ノアガーデン・夏祭り /2016.7.31
隣区にあるサ高住の夏祭り余興に出演した。一昨年暮れにネット経由で最初の依頼があり、以降年2回ペースでクリスマス会と夏祭りには呼ばれている。
最初のクリスマス会での盛り上がりが素晴らしく、職員や入居者の方々に喜んでいただいた。うまく言い表せないが、おそらく施設と歌い手との相性がいいのだろう。
私の出番は12時40分からの30分だったが、昨年は前2組の出演者が予定よりも早く終わってしまい、早めの出番になったと記録にある。今回も用心して、かなり早めの12時5分には会場入りした。
会場となる駐車場では、民謡グループが演奏の真っ最中。客席は建物側に張られたテント下だったが、ステージは駐車場真ん中にあって陽射しが照りつける。昨年は暑さに相当参った記憶があるが、幸いに今年は曇り空で太陽は見えない。
車を裏手の駐車場に置き、ステージに戻ると、なぜか民謡グループはすでに演奏を終えて撤収している。時計はまだ12時15分で、あまりに早すぎる。
どうやら昨年同様に、全体のスケジュールが巻いて(早まって)しまったようだ。
「トムノさん、すぐ演っていただけますか?」と担当の方が困った顔で言う。ある程度心の準備はしていたので、ただちに機材をセット。会場が広く、PAは2台を準備した関係でやや手間取ったが、予定より15分早い12時25分から始めた。
アンコール等を含め、およそ40分で13曲を歌う。
「憧れのハワイ航路」
「北の旅人」
「さんぽ」
「恋の町札幌」
「赤い花白い花」
「青春サイクリング」
「草原の輝き」
「古城」
「浪花節だよ人生は」
「長崎は今日も雨だった」
「どうにもとまらない」
〜アンコール
「上を向いて歩こう」
「知床旅情」(リクエスト)
構成は先日のデイサービスライブで好評だった「夏向き新メニュー」をベースにしたが、施設の嗜好や屋外のお祭り系ステージであることを考慮し、数曲を差し替えた。
具体的には、「青葉城恋唄」を「北の旅人」に、「カントリー・ロード」を「さんぽ」に、「時代」を「青春サイクリング」に、「涙そうそう」を「草原の輝き」に、といった具合だ。
年齢層から考えるとやや新しすぎる感じもあったが、4回目の出演なので、定番曲の重複をなるべく避けたいという思惑があった。
この夏初めて30度を超す真夏日で、湿度も70%を超す不快な蒸し暑さ。中高年には厳しい条件で、歌い始めても聴き手のノリはいまひとつ。昨年と同じような苦しい展開になった。
悪いことは重なって、風でマイクスタンドが揺れると、仮設のステージがぐらついて歌いにくい。途中から足で押さえてようやく落ち着いた。
しばらくは我慢のステージが続いたが、場の反応が劇的に変化したのは、ステージも後半の「古城」を歌い始めてから。
決してお祭りむきとはいえない静ひつな曲だが、私にとっての「カンフル曲」のひとつである。それまで静かだった場が、間奏で突然の拍手が湧き上がった。子細は不明だが、この曲には聴き手に訴える確かな何かがある。
次の曲は似た曲調の「長崎は今日も雨だった」を予定していたが、咄嗟の閃きでニギヤカ系の「浪花節だよ人生は」を歌った。時間には充分余裕があると分かっていたし、ここで場を一気につかみたかった。
この判断は大正解で、歌の途中で手を降ってステージに近づいてくる入居者の女性がいる。(リクエストか?)と一瞬思ったが、その右手には白い紙の塊が…。なんと介護施設系では前代未聞のお捻りなのだった。
これを機に、場は文字通りお祭り状態。もうひとつのカンフル曲である「どうにもとまらない」でそれがピークに達し、「お兄さん、いい歌をありがとう!」などと、お捻りが乱れ飛ぶ。歌に合わせ、手を取り合って踊り出す人も続出した。
請われるままにアンコールやリクエストにもお応えしたが、時間も程よくなって進行の方がまとめに入っても、まだ会場からは「アンコール!」の声が聞こえていた。
ちょっと間延びした感じだった場が、結果として大団円の盛り上がりとなり、担当の方々にも大変喜んでもらえた。