ベストライフ清田・11月誕生会 /2012.11.18
激しい暴風雪のなか、自宅から25キロ離れた遠方の有料老人ホームまで歌いに出かけた。南下するにつれ風雪は強まり、施設に着いたころはかなりの積雪となった。なんでも122年ぶりの遅い初雪だそうで、ともかくもこれでようやく冬らしくなった。
家を出てから、ワイパーを冬用に換えてなかったことに気づく。しかし、ヒーターを最大にして降る雪を解かしながら走り、どうにか無事に到着した。
年に一度は招かれる長い付き合いのある施設だが、つい最近施設長さんが替わり、少し空気が変わった。今日は11月の誕生会で、施設側のイベントが15分あったあと、14時15分からライブ開始。

聴き手は60名ほどだが、年に1回の訪問だと、入居者の顔ぶれも微妙に変わっている。いろいろな事情が背景にあるに違いないが、こうして職員さんも含めて少しずつ顔ぶれが変わってゆくのが世の習いであろう。果たして私はいつまでこの場で歌わせていただけるのか。

この日はいつもと少し構成を変え、これまで介護施設ではほとんど歌ったことのないシャンソン系洋楽をかなり入れた。大きな冒険だが、過去の経験からこの施設でなら無理なくやれそうな予感がした。
「サン・トワ・マミー」
「ペチカ」
「サンタルチア」
「宗谷岬」
「月の沙漠」
「瀬戸の花嫁」
「ケ・セラ・セラ」
「東京ラプソディ」
「雪が降る」
「また逢う日まで」
「愛燦々」
「月がとっても青いから」
内訳はシャンソン系洋楽4曲、唱歌系3曲、昭和歌謡系5曲、合計12曲を休憩なし、MCもほとんどなしで一気に歌った。定番曲や似たジャンル、似た曲調などが固まらないよう、直前まで曲目や曲順を慎重に吟味した。
実績ある定番曲は「宗谷岬」「瀬戸の花嫁」「月がとっても青いから」くらい。他は介護施設には合わないと判断し、これまで封印してきた曲。しかし、チカチカパフォーマンスでは多くの中高年がじっと耳を傾けてくれる強い曲ばかりだ。介護施設だといったいどんな反応があるのか、ぜひとも確かめたかった。
最も怖かったのは「雪が降る」。しかし、いいタイミングで大雪となったこともあり、これは当たった。全部歌い切らないうちにさざ波のような拍手が湧いたほど。時期にもよるが、この系列の施設では間違いなく使える。

ライブは終始静ひつで、心地良い緊張感のなかで進んだ。雰囲気としては11月初旬に実施した自主企画ライブに非常によく似ていた。60名の聴き手の「気」が、一点に集まる手応えを終始感じた。
はっきりしないが、介護施設でこうしたライブをやれたのは、初めてかもしれない。チカチカパフォーマンスで受ける曲は、構成にさえ気を配れば施設でも受けるということ。自分の手法にちょっと自信を持った。
終了は14時55分。正味40分で、介護施設としては長いほうである。開始25分あたりで聴き手の体力が心配になり、職員の方に時間を確かめたが、「予定通りお願いします」とのこと。幸い、最後まで聴き手の集中力が途切れることはなく、中座する方も全くなかった。
入居者の方々からは、「もっと歌いに来て!」と、ありがたい声援をいただく。そうなれば嬉しいが、施設長さんの交代もあり、実現するかは神のみぞ知る領域の話である。
ベストライフ白石・12月誕生会 /2012.12.16
以前に住んでいたマンションのすぐ近くにある有料老人ホームからの依頼で、誕生会余興として歌ってきた。偶然だが、この施設の責任者の方が系列の別施設から異動で着任したばかり。
最初にお会いしたのがさらに別の施設で、2006年春のこと。足掛け7年にも及ぶ長いおつき合いである。仕事とは無縁の関係だが、私の個人的なイベントである還暦コンサートにも来てくださった。こうなると利害を超えた人間そのものの縁といっていい。

施設そのものに伺うのは初めてなので、プログラムは隔たりがないよう、無難な構成で準備した。とはいえ、同じ系列の施設なので、ある程度の傾向は確かに存在する。
14時10分からちょっとした施設側のイベントがあり、14時20分からライブ開始。35分で以下の11曲を歌った。
「ウインター・ワンダーランド」
「サン・トワ・マミー」
「瀬戸の花嫁」
「宗谷岬」
「ラ・ノビア」
「バラが咲いた」
「月がとっても青いから」
「愛燦々」
「高校三年生」
「ここに幸あり」
「東京ラプソディ」

実績ある日本の叙情系の歌をベースに、一部外国の曲をまじえるという基本構成。ストリートライブのような冒険は避けた。
聴き手は60名ほどで、知っている顔はもちろんない。しかし、反応は非常によく、拍手も強くて暖かかった。特に要求はしなかったが、多くの曲を一緒に口ずさんでくれ、自然発生的手拍子もいただいた。「いい声だね〜」の声もあちこちから耳に届いた。
演歌系の歌は結果として皆無だったが、リクエストを募っても最近の有料老人ホームではこうした傾向が強い。同じ理由から、明確な唱歌も歌っていない。求められた場合は別にし、当面はこの路線でいきたい。

終了後はただちにオヤツタイムに移行したので、入居者からの直接の言葉はなかったが、長いおつき合いの施設長さんからは、「一段と磨きがかかりましたね」「声が加齢と共になぜか向上してます」「ステージのさばきに余裕がある」などと、ねぎらいをいただく。
聴き手が常に流れてゆくストリートと違い、固定されている場での有難みをしみじみ感じた。毎回がシビアな場ばかりだと息をつく間もない印象だが、時折こうした用意された場で歌うのも、悪くはない気分である。
