5月はこれで5回目のエントリーとなり、そもそも月に5回演るのは初めてのこと。当日リハーサルを極力抑えるなど、年齢や体力に応じた省エネ的ライブへの臨み方も少しずつ会得しつつある。
12時に家を出て、久しぶりに地下鉄経由で広場に向かった。都心近くの量販店駐車場だと最初の3時間までは無料だが、以降は30分200円の駐車料金が重い負担となる。
他のパフォーマンス時間が計算できず、待ち時間が予想よりも伸びると、想定外の費用がかかってしまう。1ステージ限定ならともかく、2ステージ演るつもりならば、定額の費用負担で済む地下鉄経由が得策だ。
日曜なので子供連れの集客を期待して「キッズメニュー」で臨んだ。人が集まるまでの時間を短縮するべく、冒頭は調子がよくてカポなしで歌える3曲をメドレーふうに歌った。しかし、なぜか子供連れは集まってこない。
この日は天気がよく、地下通りを歩く人は普段よりも少なかった。さらには、冒頭から常連の男性客(30代?)2人が陣取って、曲に合わせて大声で歌ったり、派手に手拍子をくれたりしていた。
場を盛り上げてくれるのは歓迎だが、度が過ぎるとある種異様な風景に他には映り、特に子供連れや女性客は敬遠する雰囲気になりかねない。
第2ステージは子供路線を完全に捨て、平日と同じ昭和歌謡系で臨んだ。常連の男性客はずっと広場に張りついていたが、ややマニアックな曲を選んだせいか、第1ステージほどの大騒ぎには至らない。
3曲目の「糸」を歌い始めると、多くの人が吸い寄せられるように集まってきた。しばらく歌ってなく、咄嗟の閃きで歌ったが、なぜか当たった。
直後の「異邦人」「つぐない」で人はさらに増えた。複数の方からリクエストも出て、100回目に相応しい盛り上がり。この日は喉が絶好調で、一度つかんだ聴き手はステージ最後までつなぎとめる力が歌に宿っていたように思える。
5月6度目のチカチカパフォーマンスに参加。たまたま空き枠があったので、急きょ前日夕にエントリーしたが、月のエントリー記録をまたまた更新した。
介護施設系も含め、5月は都合9度目のライブとなるが、人生歌えるうちが華、そして歌える場があるうちが華である。

平日の昼にチカホで歌うのは久しぶり。12時10分前に家を出て事務所で手続きすると、珍しく私が一番乗りだった。ただちに設営し、13時5分から歌い始める。平日にこんなに早くから歌ったことはかってないし、家を出てわずか1時間15分後に歌い出すのも記憶にない。
この時間帯の聴き手の傾向がいまひとつ分からず、中高年層を期待して、普段チカホでは歌わない懐メロ系を中心に、30分で10曲を歌う。(※はリクエスト)
「丘を越えて」
「君恋し」
「ここに幸あり」
「黄昏のビギン」
「蘇州夜曲」
「月がとっても青いから」
「夢一夜」※
「小樽のひとよ」※
「星の流れに」
「リンゴの木の下で」

昼休み直後で時間的に早すぎるのか、人通りは少なめ。チカホではほとんど歌わない曲のオンパレードで、いわば「シニアメニュー」だったが、反応はいまひとつ。関心を示す人はいても、滞留時間が一様に短い。
それでもじっとガマンして当初の路線はキープした。

「蘇州夜曲」でようやく立ち止まる人が現れる。同年代と思しき女性がオリジナルCDを手に近寄ってきたので、曲間で声をかけた。
あれこれ話すうち、市内の老人ホームで働く職員さんと分かる。道理で懐メロに関心があるはずだ。しかしリクエストは懐メロではなく、「夢一夜」。
歌っていると別の高齢女性が近寄ってきて、並んで聴いている。この女性からは「小樽のひとよ」のリクエストが出る。2人が親しげに語り合っているので、てっきり親子かと思いきや、単なる通りすがり同士だった。
この種のことは普段からよくある。どうやら「同じ路上シンガーに関心を持って立ち止まる」という共通点があると、その場で親しくなる傾向にあるようだ。
同年代の女性はCDを2枚セットで買ってくれた。案内状も渡し、機会があればぜひ施設にも呼んでください、と言葉をかける。

第1ステージを終えて20分ほど休憩し、その間に持参のオニギリを食べる。この日は私を含めて2組がエントリーしていたが、共演パフォーマーは広場に現れない。全体のタイムロスを減らすべく、続けて演ってしまうことにする。
13時55分から第2ステージ開始。30分で10曲を歌う。
「ラストダンスは私に」
「ラ・ノビア」
「ラブ・イズ・オーヴァー」
「ラブユー東京」
「古城」※(2回)
「ワインレッドの心」
「ビリーヴ」
「さんぽ」
「大空と大地の中で」

第2ステージは「ら」から始まる歌を適当に並べた。いつも50音の上位を歌う傾向が強く、たまには下位にある歌にも光を当てよう…、といった単純な理由だった。
これまでの開催時間と同じ時間帯に差し掛かり、人の集まりはまずまずよくなった。やはり14~15時あたりが集客的にはよいのか。

中ほどで40代くらいの男性から、「椰子の実」か「古城」を、とのリクエストが出る。どちらもレパートリーにあるが、「椰子の実」は裏メニューで、検索にやや時間がかかる。
リクエスト一覧にあった「古城」を歌うことになったが、いざ歌い始めると、広場のあちこちから湧き出るように人が集まってきて、歌いながらも当惑した。
歌い終えても10人ほどの人がその場を去らず、その中の中年女性がついと近寄ってきて、「いまの曲を最初からもう一度歌って欲しいのですが…」と請う。求められて同曲を2度歌うことは時にあるが、続けて2度は稀。しかし、ありがたくお受けした。
この曲は以前に介護施設で一度だけリクエストが出たことがある。調べてみたら、チカホでも1年前にリクエストをもらっていた。
地味な曲と思っていたが、なぜこれほど受けるのか。もしかすると曲間に漂う諸行無常感が、閉塞した社会を生きる現代人の琴線を揺さぶるのだろうか。
三橋美智也は幼少時から好きで、影響を強く受けていることは間違いない。もっと積極的に歌ってみようか。

ステージ後半に差し掛かったころ、休日でもないのに、3~4人の子供が突然マイク前に集まってきた。運動会シーズンなので、月曜が代休だったのかもしれない。
興味深げにじっと見ているので、声をかけて「キッズメニュー」から急きょ2曲を歌う。お母さん2人も合流して、突発的なシングアウトとなった。
この日は冒頭の懐メロから始まって、終盤のキッズメニューと、バリエーションに富んだ臨機応変の内容だった。
「さよなら~」「ありがとう、またね」と声をかけあって、子供たちと別れる。ちょうどそのとき、共演パフォーマーが広場に現れたのが目に入る。ラスト1曲を歌ってステージを交代した。
早めに会場入りしたこともあって、この日は待ち時間ゼロの効率のよいパフォーマンスだった。売上げもまずまずで、開催時間の拡大に伴う「平日の早い時間帯」というのは、自分には合っている気がする。
6月最初のチカチカパフォーマンスに参加。中旬に2つの依頼型ライブを控えていて、上旬はよさこいソーランで街全体が騒がしく、歌う気分ではない。広場の割当て枠も飛び飛びで、思うようにスケジュールを組めないが、この日だけは調整がうまくいった。
前回よりもさらに30分早い11時20分に家を出る。都心で買物があったので、早めに始めて早めに終わらせようという目論見だったが、事務局に行くとすでに他のパフォーマーが会場入りしていた。
12時25分に広場に到着。ちょうど最初のパフォーマンスが終わるころで、わずか15分後の12時40分から第1ステージ開始となる。これほど効率がよいのも珍しい。
およそ30分で8曲を歌った。
「ろくでなし」
「わかっているよ」
「わかって下さい」
「別れの朝」
「夢の途中」
「夜霧よ今夜も有難う」
「夜明けのスキャット」
「ビリーヴ」

早いと思っていた前回よりもさらに30分開始時間が早く、世間は昼休みのまっただ中。人の動きは全く読めなかったが、あまりあれこれ考えずに、「わ」から始まる曲の前後を自由に歌う。
外の陽気がいいせいか、はたまた昼休み中ということもあってか、地下通りを歩く人の姿は少ない。2曲目くらいから立ち止まってくれた若い男性が、ずっと最後まで聴いてくれた他は、関心を示す人はごくわずかだった。
(この若い男性、どこか見覚えがあると思ったら、以前にCDを買ってくれた方で、偶然通りかかったそう)
直前のジャグリング・パフォーマーも集客には苦戦していたが、暑くも寒くもなく、外でも過ごしやすい昼休みの時間帯というのは、地下通りにはある種の「鬼門」なのかもしれない。

昼食中に他の2組のパフォーマーも次々と広場に現れる。タイムロスを少なくするべく、都心での買物は待ち時間のうちに手早く済ませた。
1時間25分の待ち時間ののち、14時35分から第2ステージを始める。およそ25分で8曲を歌った。

「涙そうそう」
「恋の町札幌」
「赤い花白い花」
「ビリーヴ」
「空も飛べるはず」
「君をのせて」
「時代」
「また逢う日まで」
前半は来週から始まる依頼型ライブの予定曲を適当に見繕って歌う。いわば予行演習のような位置づけだった。
開始前に作品系パフォーマーのスタチュー(人間彫像)担当者と打合せた。前回は互いの干渉を避けてステージを南に2ブロック移したが、今回は相乗効果をねらっていつもどおりの位置で歌うことにする。
開始時には北隣で人間彫像のパフォーマンスがすでに演技中だったが、冒頭で広場全体でパフォーマンスが繰り広げられていることを集まっている人にアピール。
「人間彫像をご覧になりながら、30分間歌もお楽しみください」と案内してから始めた。

初の試みだったが、これがなかなかうまく運んだ。人間彫像は音や光を全く出さず、フリーズして銅像になり切るパフォーマンスなので、歌そのものの邪魔にはならない。
人間彫像に集まった人が、そのまま歌も聴いてくれる、という願ってもない展開。常時10人を越す人がその場にいて、ある人は人間彫像と記念写真、ある人は歌に拍手、というお祭り広場的様相となった。
集まった人の様子から判断し、途中で路線をキッズメニューに変更。なぜかリクエストは出なかったが、手応え自体は抜群で、売上げも含めて満足できるステージだった。
今回の試みは全くジャンルの異なるパフォーマーとのコラボレーションに近いものだったが、工夫次第では同時間帯での共存も充分可能だと分かった。