OPEN..LIVE..ROOM


ライブセッション"かぐやな宴" /2009.5.3



 私の発案で1月に実施し、4組が参加して盛況だったライブ、「かぐやな宵」の続編をぜひに、との声が多数あった。だが、同じ場と同じ時間で、続けざまのライブ企画ほど難しいものはない。
 ただ、多くの声を無視することは出来ず、ではその「夏編」にあたるライブを、今度は場所を変えて我が家の特設スタジオでやりましょうか、との話になった。名づけて「かぐやな宴」。
 発想をガラリと変えて開始は昼と決め、連休中程のお花見の時期でもあるので、「宴」とした。つまり、ライブの要素のうちの「場所」と「時間」の2つを大きく変えたことにより、「歌い手」と「聴き手」に大きな違いがなくとも、新鮮な場となるであろう、との読みと期待があった。

 集まったのは私の家族を含めて11名。メンバーの慰労もかねているので、声をかけたのは当時のメンバーとスタッフ、そして私の家族と妻の友人、といった少なめの人選となった。
 単に聴き手の数だけなら、最初にやった私のソロ自宅コンサートが総勢18名で、今回よりもはるかに多い。しかし、歌い手がこれほど多い自宅ライブは初めての経験で、PAや座席、照明、そして食器を始めとする備品など、かなり前から入念にチェックして備えた。

 集合は2時で、簡単なリハーサルをやったあと、午後2時40分からライブ開始。ツワモノぞろいなので、集まった楽器もベラボーな数。ギター類だけで軽く10台は越えた。控え室にした4畳半が楽器で埋まった。

 最初は1組30分6曲をメドに、4組が歌った。1巡目が終わったところで、時刻は夕闇が迫る午後5時15分前後。その後、トイレ&タバコ&お茶休憩をはさみつつ、午後5時30分から2巡目を気ままに歌う。数えてないが、合計で40曲は軽く歌っている。
 程よい緊張感は保ちつつも、どこかちょっと緩めの心地よさが漂う、これまであまり経験したことのない、何とも不思議な気分のライブとなった。
 ホスト役として、オープニングアクトを務めた私のセットリストは以下の通り。


《1巡目/ソロ》
「宵待人」(オリジナル)
「さみだれ川」
「僕はここにいる」
「僕のそばにいなさい」
「向い風」(オリジナル)
「黄色い船」


《2巡目/tiny-ZOO(息子とのユニット)》
「恋のバカンス」
「恋は桃色」
「ありがとうdear」(オリジナル)


 ホスト役という大事な役割があったので、構成はあまり考え過ぎず、成り行きで決めた。出来たばかりの「かぐやな宵」をテーマ曲として最初に歌うのは必然だったが、以降は過去によく歌った曲、最近レパートリーに加えた曲を中心で構成した。1巡目ラストに「黄色い船」を入れ、「かぐやな宴」というコンサートタイトルのツジツマを合わせた。
 唯一のテーマらしきものと言えば、ソロの3〜5曲目で歌った「僕は君のそばにいる」というミニテーマである。年代別に共通するテーマの曲を拾って並べた。

 今回、自宅ライブとしては初めて、すべて座って歌った。聴き手との距離感を考慮してのことだが、座って歌うのは元来苦手だった。しかし、足台を使ったためか、心配していた左手の押さえにくさは感じず、無難にこなした。状況に応じ、立っても座っても歌える、という柔軟性にメドがついた感。

 2巡目の息子とのユニットは、2日前になって急きょやることが決まり、あわてて構成を変更した。道南の街から息子が帰省したのがライブ前日で、2度しか音合わせをしていない。そもそも一緒に歌うのは2年ぶりだったが、昔の感覚は失われていず、なかなか良い出来。聴き手にも好評だった。
 他の参加者も、場を上手に楽しんでいただけたようだ。特筆すべきは、初参加の女性ボーカリスト2人。1月のライブは男ばかりだったので、場によい変化と刺激を与えてくれた。

 1巡目の終わり頃から陽が西に大きく傾き、2巡目からは照明が入って、場の空気感がかなり変わった。自然のもたらした予期せぬ演出効果だった。

 PA関連で多少のハウリングが起きたり、ギターの音がうまくマイクで拾えなかったりの小さなトラブルはあったが、全体としては、「大成功」と評価していいと思う。たくさんの差し入れや、暖かい拍手と手拍子で、歌い手と聴き手とが一体になった、得難い時間だった。
 内装がすべて無垢材という制限もあり、「全面禁煙」を事前に宣言し、愛煙家の方々にも快く受け入れていただいたが、良好なライブを支える、これまた大事な要素のひとつだったように思う。

 終了は夜7時10分。4時間半の長丁場だったが、なぜか少しも疲れは感じなかった。これはまさに「宴」であったアカシ。聴き手ばかりでなく、歌い手も含めて自宅をオープンに開放した初の試みだったが、大きな手応えを感じた。
「自宅ライブの定例化」という大きな目標を持ってきたが、いよいよそれが現実化しつつある。ドアは開かれた。


 

ライブセッション"真夏の宴" /2009.8.8



 末の息子が早めの夏期休暇をとって帰省することになり、それにあわせて友人を招いてバーベキューパーティをやることになった。場所は我が家のウッドデッキに常設の外いろり周辺。
 前日からウッドデッキ周辺には風よけのシートを張り巡らし、炭はもちろん、食材や食器などもぬかりなく準備した。

 問題は天気だったが、週末には決まってぐずついていた空模様が、この日に限ってカラリと晴れ上がり、気温もぐんぐん上がって30度を軽く突破。めったにはかないショートパンツに着替え、午後2時あたりから宴は始まった。
 総勢9人ものBBQは初めての試みだったが、手製のウッドデッキの床が抜けることもなく、30度近い好天と新鮮な海山河の食材に恵まれ、得難いひとときを過ごす。

 陽も陰った夕方、室内に場所を移し、私と息子が中心になって簡単な弾き語りライブをやる。秋に還暦コンサートを実施の予定で、その候補曲チェックも兼ねていたが、酔いに任せて以下のような曲を歌ったらしい。


「みどりの蝉」
「Come to my bedside」
「僕の胸でおやすみ」
「独り」(オリジナル/作詞:まりりん)
「情熱の花」
「カントリー・ロード」
「夏・二人で」
「お陽様はどちらからのぼるのですか」

 〜しばしの休憩をはさんで…
「宵待人」(オリジナル)
「八月の宵」(オリジナル)
「コスモス街道」
「結婚したんです」(オリジナル)



 今回はさすがに、ここ3ヶ月ほどの間にこなしたライブで歌った曲との重複がある。しかも、これほど酔って歌った経験は過去にない。そのためか、私も息子も一部でミスを犯したが、「真夏の宴」の座興として、お許しくだされ。