ツクイ札幌稲穂・秋祭り /2015.9.20
市内遠方にあるデイサービス秋祭りで歌った。怒涛の敬老月間ライブの8本目となるが、今回の施設では先月も歌ったばかり。一昨年に最初の依頼があってから定期的な依頼が続いていて、今回が実に7回目。
年内の依頼はもうないはずだったが、1週間前に突然の電話があり、予定していた秋祭りのボランティアにキャンセルが出たので、何とか歌っていただけないか、との打診。厳しいスケジュールだったが、該当日は予定が空いている。
いわゆる義理人情の世界に近づくが、長いおつき合いがある担当者の顔を立てる思いもあって、お受けすることにした。
先月とは曜日が異なるので、利用者の顔ぶれも変わる。しかし、秋祭りということで、先方はノリのいい曲と、長めの演奏時間を求めていた。短い準備時間のなかで工夫を重ね、新しい試みをいくつか加えて臨んだ。
夏でも50分はかかる距離だが、今日は空いてそうな別ルートを初めて通った結果、40分強で到着。前の出演者が少し伸びた関係で、15時5分から開始。アンコールを含めて55分で15曲を一気に歌った。
(※はリクエスト)(◎は初披露)
「高原列車は行く」
「二輪草」
「炭坑節」
「バラが咲いた」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「抱きしめて(オリジナル)」
「埴生の宿」
「まつり」※
「星影のワルツ」
「ラブユー東京」
「時の流れに身をまかせ」
「ミネソタの卵売り」◎
「東京ラプソディ」
〜アンコール
「小樽のひとよ」※
2ヶ月連続ということもあって、このところ使っている構成に、いくつかの修正を加えた。
・2曲目定番曲「おかあさん」を介護施設では初めて歌う「二輪草」に差替え
・民謡枠「花笠音頭」を「炭坑節」に差替え
・中盤にノリのいいオリジナル「抱きしめて」を歌う
・唱歌枠「浜辺の歌」を「埴生の宿」に差替え
・後半に介護施設ではあまり歌わない「ラブユー東京」「時の流れに身をまかせ」を
・ラスト前の定番曲「月がとっても青いから」を初披露の「ミネソタの卵売り」に差替え
・時間調整のため、反応のいい数曲をフルコーラス歌う
いずれもマンネリを避けつつ、ライブ時間を長くする意図だったが、40名ほどいた聴き手で途中で席を外す方は皆無に近く、ライブはほぼ当初の思惑通りに運んだ。
介護施設系ライブの構成で、最も気を配るのは曲順とその曲調。たとえば1曲目なら、ノリがよくて明るい曲調で場をつかむ。「北国の春」「憧れのハワイ航路」「高原列車は行く」などを季節に応じて歌い分けている。
2曲目には森昌子の「おかあさん」を多く歌ってきたが、代替曲が見当たらなかった。明るくて手拍子も打てて、季節感が薄い。色恋エキスが少なく、歌詞にホロリとくるそんな曲。持ち歌を再検討してみると、「二輪草」が何だかいけそうな気がした。
過去にほとんど歌ってないが、これは当たった。自然発生的に緩やかな拍手も飛び出す。2曲目として充分使える。
同じ事情で、ラスト前には「月がとっても青いから」を長く歌ってきたが、毎回だとさすがに飽きられてしまう。ツイッターで悩みを書いたら、とあるフォロワーさんからすぐにメッセージが入った。「ミネソタの卵売り」はいかがですか?と。
ラスト前の曲には、フィニッシュになだれこむ勢いが必要だ。しかし、ラストとはひと味違うテイストが欲しい。曲が長すぎてもいけない。レパートリーにはなかったが、「ミネソタ…」は条件に合う印象がした。
さっそく歌詞等を調べたが、コードがどうしても見つからない。やむなくYouTubeから音を拾って、自分でコードを当てた。
数回歌ってみると、いけそうだった。少なくともお祭り向きのニギヤカな曲調であることは確かで、思い切って本番で歌ってみることに決める。
短時間の練習にも関わらず、結果としてこちらも当たった。担当のTさんが、「知らない曲ですけど、みなさんすごく乗ってますね!」と驚いていた。
60数年前の曲だが、教えてくれたのは私の娘のような世代の方だ。とあるライブで一度お会いしただけだが、貴重な情報に感謝したい。
長い演奏時間だったが、この2曲に限らず、外れのほとんどない手応え充分のライブだった。もうネタは出尽くしたと思っていたが、まだまだ改良の余地は残っている。
今後の目標は、中盤の盛り上げに欠かせない「高校三年生」に匹敵する代替曲を探すこと。明るくて手拍子も打てて、色恋エキスが少なく、懐かしく昔を振り返る曲。きっと見つかる。
ライラックイースト・敬老会 /2015.9.21
敬老ライブ月間のラストとなるライブを、近隣のデイサービス敬老会で締めくくった。9月上旬から始まって、途中3連続と2連続をはさみ、この日で9本目全107曲、よくぞ歌った。
今回の施設は一昨年から毎年9月の敬老会に招かれていて、今年で3度目。いわゆる「高くて険しい3度目の壁」を越えた施設だったが、残念ながら「終わりよければ全てよし」とはならず、いろいろと悔いの残る結果となった。
先方の希望する13時の10分前には着いたが、会場となる食堂ではまだ昼食のテーブル配置がそのままで、ライブの態勢が整っていない。
入口付近で機材を組立てつつ、設営が終わるのを待ったが、始められたのは13時10分あたり。およそ35分で12曲を歌った。
「高原列車は行く」
「二輪草」
「花笠音頭」
「バラが咲いた」
「幸せなら手をたたこう」
「高校三年生」
「浜辺の歌」
「三百六十五歩のマーチ」
「星影のワルツ」
「ミネソタの卵売り」
「旅姿三人男」(リクエスト&初披露)
「青い山脈」
過去2回の記録によれば、この施設では男性の比率が非常に高い、とあった。そのつもりで男性むきの曲を多めに準備していたが、いざ会場に入ると聴き手の多くは女性。全体数も15名ほどで例年より少なく、どうやら1年のうちに何かしらの変化があったらしい。
急きょ予定曲を差替えて進めざるを得なかったが、数少ない男性を含めて反応が非常に弱く、難しいライブ進行となった。職員さんも他の仕事に忙しそうで、ライブに参加する余裕があまりない。
他施設では大好評で、一番の盛り上げどころとなる「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」でも大きな手応えはなく、かといって叙情系の歌に感極まって涙を流すという、他施設では多くみられた現象も、ここでは皆無。まさに「何を歌っても手応えナシ」の八方ふさがり状態である。
構成自体に他施設との大きな違いはなく、同じ曲を同じ歌い手が同じ時期に歌って、こうも反応が違うのはどうしたことか。仮に違いがあったとすれば、歌い手のコンデションと聴き手の体調や資質、そして運営側の態勢あたりか。
カンフル剤としての何か、たとえば強い曲を連発する「力技」を使ってでも、自分のペースに持ち込むべきだったかもしれないが、延々続くライブの最後ということもあり、もはやそんな気力体力は残ってなかった。
消化不良のまま、ライブを終える。当然ながら、アンコールの声や気配などない。担当のYさんからも、「今日はどこか元気がないですね」と鋭く指摘される。
気力体力の減退と、聴き手の反応の弱さとの悪循環がそうさせた。まだまだ未熟ということだが、言い訳が許されるなら、過去に例のない「月9本のライブ」をこなした大きなツケが、ここで出たのではないか。
義理や人情に縛られるのもほどほどにしておけ、というのが数少ないこの日の収穫である。