街角100ライブ
091 チカチカ☆パフォーマンス72th
「アカプラに活路あり」 /2015.4.25
今年初のアカプラパフォーマンス(チカチカパフォーマンスの地上版)に参加。エントリーを決めたのはわずか2日前のことだった。
地上でパフォーマンスするにはまだ時期的に早いせいか、広場の割当て枠はあっても、午後のエントリーはゼロ。昨秋にこの広場での実証試験を何度もやった私も躊躇していたが、直前の北4条広場でやったチカチカパフォーマンスが納得できない結果だった。集客や反応がパッとしないのは、もしかして広場そのものとの相性が悪いせいかも…?と思い立ち、ならば広場としては歴史が浅く未知数だが、その分新しい聴き手の反応が期待できるのでは…と、淡い期待を抱いて歌ってみることにした。
広場の休日割当て時間は他と微妙に異なり、13〜16時である。昼食を食べずにいつもより1時間早く家を出た。気温は16度前後で、風は微風。ほどほどに晴れていて、この時期としては条件がいい。
当初は広場東端の駅前通近くで歌うつもりでいた。昨秋の実証試験でも同じ場所で旧道庁に向かって歌い、左右にあるベンチから、それなりの評価をいただいた。
だが到着してみると、その付近は周辺ビルの影が深く落ちていて、寒々とした雰囲気。ベンチに座る人影はない。そこで陽当りのいい西側の旧道庁近くに陣取り、太陽を正面に浴びながら南に向かって歌うことにした。思っていたより寒いので、急きょジャンパーを着たまま演ることにする。冬物のマフラーを首に巻いてきて正解だった。
13時10分くらいから開始。洋楽を中心に、およそ45分で12曲を歌った。
「ボラーレ」
「バラ色の人生」
「バラ色の桜と白い林檎の花」
「ケ・セラ・セラ」
「カントリー・ロード」
「エーデルワイス」
「サン・トワ・マミー」
「河は呼んでいる」
「アメイジング・グレイス」
「ろくでなし」
「イエスタデイ」
「オー・シャンゼリゼ」
構成は3日前とかなり変え、屋外を意識して選曲した。通行人はまばらだが、関心を示す人もわずかにいる。開始早々に声をかけてくれた同年代の男性がいて、大いに勇気づけられた。
時折り強い風が吹き、電子譜面搭載のマイクスタンドがぐらつく。右足で脚を押さえながら歌い続けた。時間の経過と共に陽射しが少し強くなり、それに伴って周辺のベンチに座る人が増えてきた。歓談しながらも、明らかに歌に関心を持っている様子がチラホラ見てとれる。感触としては悪くない。
13時55分で休憩に入り、持参のオニギリを1個食べる。起き抜けになぜかお腹の調子が悪く、出掛けに正露丸を飲んできたが、どうにか大事に至らずに済んだ。15分休んで、14時10分から再び歌い始める。フォークや昭和歌謡を中心に、65分で14曲を歌う。(※はリクエスト)
「大空と大地の中で」
「風来坊」
「時代」
「ジョニィへの伝言」
「少年時代※」
「空港※」
「ハナミズキ※」
「どうぞこのまま」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「赤いスイートピー」
「亜麻色の髪の乙女」
「宗谷岬」
「Too far away」
「熱き心に」
休憩中に8〜9歳くらいの女の子数人が集まってきて、回りで鬼ごっこなど始める。一人の子がさかんに「オー・シャンゼリゼ」を口ずさんでいて、どうやら第1ステージラストあたりを聴いていたようだ。
(「オー・シャンゼリゼ」は小学校の音楽の時間で教わるらしい)
関心を示してくれるのはありがたいが、回りを跳ねまわっていては歌いにくい。場所を数メートル東に移動して歌い始めたら、とたんに静かになり、座って聴いてくれた。思いがけず小さな聴き手に囲まれた。「時代」を終えると、今度は女子高生らしき若い女性が目の前に立つ。
「ずっと聴いてました。すごくよかったです。投げ銭はどこに入れたらいいんですか?」
全く気づかなかったが、やや遠いベンチで聴いていてくれたらしい。単純にありがたくて嬉しい。相手が女神に見えた。直後に、年齢不詳の女性がマイク前に立つ。興味津々で看板類を眺めているので、すかさず声をかけた。「何かリクエストありますか?」
すると、「小樽のひとよ」をぜひに、と請うが、あいにくレパートリーにない。では得意なのを1曲、と続けるので、陽水の「傘がない」はどうでしょう?と問うと、それもいいけど陽水なら「少年時代」をお願い、と話が変わった。この女性、次第に能弁になってきて、「どうやればここで歌えるの?」とか、「私も歌は得意なのよ」とか、「私、いくつに見えます?」などと、ほとんど世間話状態で話が弾む。
(40代にしか見えなかったが、すでにお孫さんがいるそうで、仰天)
しばしの交歓のあと、最後に「ハナミズキ」をぜひ一緒に歌いたいという。部分的に歌詞指導しながら共に歌ったが、クラシック系の伸びやかな声で非常にうまい。通りを往く人々も立ち止まって耳を傾けていた。
チカチカ系で聴き手と共に歌ったのは初めての経験だが、時にはこんな交流も悪くない。4月に屋外で歌ったことは過去になかったが、青空の下で歌うのは独特の開放感がある。聴き手の反応もまずまずで、このところ引きずっていた悪い流れは、ひとまず払拭できたような感じがする。
今後可能であれば、3つの広場を曜日や時間帯を変えつつ、順に歌い継ぐような方向でやっていきたい。「同じような曜日の同じ時間帯に、同じ広場で歌い続ける」のは、もはや自分にとって限界であると悟った。
092 チカチカ☆パフォーマンス73th
「チカチカ復活気配」 /2015.4.27
今月3度目のチカチカパフォーマンスに参加。当初予定になかった地上版アカプラパフォーマンスをスケジュールに突っ込んだので、思いがけず飛び石エントリーとなってしまった。しかも会場は先週まるで手応えのなかった北4条広場である。
しかし、過去のデータを詳しく調べてみると、「月曜日の北4条広場には大きなハズレがない」という貴重な情報を得た。果たして曜日が集客に関わっているのかどうか、正直よく分からない。だが、すがってみる価値はある。この日も枠いっぱいの3組がエントリー。第8期のオーディションで合格した新人が精力的に参加しているので、このところ非常に活発な活動が繰り広げられている。みなさん私の子供や孫のような世代だが、そんな若い勢いに引っ張られるような状況になっている。
13時45分前に会場到着。初顔合わせのジャグリングパフォーマーがすでに到着していたが、スタンバイに時間がかかるというので、私がトップを務めることになった。
この日は折り畳み式パイプ椅子を持参した。キャンプ用のリメイクで450gと軽いが、低すぎて歌には使えず、完全に休憩用である。複数エントリーによって待ち時間が長くなっているので、くつろげる椅子が欲しかった。歌う場所はいつもよりワンブロック北に移動し、広場のセンターにセット。左右の見通しがよくなり、目につきやすくなることを期待した。
(結果としてこの位置変更は、当たったかもしれない)
いつもはマイクスタンドに吊すリクエスト用紙は取り出しやすいようにホルダーをリメイクし、通りに置いてある看板の真横に目玉クリップで吊るしてみた。こちらも聴き手が手に取りやすくなることを期待したもの。
(写真は休憩時なので、マイクスタンドに止めてある)そのほか、折畳式の一体型看板類もキャリーカートにセットするのは今日が初。短時間でスムーズに設置できた。
14時ちょうどから開始。演歌を中心に、25分で8曲を歌う。
(※はリクエスト)
「釜山港へ帰れ」
「夜霧よ今夜も有難う」
「つぐない」
「宗右衛門町ブルース」
「青葉城恋唄」※
「函館の女」※
「愛燦々」
「熱き心に」
この日は25度に迫る暑い日だったが、地下通りはひんやりと涼しい。スポーツタオルをストール代わりに巻いたが、ちょうどよかった。
中高年をターゲットに演歌を第1ステージにもってきたが、先週とは一転して、手応えはよかった。1曲目から人が集まってきて、熱心に聴いてくれる。3曲目あたりで「通りの看板横にリクエスト用紙が下がってますので、ご希望がありましたらどうぞ」と声をかけると、同年代と思しき男女からすぐにリクエストが出た。ちょっとした思いつきだったが、リクエスト用紙の設置場所が当たった。声をかけるタイミングも重要。
途中からは間奏時にも拍手が湧くという、めったにない現象が起きる。終了後にCDも2枚売れた。すっかり気を良くして、15時45分からの第2ステージへと臨む。フォーク系の曲を中心に、25分で7曲を歌った。(※はリクエスト)
「大空と大地の中で」
「傘がない」
「時代」
「赤い花白い花」※
「あの素晴らしい愛をもう一度」※
「風来坊」※
「やさしさとして思い出として」(初披露)※
ここでも1曲目からいきなり人が集まってきた。外は好天だが、天気と地下広場の集客は、一見関連性がありそうで、実はあまり関係ない気もする。休み明けの月曜は天候に関わらず、案外ヤボ用で出歩く人が多いのではないか?
2曲目の「傘がない」で10代後半と思しき若い女性が間近に寄ってきた。その目が輝いている。すかさずリクエスト用紙の案内をすると、すぐに応じてくれた。
過去に記憶がない「赤い花白い花」のリクエストをいただく。最後まで聴いてくれたこの女性、叙情系の歌が大好きということで、人の好みは千差万別である。ラスト2曲はふきのとうを連発したが、私と同世代の女性からのリクエスト。交通事故で亡くなったご主人が大ファンだったそうで、ぜひ聴きたいとの希望。目にはすでに涙があふれている。普通は同じ歌手の曲を続けないが、追悼の意味もこめて、歌わせていただいた。
両ステージとも後半はリクエストの連発となったが、聴き手側に立ったパフォーマンスという点で、意義深いものだった。長い低迷が続いたがCDも3枚売れて、どうにか底を脱した気配である。