街角100ライブ


130 赤れんがアーティスト広場06th
   「オリジナルが通用した」
/2016.9.7 Wed



 活動を再開して2度目となる赤れんがアーティスト広場に参加。前回と曜日は異なるが同じ平日で、時間帯も同じ13〜16時だ。
 予報では晴れだったが、車で向かう途中からポツポツと雨が落ちてきた。手続きを済ませて広場に着いても雨はやまない。見上げると、上空で黒い雲が動いている。小雨なので大きな木の下に移動し、じっとやむのを待つ。

 雲が去って青空が見えてきたのを機に、機材をすばやくセット。いつもの場所が明日のイベント準備のため、テント設営作業の真っ最中で使えない。正面玄関よりの位置に数メートル移動し、13時40分くらいから始めた。
 およそ1時間50分で、25曲を一気に歌う。結果として、ジャンル別の3部構成のような形になった。

《昭和歌謡系》
「カサブランカ・ダンディ」
「パープルタウン」
「ジョニィへの伝言」
「別れの朝」
「グッド・バイ・マイ・ラブ」
「恋のしずく」
「どうぞこのまま」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「アカシアの雨がやむとき」
「男と女のお話」
「あなたならどうする」

《オリジナル系》
「抱きしめて」
「夕凪ワルツ」
「誰も知らない夜」
「雨ニモマケズ」

《フォーク系》
「大空と大地の中で」
「酒と泪と男と女」
「風来坊」
「少年時代」
「傘がない」
「時代」
「異邦人」
「夢の途中」
「時をかける少女」
「ビリーヴ」


 歌うペースとしては前回なみだったが、広場内で前回の「愛食フェア」のようなイベントがなく、雨模様の曇天ということもあって、人通りは少なめ。時折バスで外国人観光客がやってくる程度で、集客的には苦戦した。

 近くでやっているテント設営の作業音がかなりのもので、途中から上空でヘリコプターがしつこく旋回して騒音を重ねる。屋外ライブの宿命のようなものだったが、少し離れた場所で同時進行でやっていた他のジャグリング系パフォーマー2組の音はそれほど大きくなく、こちらは影響なく演れた。

 前半は昭和歌謡系の曲を連発したが、悪条件が重なったこともあって、ノレンに腕押しの反応。ちょっと困って水を飲んで一息入れていたら、建物の中から出てきた同世代の男性が、「どうもどうも、いつも聴いてますよ。お疲れ様です」などと、親しげに声をかけてくる。
 前回とよく似たシーンだったが、男性の顔に見覚えがない。

「どちらでお聴きに…?」と尋ねると、「そこの会議室で生涯学習をやってるんですが、いつも聴こえてますよ」とのこと。「いつも」と言っても、歌うのは今回で2度目。もしかして、オーディションの折も聴いていたとか?だとすると、3度目ということになるが…。

 少し元気が出て、路線をガラリ変えて、久しぶりにオリジナルを歌ってみる気になった。実は11年前に妻を伴って同じ広場で歌っていた際、誰も関心を示してくれない膠着状態に陥ったことがある。
「こんなとき、何を歌えばいい?」と問うたら、「好きなように歌えばいいのよ」と妻は応えた。そのシーンをちょっと思い出した。

 たいして期待はしてなかったが、周囲の反応が突然よくなってびっくりした。けっこう人が集まってきて、歌に合わせて手拍子する人までいる。まだまだオリジナルも捨てたものじゃない。
 その後のフォーク路線もまずまずの集客だったが、この日は2週間ぶりのライブということもあって、やや練習不足だった気がしないでもない。15時半で気力体力が限界に達した。休憩なしで突っ走った場合、やはり25曲前後が自分の限界らしい。

 体力的にはキツいが、他のパフォーマーや音量を気にせず、自分のペースで延々歌えるのは、やはり気分がいい。この広場の最大の利点だ。
 成り行きから、演歌系や洋楽系の曲は全く歌えなかったが、オリジナル系が通用することが分かり、他のジャグリング系パフォーマーとの同時進行が可能なことも知った。次回にむけて、大きな収穫だった。

 

131 赤れんがアーティスト広場07th
   「盛り上がって凹んだ」
/2016.9.14 Wed



 今月2度目の赤れんがアーティスト広場に参加。時間はいつものように13〜16時だが、今回は広場内で「北のめぐみ愛食フェア」が同時開催されている。たくさんの農水産物直売テントが出店し、人出も多い。
 担当部署で手続きを済ませ、いつも歌っている北側の大木の下に行ってみると、目の前に餅つきのブースが設営されていて、ラジカセから民謡のような歌がエンドレスで流れている。餅つきイベントは14時半開始だったが、このまま歌い始めると、明らかに音がケンカしそうだった。

 責任者の方を探しだし、事情を話して歌ってよいかどうか確認する。14時半まで私が歌い、その後は30分間餅つきイベントを実行。私が歌う1時間は、ラジカセをオフにしてもらう要望を出したが、イベント前もできれば民謡は流し続けたい、というのが先方の希望だった。
 両方とも北海道知事の許可を得ているイベントだが、ここは譲り合いの精神が肝心だ。設営が簡単な私が譲歩することにし、反対側の南側角に移動して歌うことにする。

 今回もまた開始時に手間取ってしまい、歌い始めたのは前回と同じ13時40分から。まず1時間歌い、10分の休憩をはさんで、さらに40分歌った。終了は15時半。あわせて27曲ほどを歌ったはず。


《前半》
「夜空ノムコウ」
「ワインレッドの心」
「わかっているよ」
「わかって下さい」
「パダン・パダン」
「バラ色の人生」
「恋人よ」
「心もよう」
「オー・シャンゼリゼ」
「つぐない」
「恋の町札幌」
「ダニー・ボーイ」
「聖母たちのララバイ」
「エーデルワイス」
「ドミノ」
「ケ・セラ・セラ」

《後半》
「古城」
「Godfather愛のテーマ」
「五番街のマリーへ」
「恋心」
「ボラーレ」
「マイ・ウェイ」
「ビリーヴ」
「風来坊」
「大空と大地の中で」
「傘がない」
「抱きしめて(オリジナル)」


 11年前の初期活動時も含め、南側角で歌ったことは一度もない。道路や建物の配置が微妙に違っていて、人の流れもよく分からない。隣にある出店にまず挨拶をし、手探り状態で歌い進んだ。
 小樽運河用のメニューをベースにしたが、この日は意識して洋楽を多く歌った。赤れんが本館がそもそも洋館なので、洋楽が似合うのではないか…、という漠然とした思いからだったが、この読みはある程度当たった。

 通路が大通り公園に間接的につながっているせいか、思っていたより人通りが多い。北側のように建物をさえぎる大木がないのも、陽射しが弱まったこの時期には開放的で、逆に歩きやすいのかもしれない。

 出だし数曲はやや苦戦したが、聴いてくれる人は終始耐えることがなく、曲によっては10名を越えた。曲が終わると拍手をもらうことも多数。「ダニー・ボーイ」「エーデルワイス」「Godfather愛のテーマ」「ビリーヴ」「風来坊」「大空と大地の中で」等の反応が特によかった。
 隣の出店の方にもすっかり気に入ってもらい、「投げ銭代りに」と、売り物である生シイタケを1パックいただく。ありがとうございます。

 初期のころも含めて、過去最高の手応えで気分よく撤収にかかっていたら、目の前に道職員らしき男性が不意に立って、私の名前を確認する。何か問題でもあったのかと思い、道知事の承認を受け、事前に届けも出して歌っていますと応えたら、実は隣にある道議会から音のクレームが出ている。あとどのくらいで終わるか?との質問だった。
 どうやら議会の守衛のような立場の人らしい。隣にある白い建物が議会だったとは初めて知ったが、まさかそんな場所からクレームが出るとは、夢にも思わなかった。

 もう歌は終わりましたと告げると、それならいいんです。別に菊地さんが悪いというわけではないですから、と男性は去った。
 直後に、今度はアーティスト事業を取り仕切っている部署の係員2名が現れた。内容は同じで、どうやら担当部署にも同じクレームが入ったらしい。使っているPAや音量のことを尋ねられたが、すべてオーディション時に持参した乾電池式PAで、音量もマーキングしてあり、問題になるようなものではなかったはず。急に場所が移動になった事情も説明し、納得して貰った。
 台風被害の緊急対策で、議会がピリピリしていることも背景にあるようだった。一般市民には大受けの路上音楽でも、議事進行の面では騒音そのものだったかもしれない。

 万一、次回以降に同じトラブルが起きた場合、音量を大幅に下げるなどの対策を取ることで落着。あとで調べてみたら、この日が本会議の2日目。歌っていた場所と最短の窓とは50Mほどの距離で、クレームになってもおかしくない。

 音量の問題は出にくい場だと思っていたが、状況次第ではクレームに発展することを知る。ライブが首尾よく運んだ直後のことで、ちょっと気持ちが萎えた。
 平日にパフォーマンスする場合、入念に事前調査し、議会開会時にはライブを避けるか、演る場合は場所の設定や音量に相当の配慮が必要のようである。

 

132チカチカ☆パフォーマンス107th
   「忘れた頃にチカチカ」
/2016.9.19



 2ヶ月ぶりにチカチカパフォーマンスに参加。広場の割当て自体が少なく、1週間前までにはほぼ予約で埋まる、という状況がこのところ続いていたが、3連休のラストに当たるこの日に限って、珍しく空きがあった。
 9月の敬老関連ライブが例年より少なめで、このところ力を入れていた赤れんがアーティスト広場も、すでに今シーズンの事業は終わった。休日のチカチカパフォーマンスは不得手としているが、次回いつ演れるか全く分からないので、2日前になって急きょエントリーを決めた。

 都心近くの駐車場から20分ほど歩いて広場に向かう。共演のマジシャンがすでに会場入りしていて、ちょうどパフォーマンスを始めたところ。機材を組み立てて写真など撮り、静かに出番を待つ。
 14時5分くらいから始めて、約30分で8曲を歌った。(※はリクエスト)


「冬が来る前に」
「少年時代」
「終着駅」
「わかって下さい」
「銀色の道※」
「君恋し※」
「熱き心に※」
「夏の終わりのハーモニー※」


 赤れんがアーティストと違って、パフォーマンス時間は30分以内に限定される。気ままな進行は許されず、起承転結をある程度は意識する必要がある。しばし遠ざかってはいたが、すぐに感覚は取り戻した。秋に関わる歌を中心に歌い進む。

 騒音トラブルがここでも例外ではなく、今回は普段よりもPAのボリュームをさらに3割ほど絞り、置く位置も通りから遠ざけた。反対に立ち位置はやや前にして、どちらかといえば生音に近いイメージで歌ってみた。
 事前に自宅で何度かテストしたこともあって、この試みはある程度成功したように思える。

 1曲目から立ち止まる人はそれなりにいて、4曲目の「わかって下さい」を歌い始めると、ときどき聴いてくれる若い男性が目の前に立つ。てっきりネットで私のエントリーを調べたのかと思い、歌い終えて確かめると、単なる偶然だという。
 最初の出会いでCDを買ってくれて、ツイッターでも相互フォローしている。若さに似合わず懐メロ系が好きな方で、その後3曲をその男性のリクエストで歌う。

「銀色の道」では10名くらいの人が集まってきて、終わると盛大な拍手。チカチカで拍手を貰うのは、随分久しぶりのような気がする。結果としてこれがこの日最高の集客だった。
 ラスト近くで現れた同年代の女性からは、季節にピッタリの「夏の終わりのハーモニー」のリクエストが出る。久しぶりに歌ったが、なぜか気持ちが入って、満足のゆく出来。女性にも大変喜んでもらえた。

 場をマジシャンに譲って機材を片づけていたら、「熱き心に」を熱心に聴いてくれた女性が「差し入れです」と紙袋を差し出す。なんと、地下街にあるカフェの本格珈琲だった。
 先週の赤れんが広場でのシイタケに引き続き、品物での差し入れ。投げ銭やCD購入も嬉しいが、食べ物関連の差し入れには、ちょっと別の有難味を感じるから不思議。

 大いに気をよくし、35分後の15時10分くらいから第2ステージ開始。25分強で8曲を歌った。


「ボラーレ」
「ビリーヴ」
「君をのせて」
「いちご白書をもう一度」
「糸」
「異邦人」
「恋の町札幌」
「時の流れに身をまかせ」


 第1ステージが思いがけない手応えだったので、さぞや第2ステージも…、と期待して歌い進んだが、反応があったのは2曲目まで。以降は立ち止まる人が皆無というスランプに陥り、カンフル曲を続けたり、演歌系への路線変更を試みたりしたが、閑古鳥状態は最後まで変わることがなく、そのあまりの落差に、さすがに力が抜けた。
 この日は都心近くの病院に入院している母に届ける品があり、早々に打ち切って撤収することに。

 長く続いたチカチカでの頭打ち感に、ようやく光明が見え始めたと一時は思ったが、後半でまた逆戻りしてしまったようだ。
 ただ、PAの音量設定と立ち位置に関しては、今後につながる成果があったように思える。割当枠減少の関係で、次回演れるのは来年になるかもしれないが。

 この日共演したマジシャンはパフォーマー最年少の現役高校生だったが、巧みなトークと技で上手に人を集めていた。若い力の台頭を実感する。
 チカチカパフォーマンスでの自分の役目はもう終わった感がしないでもないが、ライセンスの残る来年3月までは、あと何回か歌ってみる。