現地取材写真
こんばんは!昨日は、お忙しいところご返信いただきましてありがとうございました。9、10の補足について、了承いたしました。
「脱サラSOHO日誌」は、昨日読破しました。究極のノウハウ記録ですね。独立する予定はないですが、なんというかすごく励まされ、力が湧いてきました。子供を抱えて再就職ができるのかなど、自分の夢に対して不安を抱くこともあったのですが、なせばなるということを身をもって示してくださっているこの記録は、独立する人もしない人にも心を打つと思います。
菊地さんの文章にすっかり魅せられてしまい、今度は、「わが家のホームスティ体験記」にとりかかっています。^^;
さて、現地を撮影して参りました。ムービーも撮りました。全て敷地の真ん中に立って撮影したものです。足りないものがあればおっしゃってください。
菊地さんのお作りになった手作りの品々、是非拝見したいと夫が申しております。家を造ったら終わりではなくて、段々に自分たちで作って足していくという考え方がとても私たちの生活スタイルに合っている気がします。
日照時間について教えていただき、大体理解しました。もうひとつ、お尋ねしたいことがあるのですが、古家付きの物件というのをたまに見かけます。土地のみより若干高い様な気がします。又は、築30年を越える中古物件というのも1000万円台で見かけます。そういったものを取り壊して新たに新築する場合、どの位の解体費がかかるのでしょう。調べたら、本州の値段で坪2〜3万円くらいだそうなのですが。予算が少ない場合はちょっと無謀なのでしょうか。
明日は南の方に土地を見に行って参ります。それではどうぞよろしくお願い致します。
写真とムービー、お手配ありがとうございました。敷地の様子が大変よく分かります。周囲建物は同じ施工店によるもののようで、外壁の色以外はほぼ同じ様な作りで、データ入力はそう難しくなさそうです。(三角屋根が見当たらない)
私の得意とするガルバリウム鋼鈑や、木の素材を使った家も見当たりません。この施工店ン)に頼んだ場合、おそらくこういったごく普通の(悪い言葉で言えばありきたりの)家になるのではないでしょうか。
お尋ねの木造家屋の解体工事の件ですが、廃棄物処理法が変わってから高くなり、全国的に坪2〜3万が相場です。最近てがけた新潟でも、40坪で100万ちょうどの解体費が別途かかりました。古い家のついている土地は、この解体費を見込んで評価してください。
(これを根拠に、土地の値段を100万値切る事なども充分可能です)
解体費は廃材の搬出距離や手作業の比重により差が出ますが、札幌近郊なら最大で坪3万みておけば大丈夫でしょう。
HP内連載をお読みいただいてるそうで、ありがとうございます。今後の設計契約その他の仕事のことは抜きにして、GWにでも手作り家具見学にぜひいらっしてください。勘のいい方なら、作品を見るだけでいろいろとヒントになるでしょう。歓迎したします。
現在、急ぎの仕事が入っていて休日返上でやっていますので、日影計算の本格着手は、少し先になると思います。よろしくお願いいたします。やってみるまで何とも言えませんが、先に書きました冬至での最低条件は満たせるような感じが、写真を見て直感的にします。
またこちらからご連絡いたします。
了解いたしました。ご連絡をお待ちしております。
「古家付き」の物件についても、よく理解しました。解体費の分交渉可能の場合があるとのことで、ちょっと光明が差してます。
来週末は今回の物件の最終判断材料にするため、業者に建築条件についてしっかり聞いてこようと思っています。昨日夫婦で話し合いましたが、あの会社の建築のデザインが気に食わないとかそういうこともなく、自分達が使う部材について凄くこだわりがあるというのもまだ感じないのですが、最初に「間取りによってコストは下げることは可能か」と聞いたときに「いえ、建坪で値段が決まります」と言われたのがひっかかっています。
TOM工房のHPには、「部屋数が少ないほど大工手間も部材も減るのでローコスト」と書かれていたのに…。要するに何が何でも決まった部分は変えられない、という強い拒絶を感じたのです。最低の値段以下には下げることはない、という…。
これは、今後我々の大きなストレスとなるのではないか、そんな気がしました。その辺を、もう一度確かめようということになっています。それに菊地さんにお願いしている日照の問題、地形にまつわる問題を加味し、総合的に判断しようと思います。
それから以前頂いたメールに、
「施主が独自に土地を見つけ、独自に設計者を探し、独自にプランを煮詰めて複数の施工業者に図面を提示し、価格交渉すれば手間はかかりますが、最も自分たちの意向に沿った家作りが可能となります。この場合、業者はオーナーを探し、面倒な間取りや材料を選定する手間が省けるので、見積りはその分確実に安く出ます」
とありましたが、このような場合、菊地さんがご自分で手がけたご自宅の建設費プラス設計費用が大体の最低ラインと考えてよろしいのでしょうか?
注文住宅など我々にはとても手の届くものではないとずっと思ってきましたが、土地の値段によっては可能なのではないかと淡い期待を持ち始めてしまっています。一生に一度のことですから「お手軽お任せ」でいいとは決して思っておりませんので…。
お時間が空いたときにで結構ですのでお教えいただければ幸いです。
札幌、TOM工房の菊地です。先日ご依頼いただいた山の手2-6の土地に関する日影検討図10枚をお送りします。圧縮してありますが、解凍が出来ない場合はご連絡ください。ファイル名は「冬至」「春分」「夏至」を頭につけ、時間(24時表示)をその後に追加してあります。
条件は先日ご送付いただいた敷地と周囲建物のデータを詳細に入力してあります。敷地の高低差も反映させてあります。どれも平均的な建物なので、ほぼ現況通りのはずです。南側のスーパー付近は現在駐車場のようですが、法制限いっぱいに新しい建物がもし建った場合を想定してあります。(図の半透明の建物)
北の方位は反時計回りに38度回転、緯度経度はこの土地の正確な数値を入力してあります。
新築建物は横(東西)8190×縦(南北)7280の総2階(延べ36坪)で想定し、それぞれ敷地境界から1メートル離してあります。1階居間の床高さは周囲GL+600、2階床はGL+3450としました。いずれも平均的な数値です。
まず「冬至午前9時」をご覧ください。すでに1階居間に日が当たっています。次に「冬至午後12時」をご覧ください。まだ日が十分当たっていますが、南の建物の影の影響が一部で始めています。
最後に「冬至午後1時」をご覧ください。南の建物の影が完全に1階をおおってしまっています。つまり、冬の午後は1階ではほとんど陽当たりが期待出来ません。午後の太陽の恩恵を受けたい北国では、結構大きな問題と言えます。
しかし、全体の1階居間床の日照時間は3時間を満たしており、その点ではいちおうぎりぎり合格です。
「冬至の日影図」(TOM工房作成)
同様に春分(秋分)と夏至のデータも参考までにご覧ください。こちらはあまり問題にならず、周囲建物の影響もほとんど受けません。3月から9月くらいまでの日中の1階居間の陽当たりは、合格点を与えてよいと思います。
夏至にあまり居間の床に日があたっていないのは、周囲建物影響ではなく、太陽の角度が急だからです。夏はこのほうが涼しくてよいと思います。
「おまけ」の画像は、西からの春分午後2時の様子です。このように通路に充分日が当たるので、春の通路の雪解けは早いでしょう。
「春分と夏至の日影図」(TOM工房作成)
以上の結果による評価は大変微妙で、「ダメだ」とも「合格」とも言い切れません。ひとつ気がついたのは、今回の敷地ように、北の方位が反時計回りに大きくふれている場合(38度もふれています)、冬の午後の陽当たりは極端に悪くなるということです。
実は私の敷地は北が時計回りに23度回転で、今回と全く逆です。ですから、冬の午後の陽当たりは大変よく、石油消費量が極端に少ない大きな理由の一つになっています。
北国の冬の午後の陽当たりは大変重要とよく言われていますから、「北国で陽当たりを重視する人は、北が時計回りにふれている土地を選べ」というのも、重要な土地探しのキーワードかもしれません。
前回メールに関連し、我が家の家作り総費用をお知らせしておきます。家本体以外では、セルフビルド材料等30万、カーテン類10万、家の登記費用10万、引越し雑費5万といったところです。引越しはすべて自分たちで、登記の一部も自分でやり、高価な照明なども無縁で、たいしたお金はかかっていません。
また、ローン借り入れに伴う諸費用(抵当権設定費や団体信用保険など)は入っていません。これは借りるローンによってかなりばらつきがあって一概に言えませんが、銀行ローンなどでは、ローンに一部繰り入れてくれる場合もあります。私の場合は公庫でしたが、全部で10万以下だったと思います。
同様の手法で30坪前後の家を建てた場合、地域にもよりますが、およそ坪単価45〜48万で決して豪華ではありませんが、かなり個性的な家を建てることが可能です。(2004年春の段階)これに別途設計監理費用がかかります。付属車庫や物置費用はこれに含みません。車庫を私のようにセルフビルドでやったり、青空駐車でいい場合は、費用はこれだけですみます。
(物置つき車庫を木製で外注する場合、別途でおよそ100万かかります)
建築条件つきの規格住宅の場合、まず総額で下限1500〜1700万前後の制限を設けているメーカーが大半です。標準床面積や標準設備の削減によるコストダウンは、一切受けつけません。「個性」「こだわり」「ローコスト」「エコロジー」これらのキーワードすべてを満たす家作りは大変難しく、素人にはほとんど不可能なのですが、企業の営業行為として考えた場合のメリットは少なく、プロでも手掛ける人はごく少数です。
HPにも書いてありますが、私はもうけ主義で設計の仕事をやっているわけではありませんので、ほとんど誰も相手にしないような仕事でも、請け負えるわけです。ただ、万人に私の手法を押しつける気は毛頭ありません。お施主さんには全てを判断し、自由に選ぶ権利があります。
日影検討図をありがとうございました!10枚も作っていただいて感激です。会社の私のパソコンでは圧縮ファイルが開けなかったので、帰ってから確認します。とても楽しみです。今週の業者説明と合わせて、夫と検討してからまたご連絡させて頂きたいと思います。
相談費用の件ですが、今日か明日早速振り込ませていただきます。取り急ぎお礼まで。
「建築条件付」とうたっているメーカーは、下限が大体決まっているのが普通なのですね。企業側としては利益を得なければならないのでそういうことになるのでしょうが、我々としては選ぶことが出来ず厳しいところです。
(つまり、いらないものまで付けられてしまうということで)
なおさらに坪45〜48万で「かなり個性的な家」が建てられるということに驚きを感じます。
ローン借り入れに伴う諸費用が安いのにはビックリしました。マンションなどでは100万以上といわれていたので…。ご自宅の建設費を教えていただいてありがとうございます。とても参考になりました。
もうひとつお伺いしたいことがあります。「ローコスト」「セルフビルド」は私たちでむしろ叶えたいことですが、「エコロジー」は予算の関係で追求しきれないこともあるのではないかと感じます。(例えば、無垢材を使いたくても、予算がなくて合板にせざるを得なくなってしまう、など)
以前、3階建てはローコストからかけ離れているので相談を受けていらっしゃらないとお聞きしたので、設計主旨に反する場合は、受けていただけないこともあるのでしょうか?お時間あるときにでもお教えください。
実は今朝、TOM工房さんにお伺いしている夢を見てしまいました。^^;やっぱり家作りに今まさに燃えているのかもしれませんね!
札幌、TOM工房の菊地です。
私のコンセプトのひとつである「エコロジー」ですが、あくまでお施主さん本意です。情報としていろいろ提供はいたしますが、最終選択権はお施主さんです。たとえば窓は塩ビの樹脂サッシより木製がよりエコロジーですが、コストが2倍近いので、納得いただいた方にしかお勧めしていません。(我が家もこの理由で樹脂サッシです)
無垢材の床は合板と比べても20%アップくらいで済む製品を最近みつけましたので、それをお勧めしています。長い目でみて、合板に張り物の床はお勧め出来ないので、数万の差なら、断然無垢材です。そのほうがお施主さんの利益になります。
(仮に30坪全部に無垢材床を張ったとし、坪1000円の差が出ても3万円しかアップになりません)
このほか、基本的に私の追求するエコロジーは、「安いこと」が前提です。「坪45〜48万でかなり個性的な家」というのも、この前提に立ったものです。これに基づく情報の収集には日々怠りありません。
「エコロジーを追求している」というと、多くの人に「コストが高いでしょう」と言われますが、前回書きましたように、我が家の工事単価は非常に低いです。
3階建ての場合、申請に必要な構造計算だけで数十万はかかります。(外注となります)これだけで坪単価が何万もはねあがり、その他規制も大変面倒です。狭小地でやむを得ない場合は必要なのでしょうが、たった独りで全てを取り仕切る私には手間がかかり過ぎ、とても手がけられません。
相談費用のお手配は急ぎません。よろしくお願いいたします。
お忙しいところ何度もメールいただきまして恐縮です。エコロジーの件、とてもよく分かりました。
以前頂いたメールを読み直していて疑問に思ったのですが、
1)「建築条件付」の場合、設計のみ切り離して外部にお願いする場合と、
2)それを拒否された場合、「間取りや立面の材料、外観デザインだけを切り離す方式」
があると教えていただきましたが、1)を嫌がる業者は2)も嫌がるような気がするのですが、両者は業者にとって大きな違いがあるのでしょうか?
また、週末に会うのとはまた別の業者に先日同じことを質問してみたのですが、「うちは工務店じゃないので設計だけ切り離すのはちょっと」と言われました。
建設業界のシステムをよく理解していないものですから、「施工だけ請け負ってくれてもいいじゃない」と思ってしまうのですが、基本的にハウスメーカーは施工は外注だからなのでしょうか?それとも、単にプライドの問題なのでしょうか。
ハウスメーカーでも「設計・施工は自社一貫で行っています」という会社がありますが、こういう会社も同様なのでしょうか。また、「施工だけ」ではハウスメーカーは儲からないシステムになっているのでしょうか。中にはそういったことを歓迎する業者がいてもいいのではと思ってしまうのですが。
勉強不足で間取り以前のことを色々とお尋ねしてしまい、申し訳ありません。菊地さんのアドバイスをきちんと理解するためにも、早急に基礎的な知識を身に付けなければと気ばかりあせっている最中です…。どうぞよろしくお願いいたします。
建築業界の裏側は、関係者でなければ知らない多くの謎に満ちています。言葉は悪いですが、業者にとってお施主さんは、ある種の「カモ」です。値切らず、業者の言いなりで高いお金を払ってくれるお施主さんほど都合のいいものはありません。
反対に、お金や材料、設計システムにいろいろ質問したり注文をつけたりする客は、いわゆる厄介なお施主さんです。それでも住宅1軒建てると、それなりに経費や利益が出る仕組みになっているので、あの手この手で客を引き寄せます。
何の知識もない素人の施主が、これらの専門知識に満ちた情報の本質を見抜くのは、不可能とは申しませんが、相当勉強しないと無理です。
現在HP連載中の新潟の上杉さんは、勉強だけで数年かけたそうです。その分、プロ顔負けの知識をお持ちで、メールの最初にいきなりQ値とC値を指定してきたのには驚きました。これだけで、もう対応出来ない業者がいると思います。今回の日影計算も全然出来ないか、外注に出している業者が大半でしょう。
新潟の上杉さんはいろいろ迷ったすえ、メーカーや工務店には設計を依頼せず、私(設計事務所)に全面的に設計依頼してくださいました。
一方、同じくHP掲載の南野さんは、メーカーと土地(建築条件つき)がすでに決まっている物件でした。どんな業者でもハウスメーカーでも、設計の一部あるいは全部を切り離すことは原則として受けつけません。どのような形でも、無関係な外部の設計者を介入させると、自社の不利益(利潤の薄い材料と施工法の指定、クレームの元になる材料指定など)につながるからです。
おそらく現在検討中の業者も同じだと思います。今回の土地を契約した場合、私の介入するすき間はほとんどないと思われます。
南野さんのケースでメーカーが受入れたのは、
「自分たちの指定した材料以外は使わない」
「設計責任は自分たち(メーカー)」
「設計費用の値引きは一切しない」
という条件を南野さんが飲んだからでしょう。メーカーとしても、「口うるさい客の間取りの相談を一切受けなくて済む」というメリットがあったのでしょう。こんな厳しい条件でも、南野さんが私に依頼されたは、私の空間構成のユニークさだそうです。
施工だけ請負う会社は、本当に良心的な職人的会社か、あるいは客を見つける営業力のない会社でしょう。そういう会社でも施工力は充分ありますが、設計力はありません。
CMを流したり、チラシを入れたりする会社(いわゆる住宅メーカー)は、まず外部の設計者が入るすき間はないものとお考えください。参考までに、この「住宅メーカー」というシステムは、日本だけのものだそうです。
現在検討中の土地に何らかの憂いがあるのなら、もう少し勉強なさってはいかがでしょう。家作りに勢いは確かに必要ですが、あせりは禁物です。
やめることにします
おはようございます。先日は日照シュミレーション、本当にありがとうございました。買う買わないは別にしても、ずっとあの土地にひっかかっていたので、即時に明確に判断できるとてもよい指針となりました。菊地さんがいらっしゃらなければいつまでもわだかまって決めかね、前に進めずにいたと思います。
先ほど、料金を郵便局に振り込みました。先週はなかなか仕事を抜けられず、申し上げた日より遅くなってしまって申し訳ありません。
日照的には、我々がその後色々見て回った物件の中では良いほうだと思いました。しかし、とても良いと言うわけではないこと、予算が大幅にアップする割には、隣近所とのトラブルも予想されるという憂い、「近くに住んで欲しい」という親が、「あそこはやめておいたほうが…」とゆずらないこと、等々をかんがみて、やめることにしました。
きっぱり決断できたのも菊地さんのお陰です。ありがとうございました。あの物件を見つけてから、ぽやぽやとしていた我々のマイホーム計画に突然火がついたようになり、この1ヶ月間というもの取り付かれたように動いていましたが、これでしばらく落ち着いてまたゆっくり考えられると思います。
「初めての土地探し」の感想としては、新聞やネットでよさそうな物件を見つけたら、平日でも仕事の帰りに待ち合わせて二人で見に行ったりなどして、この2週間で15くらいは見ました。
しかし予算内で、かつなるべく便利なところと贅沢を言っていると、とても狭いか殆ど日の差さないような立地条件であるとか、現実を見せ付けられました。
最後まで迷っていた土地の業者には、今度売り出す別の場所の新しい「建築条件付土地」はどうかと提案されました。確かに実家にはやや遠いけれど、交通の便も申し分なく、夫の会社にも近く、区画整理されているので周辺はそれほどの悪条件でもなく、価格も予算内です。
しかし、問題は建築条件付。下限価格をどうしても下げないと言うのであれば考えられませんとはっきり言いましたら、希望の間取りで見積を出すと言ってきました。
菊地さんのこと、セルフビルドをなるべく活用したいことも話しました。外部の設計士に設計を依頼する場合、値引きは一切ない代わりに、その設計通りに作ることを今までやってきたと言っていました。建材についても指定メーカーのものであれば代用可能とのことです。ただし、法的な責任などはその業者が、という菊地さんに以前聞いていたのと同じような結果になりました。
ご参考までに、業者の「注文住宅標準設備仕上表」を添付いたします。
それからGWなのですが、菊地様のご都合の良いときがありましたら、是非ご自宅を見学させていただきたいのですが!どうぞよろしくお願いいたします。
札幌、TOM工房の菊地です。アドバイザー費用を早々とお支払いくださったそうで、大変ありがとうございます。郵便振替は確認に数日かかりますが、通知がきましたら再度ご連絡します。
候補の土地は断念なさったそうで、熟慮のすえの結論ですから、それでよかったのだと思います。決定に影響を及ぼすと思い、差し控えていましたが、入口の土地の方は、結構難しい方かもしれません。家がぎりぎり北西いっぱいに建てていること、そして居丈高なブロック塀が8段も積まれていることからそれが推測出来ます。
去年、別の方の土地探しに関わったとき、同じようなことがあり、事前に私が指摘したところ、やはりその通りだったそうです。その方の土地は角地だったので、当初の計画を変更し、玄関を全く反対側にもってきて、その隣人となるべく顔を合わせないようにしたとのこと。密集地ではこの隣人との関係も重要で、すでに建っている場合は、家や塀などの状況からある程度推測出来ます。
業者の標準仕様書も拝見しましたが、可もなく不可もなくで、ごく標準的で現在のお施主さんニーズの最大公約数を満たしている、といった印象です。各メーカー、いろいろ差別化を図ろうと苦心していますが、「クレームを少なく」「利潤確保第一」で進めると、結局どこも同じようなものになってしまいます。
私とは対極にある考えなのですが、岡山さんご夫妻がこの「最大公約数的家作り」で将来的にも満足出来るのなら、こうしたメーカー主導の家作りでよいと思います。私も「いい客になるかもしれない」と、無理矢理自分の側に引込もうなどと、だいそれた考えはありません。
ただ、少し気になるのは、もしかすると潜在的にお二人が「他とはひと味違う何か」を、住まいや暮しに求めているのではないか?とも思えるからです。
奥様が私の文章をとても評価してくださったこと、(私は世間一般から見て、相当の変わり者だと思っています)また、奥様がデザイン関係の仕事をされていること、(他と同じことをやっていて、デザインや芸術が論じられるとは思えません)そしてご主人の手作り嗜好です。手作りという行為そのものが、先の「最大公約数的家作り」の対極に位置するものです。
これらの情報から考え、もしかすると家作りの方向性がもっと絞られてくるのではないか?とも思えます。以前、「あまりあせらずにじっくり」と書きましたのは、お二人でいろいろ物件を見、いろいろな家の情報を入手することによって、もう少し自分たちの持つ潜在的な願望がはっきりしてくるのでは?と思えたからです。
我が家の案内図を添付しておきます。住所、電話番号もすべて画像内に入っています。ご来訪をお待ちしています。
ご縁があればいつの日にか
かくして約2週間にわたった「住宅総合相談」は、一応の区切りをむかえた。最初は単なる土地の日照評価だけの予定が、家作りや工事発注形態全般にいたるまで相談が発展したが、これも自然な成りゆきだった。
この相談には、後日談がある。その後、我が家を見学にいらした岡山ご夫妻、すっかり我が家を気にいってしまい、
「あのような家で育つ子どもを見てみたい」
と、ご主人が規格住宅そのものに、すっかり興味をなくされてしまったのだ。そして紆余曲折のすえ、奥様のご実家の近くに、ほぼ満足の出来る条件の中古住宅を入手された。数年住んで子育てや生活が落着いた時点で、再度家作りを考えよう、ということのようである。
どうやら、「他とはひと味違う何かを、住まいや暮しに求めているのではないか?」との私の直感は、的を射ていたようだ。
ここに至るまで、膨大な量のメールが互いにやり取りされたが、そのすべてを公表するのは、今回の相談の主旨に反する。しかし、単なる依頼者と建築家の関係を大きく超えた、「人生の先輩と後輩」そして「人間と人間」としての、大変有意義な会話が交わされたことだけは報告しておきたい。そしてこの「利害を超越した人間関係の構築」こそが、家作りにおける施主と建築家の望ましい関係ではないかと思う。
土地確定後に岡山さんご夫妻から届いたメールを、最後に紹介しておきたい。
ご縁がありましたら、いつの日にか我が家をデザインしていただければ、こんなに嬉しいことはありません。モデルルームに行って、どんなハウスメーカーの話を聞いても、機能美や機能性、住宅としての効率の良さを思い浮かべると、私と夫の意見は最後にはいつも行き着くところが決まっています。
「やはりTOM工房が一番だね」と。
この2ヶ月間は我々にとって、家の勉強のみならず、現在過去未来の自分たちについて考える良いきっかけになり、本当に有意義でした。心から感謝いたしております。ありがとうございました。