、ようやく大団円となった。
 職員さんや利用者の方々から多くの声をかけられ、前回を凌ぐ出来だったと自己評価したい。


 

あろは=遊デイサービス・Xmas会_2 /2016.12.13



 2日前に歌ったばかりのデイサービスで、再び歌った。同じXmas会の余興だが、曜日が変わると利用者がガラリ入れ替わる。「1日おきに2度のライブ」は、当初からの希望だった。
 全く同じ構成で構わないと施設側は言ってくれたが、2日前の場の反応を参考にし、部分的な軌道修正を加えて臨んだ。

 定刻より2分早い13時58分から開始。アンコールを含め、およそ45分で14曲を歌った。


「北国の春」
「おかあさん(森昌子)」
「お座敷小唄」
「ここに幸あり」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「さくらさくら」
「まつり」
「浪花節だよ人生は」
「夜霧よ今夜も有難う」(三択リクエスト)
「青い山脈」
「赤鼻のトナカイ」(職員さんとのコラボ)
〜アンコール
「月がとっても青いから」
「憧れのハワイ航路」


 前回と変更した部分は以下の通り。

・2曲目「瀬戸の花嫁」→「おかあさん」
・6曲目「上を向いて歩こう」→「高校三年生」
・7曲目「月の沙漠」→「さくらさくら」
・10曲目「時の流れに身をまかせ」→「夜霧よ今夜も有難う」
・アンコール「神田川」→「月がとっても青いから」

 2日前に歌ってみて感じたのは、多くの場がそうであるように、ニギヤカな傾向の曲を好むということ。たとえ利用者が入れ替わっても、施設が同じであれば、集まる利用者の傾向も似てくるものと私は考えている。
 今回の微調整はそうした場の嗜好に沿ったものだったが、全てニギヤカ手拍子系の曲にしたわけではなく、前回も受けがよかった叙情系の「ここに幸あり」は残し、手応えがいまひとつのように感じた「月の沙漠」は同じ叙情系の「さくらさくら」に差し替えた。

 修正はほぼ思惑通りに運び、1曲目から前回を上回る抜群の手応え。結果として3曲だけとなった叙情系の曲も、全体の中でいいメリハリとなった。
 アンコールを出すか出さないかは職員さんにお任せしたが、進行の方が場を締めてしまったので、てっきりないものと思ったら、やや遅れて別の職員さん数人からフェイント気味のアンコール。しかし、利用者の方々にはこれが受けた。

 ラストの「憧れのハワイ航路」は、「もう1曲行きます!」と私が自ら申し出たもの。極めて稀な「セルフアンコール」という代物だったが、この日の場の流れには、完全にハマっていた。
 同じ場でわずか中1日という、やや難易度の高いライブだったが、修正がうまく運んでさらなる向上を遂げたように思える。