間取り、ついに決着へ
札幌、TOM工房の菊地です。施工店が描き直したの新図面のFAX、そして郵便振替の通知書の両方が一度に届きました。どうもありがとうございました。
施工店の新図面はなかなか素早い対応で、少し見直しました。ひな形があったとはいえ、よく数日で平面、立面、パースまでまとめたものだと思います。
さて、正式契約が15日ということで、いよいよここらが胸突き八丁です。ゴールめざしてもうひとがんばりです。
●UT&ボイラ室
ようやく決着の方向が見えてきました。UTの東壁にボイラ等を一列に並べる手法が最もすっきり収まって、UTが最も広々と使えます。ただ、以下の点をご確認、ご了解ください。
・FF給排気管の高さ問題
・FF給排気管を横引きで工事することの確認(オプションの可能性あり)
・着火時のFF給排気管からの臭気問題
高さ問題は再三触れましたが、最低でもGLから2700(床から2000)出来れば2500(床から1800)くらいまで下げて工事してもらうよう、よくお願いしてください。場合によっては、南野さんが直接現場に確認にいく覚悟で。
着火時の臭気問題は、実は結構大きな問題です。風向きによっては、玄関回りに石油の臭気が流れてくることを覚悟してください。後述しますが、車庫内をあまり閉鎖的にすると、ますますこの臭気が問題になります。
●車庫&物置
「建物本体と車庫&物置を完全分離で施工」、そして構造や建ぺい率、容積率遵守の観点から、現時点で考えられるベストの収まりを考えてみました。添付図をご覧ください。
…最終確定間取り図/TOM工房…
東北道路側の外壁後退距離の情報が相変わらずありませんが、前後関係から1100と考えました。すると施工店の最新図面から修正を加え、図のような形になります。車庫奥行き5Mはやはり無理で、4560が限界です。物置の奥行きはぎりぎりで1100、車庫幅も木製柱なしの条件ぎりぎりで4000、この条件で試算すると、車庫&物置の合計床面積は23.26平米で、建ぺい率は39.93%で、これまたぎりぎりセーフです。
なお、建物本体と車庫の離れは一部私のミスで、240が正解です。算出は以下の通りです。
(本体柱120÷2=60)+構造合板9.5+通気胴縁18+ガルバ鋼板25+(車庫柱金物200÷2=100)=212.5→多少の余裕をみて240(我が家は240で届けた)
車庫柱は金物で受けるか、コンクリート束石で受けるか微妙です。地盤のデータをいただいてないので、「杭を打つ」という話から推測で「べた基礎+柱金物」としましたが、もしかしたら大きめのコンクリート束石で済むかもしれません。その場合、素人でも充分施工可能です。いずれ地盤のデータを送ってください。表面の地盤耐力で判断出来ます。
玄関たたきのおよその位置と寸法も入れておきました。いろいろな話を総括すると、現時点でこれ以外の収まりはおそらくないのではないでしょうか。法的にも構造的にもこれがぎりぎりですし、この大きさなら素人施工の可能性がかなり広がります。実際の施工で多少の誤差が出るのはやむを得ないとして、施工店が確認申請に協力していただけるのなら、この図面でやってもらうことをお勧めします。
なお、今回は本体と車庫&物置の間の部分240は一切床面積に算入していません。別建物扱いなので、おそらく問題ないはず。軽自動車は青空駐車になっていますが、RV車の乗り降りを無視すれば、バックでならたぶん入れられます。
物置を本体から960離したのは、先に書きましたFF給排気管からの臭気対策です。ここを開けて北側壁の一部をスリット壁にすることで、臭気がこもらないようにするのです。また、物置を本体にくっつけてしまうと、FF給排気管そのものがぶつかって施工不能になります。これが最適の収まりです。
この車庫&物置はまだ完全な構造計算をしていません。いずれやってみますが、おそらく積雪1Mまで問題ないはずです。(梁にはツーバィ材を使う予定)
●2階間取り
東北部屋に関して、現段階で考えられる3人のお子さんが使うケースを煮詰めてみました。こちらも添付図をご覧ください。
いただいたFAXとは窓の数や大きさが異なっていますが、将来こんな使い方をするなら、始めから同じ大きさで小さめな窓を等間隔で3つつけておいたほうがいいと思います。数が増えてオプションになるのが辛いですが、キッチン南東の窓がかなり大きいので、キッチン北東の窓をやめてでも、ここに3つ欲しいですね。普通に使う場合でも、3つ並んだ窓はデザイン的に面白くて、特に問題ないはずです。
図に書きましたベットは、仕切と収納をかねたものです。(セルフビルドが最適)どちらかを2段にします。女の子はプライバシーの点から奥のコーナーです。場合によって、通路にあたる部分にカーテンかのれんをつけます。これらはその時期がきましたら、再度ご相談に応じます。
関連して、3つに仕切った場合、北東の収納扉が折戸だと机がぶつかって邪魔になるかもしれません。こちらもよくご検討ください。これらはあとでお金をかけて改築すればすむことですが、いまから考えて対処しておけば、いざというときごくわずかの支出ですみます。
南西側の部屋には、将来南角が一時的に夫婦寝室になる可能性があるので、いまから引戸などをつけておいたほうが無難ですね。
●その他
いただいた施工店側の最新図面に関して、気がついたことを書いてみます。
・1階居間窓
将来ウッドデッキをつけたとき、出られる窓がありません。現状の開き窓を低くすれば何とか出られますが、引違い窓は無理でしょうか?幅があるので規格外であればやむを得ませんが…。
・2階バルコニー
思っていたよりすっきりしたデザインです。全面木製でも、デザインによっては簡単に子供でも昇れてしまいますよ。現状の横桟方式がそうですし、いま流行のラチスもだめです。比較的安全なのは、我が家でやった縦スリット方式です。現状の下半分腰壁は、腰部分がおそらく600〜700あって簡単には昇れないはずなので、割と安全なほうだと思いますが。
・サイディング
全面ガルバでいくか、半分ガルバでいくか、東北壁のみ全面ガルバかまだ流動的ですが、もし一部にサイディングを使う場合、縦張サイディングをご検討ください。現状のように「上部縦張+下部横張」という組み合わせでも構いませんが、材質と幅、色を変えつつ「上部下部とも縦張」という選択もかなり斬新です。
縦張サイディングは種類が極めて少ないのですが、溝が2段になっていて大変しゃれている既製品があります。縦張なので雨じまいもよく、サイディングでは唯一推薦できる製品です。価格も比較的安価。規格外かもしれませんが…。
南野です。ただいま施工店との打ち合わせを終えまして、メールを作成しています。今日は営業の方と、元建築課長で現在営業課長の方がみえて詳しいお話をしました。
●FF給排気管の高さ問題
暖房ボイラは床置きなので、給排気筒の位置については低い位置で抜くことになります。給湯ボイラに関しまして、外部との取り合いも含めて、給排気筒の芯でGL+2700〜2500、FL+2000〜1800位で収めるとの事で、打ち合わせできました。菊地さんのおっしゃる寸法と同じ事を大体ではありますが言っておりました。現場は目と鼻の先なので私自身、頻繁に確認しに行くつもりです。
ところで、以前のメールにありました「FF給排気管を横引きで工事することの確認」の意味がよく分かりません。縦引きと横引きの違いを教えていただけますか。
着火時のFF給排気管からの臭気問題については、承知しました。
●車庫&物置
収まりすごく良いですね。北東道路側外壁後退距離ですが、確認したところ、1100とのことでした。遅くなってすみませんでした。
確認申請の件については、施工店として車庫&物置を含めて出すことは出来ますが、車庫&物置を図面に建築予定と記して本体完成時に検査をに受けた場合、未完成物件として、完成検査に通らないという話をしていました。再度確認してみるそうです。
●2階間取り
3連窓素敵です。採用の方向で検討します。クローゼットですが、引き戸はオプションになりそうなので折戸のままでいきます。ベッドで3つに区切った空間に机は置かないつもりです。机を使いたい人はフリースペースを使用しなさいと。
自由度を残して、本人の発想にまかせて好きな物をおかせてみたいです。それぞれ個性のある空間になっておもしろいのではないでしょうか。引戸をあまり使いたくない私達としては、南側部屋の間仕切りは、開き戸にしたいと思っています。
●1階居間窓
施工店に指摘しました。はき出しの引き違い、開き戸付き窓、どちらでも可能だそうです。どちらが良いで
しょうか?(ただし両開き戸の窓は追加です(^^ゞ)
●2階バルコニー
閉鎖的なイメージは好ましくありません。安全面からも縦スリットにしたいと思っていたので、施工店に伝えました。ただ、施工店側は木材のバルコニーはお勧めしないとの事でした。安全上の問題、手入れの問題、価格の問題でとの事です。出来れば、ウッド調のアルミバルコニーを使いたいとの事でした。木か、アルミか、検討しております。腰壁はあったほうが良いと思われるのですか?
バルコニー内部の壁はどんな感じが良いでしょうか?ウッド調サイディング、外壁と同じガルバ、ガルバの色を変える等等…。
●外壁
今日の話で、まずは金額は別として全面ガルバリウムで見積りを検討しています。特注の1枚6M物は使用せず、3M物又は、4M物を使い、繋ぎを入れるという方法で考えております。色はモスグリーンです。窓は白枠を考えているので、役物も白が良いかと思っています。
ベランダの水抜きの小屋根、北東側のひさしと、繋ぎを一連の流れの中で処理できるように思い描いています。
●玄関収納
玄関の件ですが、モジュール外れ分追加として、幅2500でいけるんですが、玄関左につく既製の玄関収納の奥行きが400程度で、その隣につけようとしている玄関収納については、奥行き700以上を確保したとして、既製の玄関収納とのデザイン、面がそろわないのです。困りました。かつ、玄関収納の奥行きによっては、玄関扉横の窓が付かないかもしれないとのことです。
解決案として、
・既製品の玄関収納をやめて、玄関左全面に、玄関収納として奥行きを確保したクローゼットをつける。
・既製品の玄関収納と同じ奥行きで収納をつける。この場合、コート類がかけづらいと思われます。
これまた、金額によりますが、他に何か方法がないものでしょうか。
●玄関〜LD間の引戸
玄関〜LD間の引戸ですが、菊地さんの間取りでは玄関側に戸が納まるようになっていますよね。これに関して、施工店から「見栄えが良くないのでLD側の方がいいのでは?一般的にはLD側ですよね」と指摘を受けました。
そのように変更した場合、何か不便はありますか?LD側の壁面を有効に使えなくなるのは痛いところですが、全く使えないわけでないので、しょうがないかな、と思っています。
●1階窓
和室の窓は北西側に1M程度後退させ、2Fの窓と合わせた方が良いような気がするのですが?リビングの南西側窓は位置はそのままで、2Fの窓を大きくして、上下位置を揃えたいと思っています。
だいぶ煮詰まってきたので、そろそろ、菊地さんにパースをお願いしてイメージをつかみたいのですが、もう少し詰めてからの方が良いですよね。
札幌、TOM工房の菊地です。ついに課長さん登場ですか。いよいよ煮詰まってきましたね。話もだんだん細かくなりつつあります。
●UT&ボイラ室
ほぼ話は終結しました。「FF給排気管を横引きで工事することの確認」の意味ですが、普通、ボイラは外壁に平行に取りつけます。各部品もそれが標準になっています。ところが、今回のプランではスペースの関係で90度ひねって、外壁と直角につけなくてはなりません。その場合、給排気管を横に少し長くだす特別な部品を使います。数千円ですが、余計なお金がかかるはず。ただ、先方が何も言い出さなければ、その図面通りやってもらってください。(普通はこの程度はサービスです)
●車庫&物置
北東道路側外壁後退距離1100とのことで、だいたいこの図面でいけそうです。というより、法に準じると、どうしてもこのくらいの収まりにならざるを得ません。
確認申請の件で相手側がいい返事をしないのは、ある程度予想していました。未完成物件として完成検査に通らない可能性は充分考えられます。要するに法的責任の所在があいまいになる可能性があるからでしょう。先方が難色を示すなら、あまり無理に頼まないほうがいいと思います。方針として、もし1年ぐらい後に「増築工事」として申請を出す場合、今回私が作成した平面図と今後作成する立面図と建ぺい率、容積率計算書を添付して、南野さんご自身が確認申請を提出してください。(申請料がかかります。→1万円弱?)
ちなみに、今回のように合計床面積30平米以下の増築工事なら、どのような構造で車庫を作ろうとも、建築士の資格なしで確認申請を提出出来ます。もし積雪の構造計算書提出を求められた場合、別途私が作成します。費用はそのときにどれくらいの図書を作成するかで変わります。
●2階バルコニー手すり
「開放的にしたいが、子供が昇って落下しては困る」という南野さん、施工者として「メンテ、耐用性、価格」を重要視する両者の意見を総合し、
・縦の着色アルミ手すり
・まだ決まってないが、色は屋根破風の色(おそらくチャコールグレー)に近いもの、または白系のアルミ
ということでいかがですか?「ウッド調のアルミ」は、しょせんはまがい物ですから、お勧めしません。金属を使うなら、金属と分かる色、材質感の素材を使うべきです。ガルバ外壁が金属ですから、ここは金属でもケンカしません。
●玄関収納
玄関収納既製品400とし、その横の収納は寝室などと同じ作りで、奥行き500で当初私は考えていました。ここに入れる衣類は、ちょっとはおるジャンバーとか帽子やマフラー、冬のコート類、傘等になるはずで、パイプにS字フックをつけた程度で用は足りるはずです。ハンガーを使っても、奥行き500あればぎりぎり縦に吊れます。(測ってみてください)
その場合、玄関収納がクローゼットドアから100だけ奥にひっこみますが、問題ないでしょう。飛び出しているより、余程収まりがいいですよ。この寸法なら、玄関横の窓も最低寸法のものがつくはず。もしも台所北東の窓をなくしてしまうのなら、ここにはぜひとも通風窓が欲しいですね。夏の風の通りが段違いですよ。
●玄関〜LD間引戸
見栄えの問題はもちろん把握していました。UTの引戸に関する検討を行った際も、「玄関側に引戸が収まるとみっともない」と確かに書きました。なのにあえて引戸を玄関側にもってきたのかといえば、
1)居間の壁面を有効に使う
2)見栄えの重点を玄関と居間のどちらにおくか?
以上の2点の理由からです。
居間の壁面に関しては、家具の配置がどうなるか、現時点でははっきりしていません。今回のプランでは電話を置く場所が決まっていません。キッチンと居間の間にカウンターがあればそこに置きますが、今回はそれがありません。おそらくここに何らかの既製品家具などを置くのでは?との予想から、避けたわけです。ただ、おっしゃる通り、ほこりのたまることさえ我慢出来れば、ここに引戸を収めつつ、家具を置いても、とりあえず差し支えはありません。
問題は見栄えに関することです。引戸の収まる側は枠が邪魔になるので、見栄えはそうでない側よりもはるかに落ちます。UTと玄関を比べた場合、文句なく玄関側の見栄えを優先するでしょう。実は我が家の唯一の引戸は居間とUTの境界にあります。この場合も文句なく居間側の見栄えを優先しました。では玄関と居間とでは?
この答えは大変難しいと思います。どちらも見栄えが大切な空間だからです。すると残るは先に書いた家具の置き場所や、ほこりのたまり方、家族からみた見栄えと客に対する見栄えのどちらを優先するか?などの条件で選択するしかありません。
これらを検討した結果が、私の描いた図面です。玄関側に引戸を納めた場合の家具置場やほこりの問題はありません。(収納用ドアがあるため、家具が置けない)建具枠は上部では多少邪魔になりますが、縦枠の部分は収納ドア枠とぴったりくっつくはずで、居間側ほど目立ちません。
反対に、居間側に引戸をもってくると、縦枠がもろに居間中央部にくることになり、家族は常時それを見ながら暮すことになります。判断に迷ったとき、最後には家族の日々の暮しを大切にするというのが私の考えなので、総合点で「玄関側収め」のほうがポイントが高いと判断しました。
以上の情報を整理され、ご家族の価値観、家具の計画などを総合的に判断なさって結論を出してください。「一般的にはLD側ですよね」という施工店側の論理も理解出来ますが、なかなか一般論だけでは片づけられないのが家作りの難しさと奥の深さだと思います。
●居間窓
はき出しの引き違いは出入りは容易ですが、断熱性能は落ちます。開き戸付き窓はその反対の性能です。私はもともとが機械屋で、断熱にはものすごく気をつかい、自宅新築の際は、建物全体の熱計算まで詳細にやりました。そのため、引き違い窓は一切使っていません。
南野さんのお考えで、「石油の消費のより少ない家」に重点を置くか、「幼い子供たちが元気に内から外へ走り回ってもスムーズに出入り出来る家」に重点を置くかで決められたらいかがでしょう。
●引戸
「引戸をあまり使いたくない」とありましたが、現在のお住まいでの音に相当懲りておられるようですね。ところで、現在お使いの引戸のレールはどうなっていますか?もし床からレールが飛び出しているタイプの場合、戸が走りすぎてしばしば枠にぶつかり、音が相当響きます。
ところが最近使われる「Vレール」というタイプは、床から一切レールを出さず、溝自体を床に埋め込んでしまうため、戸車があまり走りません。ですから、引戸自体が適度に重い感じなり、余程力づくで閉めない限り、騒音の心配はまずありません。今回の計画も、おそらく引戸はVレールだと思いますよ。我が家の引戸は特注なので、枠への収め方が微妙に違うかもしれませんが、施工店に確認してみてください。「Yレール」「Tレール」なども同様の埋込みタイプです。
こんなことを長々と書くわけは、UT入口はぜひとも引戸にして欲しいからです。ここに開き戸を使った場合、入り勝手から考え、蝶番は玄関からみて左側につくでしょう。以前にも書きましたが、この入口の動線はかなり激しいです。入浴時以外は、ほとんど開け放った状態になるはずで、そのとき開いたドアが玄関から常に見えるのがあまり美しくないこと、そして、出入りのときにドアノブが特に小さい子の頭にぶつかりやすいことです。以前に住んでいたマンションにこの「危ないドアノブ」があり、まだ幼かった子供たちには大変危険でした。
いろいろ試してみて、開き戸がお勧めなのは、トイレと夫婦寝室のドアくらいです。あとは全部引戸でもいいと思います。開口面積が無段階で調節出来て、開け閉めによるスペースの無駄がない、実にコンパクト住宅むきの戸だと思います。
●北東側のひさし
規格内でつけてくれそうですか?だとすると、これは朗報です。おっしゃる通り、ベランダの水抜き小屋根、北東側のひさし、ガルバリウム鋼板の繋ぎと、同じ高さでそろえると大変美しいです。高さもだいたいGLから3000〜3100くらいですね。
パースで確認する必要がありそうですが、中央つなぎ部分(西面と北面)はおっしゃるように既製品の水切りを使ったほうがいいかもしれません。パースのご依頼は喜んでお受けしますが、ある程度外部計画が固まってからのほうがいいと思います。
忘れていましたが、外部照明と外部コンセントに関して、車庫回り、ウッドデッキ予定場所、2階バルコニー、以上3ケ所について何が標準でついてくるのか、オプションをどうするのか、相談して決めておいてください。
車庫照明は私の家のように玄関照明をかねてしまえば必要ありませんが、外部コンセントはいるような気がします。ウッドデッキに外部照明(防水スポットライト)は必須だと思います。2階バルコニーにも出来ればあったほうがいいです。
全部あったほうが基本的にいいのですが、コストが心配です。ちなみに、価格はスイッチと器具をあわせて、照明一ケ所1万円、コンセント一ケ所5千円くらいです。
契約が迫っていますが、図面と仕様書をよく読み、何が含まれていて何が入ってないかをよく確認してから印鑑を押してください。いったん判を押したあとは、図面、仕様書に入ってないものを後で気づいて指摘しても、法的には一切無効です。
南野です。
●ボイラ給排気管
横引きについて施工店に確認します。
●車庫&物置
確認申請を別に提出する方向で進みそうです。自分で車庫&物置の分を提出する事になりそうなので、その際はまたご相談させてください。
●2階バルコニー手すり
そういう考え方もありですね。私も「なんちゃって木製」に不安を感じてました。いっその事、アルミを全面に出した方がセンス良くまとまりそうですね。
●玄関収納
玄関収納は検討してみますね。キッチンの北東窓も捨てがたいので、追加になるか確認します。
●玄関〜LD間引戸
なるほど、どちらにしてもメリット、デメリットがあって難しいところですね。電話台は現在使用しているものをそのまま持って行く予定です。小さいので、引戸の納まり部分にかからない場所に設置できます。
見栄えについては非常に悩みます。引戸の納まる縦枠がどの程度目立つものなのか…。LD側にした場合、常に目に入って圧迫感を感じるようなら問題です。かといって玄関側にした場合、せっかく広くとってある玄関が狭く感じるようではもったいないですし、来客の第一印象も大切にしたい。ん〜、どこかで妥協しなければなりませんね。
戸袋を作ってなんとかLD側に引戸を納める方法も考えてみたのですが、そうするとスイッチ類をつける場所がなくなる。かといって玄関側にすると、その壁面にはパネルヒーターが付けられなくなりますし…。いっその事「引き違い戸」にしようかとも思っています。
●居間窓
私も一応機械屋の端くれです。(主人)開き戸付き窓で考えます。
●引戸
開け放すには断然引戸は有利ですね。まだ子供が小さいので安全面からもやはり引戸か…。その方向で考えます。
●外部照明と外部コンセント
これについては施工店と相談してみます。
契約に関するお気遣いありがとうございます。契約書は見落とさないようによくチェックしたいと思います。今晩も打ち合わせがありますが、日中に確認できる事は電話で確認しておこうと思います。
札幌、TOM工房の菊地です。ご主人はなんとなく技術系の方かな?と感じていましたが、同じ機械屋さんでしたか。であれば、セルフビルドなどもやればかなりいけそうな予感がします。(潜在能力があると思います)
契約にむけての細かい確認作業に焦点が移ってきつつありますが、忘れていたことも含めて書いてみます。
●1階和室窓
雨仕舞いをよくするには、1〜2階上下の窓位置をそろえるのがベターです。全面ガルバ外壁なら、そう気にする必要がないかもしれません。2階フリースペース窓は、均等な明るさを考えれば現プランの位置でしょう。
1階和室の窓は、南の陽光をより深く部屋にいれるため、1M南東にずらしました。ここは施工店の図面とは異なっています。1階南西角には2階と違って収納があるため、陽当たり重視となるとこうなるはずです。構造的には角部分の窓を避ければ大差ありませんが、1階角により多くの壁のくる私のプランのほうがやや有利です。
以上の条件からよく検討なさって最終決定してください。コストには影響しないはずなので、契約後の変更も可能かとと思われます。
●玄関〜LD間引戸
引き違い戸にする案は賛成いたしません。枠の壁からの出は小さくなるかもしれませんが、枠そのものが玄関と居間の両方にくることになり、見栄えと使い勝手が悪くなるだけです。玄関ドアを開けたときの「居間丸見え問題」が再燃する懸念もあります。また、ここをドアに変更するのは論外です。
私見ですが、現プラン通り、玄関側に片引戸をもってくるのがもっとも使い勝手がいいはずです。玄関に来客があったとき、この引戸の70%以上は「開いた」状態になっているはずで、横枠の見栄えはほとんど無視出来ます。玄関に立つ客の目線は床より一段低く、もともと横枠に目線はとどきにくいようになっています。縦枠に関しては、以前書きましたように、壁端部と一致するのであまり目立ちません。
私は町内会の世話役を何年かやっていましたが、町内の家を訪れて客として一番ばつが悪かったのは、玄関から雑然とした居間や台所が丸見えになる家でした。玄関の真ん前にトイレの出入口があったり、階段があったりする家も嫌でしたね。玄関口で奥さんがトイレから水音と共に出てきたり、ご主人と打ち合わせ中に2階からまっすぐ客(私)にむかって子供が降りてきたり…。(もちろん挨拶なし)
これらは家の古い新しいに無関係の問題で、要は設計者のセンスです。現プランの場合、これらの問題は南野さん宅では起きないはずです。つまり、単純な使い勝手と、余分な追加工事を出さない手法で決めてしまっていいと私は思います。
●照明全般
オプション対策のときに書きましたが、「家の照明をすべて引っ掛けシーリング」というわけにはいかない照明もあると思います。その扱いがどうなるのか、確認してください。
・玄関外照明:防水の専用照明が必要
・階段照明:以前に書きましたが、上下に照度センサーつきの足元照明、また2階最上部から真下を明るく照らすスポット照明もあったほうがいいです。(安いもので1万くらい)中央階段なので、昼夜通した明るさの確保は、安全上、風水上大変重要です。
そのほか、キッチン手元灯、玄関ホール、UT、トイレなども引っ掛けシーリングだけでは取付けが難しい可能性が出てくるので、最初からあったほうがベターです。安くすませるなら器具そのものは1000〜5000円で全部そろうのですが、結局は相手の出方次第ですね。
●網戸
どうするのか、結論は出ましたか?同じメーカーの網戸が安く入手出来そうなら、取付工事は自分で簡単に出来ます。(内側から両面テープで枠を止め、上の収納部分をビスで止めるだけ)
●オイルタンク
この位置が決まっていませんので、はっきり図面に記入してもらって下さい。490Lタイプの場合、基礎を入れておよそ800×1500は必要です。
車庫&物置の表現が図面から一切なくなりそうなので、オイルタンク位置が大変重要になります。普通にやるとボイラに近い浴室横北東壁に平行につけるでしょうが、そうなると車庫&物置にぶつかってしまいます。前回私の送った車庫&物置プランで決定なら、物置裏あたりに本体と直角に設置するのが現実的です。ただ、この場所は車庫&物置工事の邪魔になる可能性が大です。となると、残された場所は浴室の窓の下あたりしかありません。幸い、浴室窓はかなり高い位置にあるので、問題ないはずです。道路からあまり目立たなく、給油がやや遠いですが、まあ大丈夫でしょう。
以上の事情を施工店に話し、よくお願いしてください。工事のときの位置確認も大切になります。
南野です。施工店に以前菊地さんご提案の縦張りサイディングについて質問したところ、値段はガルバリウムとほとんど変わらないと言うんです。私としては、個性ある外観にしたいので、上ガルバリウム、下サイディング希望なのですが、主人は全面ガルバリウム希望なので、価格が変わらないのであれば、性能とランニングコストを考慮して、全面ガルバリウムの方向で進みそうです。
ボイラーの横引きについては追加なしで出来るそうです。玄関収納については、既製品よりおよそ200ミリ出る大きさで造ってもらう予定です。既製品を使わずに全面造るとなると20万円相当かかるそうです。そこまでしてこだわる理由もないので、この程度で妥協する事にしました。
●1階和室窓
2階窓はあの位置がベストですね。1階についてはよく検討してみます。
●玄関〜LD間引戸
生活シーンを思い描くと必然的に玄関側がベストなようですね、踏ん切りがつきました。玄関側に決めます。
●照明、コンセント等
照明、コンセントについては、契約後で良いそうなので、よく検討して決めるつもりです。最低限の仕様が引っ掛けシーリングとして、見積りを出してもらうつもりでいます。今後、引っ掛けシーリングではだめな部分については、照明器具と合わせて追加となります。
階段照明に関してはオプションですが、つけてもらう旨を伝えてあります。
●網戸
施工店提示の網戸価格が「高過ぎる」との事だったので、物だけ買ってもらって自分で付ける事は可能か聞いてみたところ、確認してみるとは言ってくれましたが、難しい感触でした。最悪同じメーカーのものが手に入らなくても、サイズが合うもので対応しようかと考えています。
●オイルタンク
これも契約後に決めましょうとの事で、現段階では流動的ですが、和室収納の裏あたりとのお話でした。
札幌、TOM工房、菊地です。外壁に関して、奥様とご主人とで微妙な温度差がありましたか。確かに全面ガルバはダイナミックで、上下のツートンはエレガントという雰囲気になります。ただ、耐久性ならやはりガルバリウム鋼板でしょう。海岸や工業地帯からどれくらい離れているかで違いますが、まず10年はメンテ不要です。
契約前につめておく事項が、ほぼ終結の模様ですので、今後は契約前の見積りの詰めと細かい項目の確認作業が焦点になりそうです。ここまで詰めておけばそう大きな問題は出ないと思いますが、緊急に私に見せたいものがでた場合、コンビニのFAXから送信してください。
原則としてはっきりしないものは「不要」で契約し、あとは「追加」で処理したほうが何かとお得です。(契約に入っていて、あとから不要になっても、金額を満額引いてもらえないことがある)
ホームページには書いてませんが、私は大学卒業後、某衛生設備会社で9年間汚水処理プラントの開発設計&施工監理をやっていました。汚水処理プラントといっても、大きいものは鉄筋コンクリート製で付属管理棟もついていて、工期が1年近くもかかりました。そこで土木建築の知識が必要となり、建築士の資格をとりました。
浪人時代には父の手伝いで大工の真似事を半年やりました。以前住んでいた家は、父と私と二人だけで2階を増築したものです。木造建築やセルフビルドの基本は、そのときにかなり体で覚えました。
総合的な住宅設計は独学です。20代から「いつかは住宅設計をてがけたい」とずっと思って勉強を続けていました。膨大な量のスクラップ資料や本が書棚にあります。また、独立以来自宅がずっと仕事場だったので、3人の子育てをしながらの生活体験が、いまになってけっこう役立っていると自分では思っています。
ホームページで「住宅設計をやるぞ!」と世に本格的に宣言したのは、実は今年(2003年)の2月からです。自ら設計した家に3年半住んで、自分の手法にかなり自信がついたからですが、結構反響があって、正直驚いています。これからどんな方向に進むべきかもまだまだ模索中ですが、今回の南野さんとのやりとりが、もしかするとひとつの方向づけになるかもしれません。
総合住宅相談へと発展
南野さんとの住宅相談は依然継続中だが、文書量があまりに膨大になったため、平面計画が一段落したこの時点で、いったん区切りをつけたい。
最初の依頼メールからここまでのわずか10日間で、互いにやり取りしたメールの数はすでに38通、添付図面も都合7枚である。期間、量とも過去の最高記録で、互いに妥協せず、粘り強く納得いくまで話合った。実に濃密な時間だった。
当初はあまりの時間の少なさに、計画の遂行自体が危ぶまれたが、物件にかける熱意と閃きさえあれば、極めて短い時間でも充分納得出来るプランが完成することが分かった。
今回の計画の難しさには大きく分けて三つある。たとえは悪いが、まさに「家作りの三重苦」である。
まず物件そのものに建築条件がついていたことである。しかも、建物は応用や融通のきかないローコスト規格住宅で、依頼者には家作りにかける強いこだわりがある。特に風水に対する強いこだわりは、もしも私自身に何も知識がなかったなら、計画は暗礁に乗り上げていた可能性が高い。
建築条件つきの物件で、しかもそれが大手ハウスメーカーだった場合、今回のように施主と第三者である他の建築士とがアドバイザー契約やコンサルタント契約のたぐいを結ぶことは、通常は考えにくい。ハウスメーカーとしてはいらぬ横やりが入って、やりにくいことの方が多くなるからである。メーカーとしてのプライドもあるだろう。
思いのほかそのハードルが低かったのは、地方の委託業者との契約だったことが幸いした可能性がある。施工店としても、こだわりの強い施主の難しい要求を持て余していて、そんな施主サイドで親身に相談に乗ってくれる私の登場が、「渡りに船」だったのかもしれない。
ローコスト規格住宅のさまざまなからくりも、依頼者と私を苦しめた。メーターモジュールでのプランニングは初めての経験だったが、融通のきかなさにとまどう反面、910モジュールのように階段やトイレ等の寸法を微調整する煩わしさがない分、かえってやりやすい一面もあった。
私はもともと矩形の形状、矩形の収まりを得意としており、(何しろ、最初の作品名が「TOM-CUBE」である)「ローコスト規格住宅」という切り口は、実は私むきなのではあるまいか?などとも終盤では考えるようになった。
風水に関しては、元来の占い好きの性格が思わぬところで幸いした。建築家の資質とはあまり関係がない気がし、風水や家相に関してこれまでホームページ内ではほとんど触れていない。だが、本文にも書いたように、風水や家相に関しては結構勉強していて、それなりに知識はある。
風水や家相には建築学上の裏づけがあるものと、全く無関係なものとがある。「だから無意味だ」などとは決して思わない。絶対的価値観に乏しい現代において、こんなささやかなことで人が心の安静を得られるのだとしたら、むしろ積極的に活用すべきだとさえ思う。
今回の計画では、古くから語り継がれてはいるが建築学的根拠に乏しいものは、さまざまな「対策」を計画面で講じ、依頼者に納得していただく形をとった。
ともかくも、計画はほぼ100%私のアイデアを採用していただく形で終結した。依頼者が当初抱いていた様々な不安や懸念の大半は、払拭していただいたと自負している。当初の予定からはやや遅れたが、目標通りの価格で無事契約を終えられたとの報告が届いている。
この相談には続編がある。間取り相談にまず見積り価格の相談が加わり、外部テラスや車庫、物置の相談も追加になった。さらに話は外部デザインの検討にまで進行しつつある。建物本体完成後の外部付帯工事の相談もすでに受けており、セルフビルドのノウハウも場合によっては提供することになりそうだ。
「間取り相談」から発展したいわば「総合住宅相談」の位置づけで、納得のいく家作りを行おうとすると、必然的にそういう方向に進んでいくものだと思う。アップロードの時期は現段階では未定だが、詳細はおってこのページ内で発表したいと考えている。
(「立面プラン編」へと続く)