街角100ライブ


084 チカチカ☆パフォーマンス65th
   「ふれあい多きチカチカ」
/2014.12.17



 12月初めてのチカチカパフォーマンスに参加。札幌国際芸術祭の余波もあってか、会場となる広場の割当て枠があまりなく、12月も中旬を過ぎてようやく空きが出てきた。
 数年に一度という暴風雪警報が発令されていて、無用な外出は控えるようにとの警告が繰り返しテレビで発信されていた。しかし、朝起きると風もなく、時折陽もさす穏やかな日和。またしても天候に恵まれた。

 今日の会場は北4条広場。ここで歌うのも実に久しぶりだ。この日の共演はサイエンスパフォーマーの神山さんだったが、まだ姿が見えない。定刻の14時から歌い始めた。
 顔見知りのライブハウスのマスター夫妻が、別の打合せをかねて聴きに来てくれて、スタート時点からすでに聴き手がいるという心強さ。第1ステージでは、およそ35分で9曲を歌った。


「学生街の喫茶店」
「池上線」
「ルビーの指環」
「雪が降る」
「灯台守」
「雪國(初披露)」
「地上の星」
「抱きしめて(オリジナル)」
「グッドナイト・ベイビー」


 この広場は地下鉄駅改札口に近く、複数ある出入り口からの寒風で、冬は非常に寒い。外気温はプラスだったが、用心して厚手のセーターとウールのストールで武装。念のためカイロも持参した。
 歌い進むにつれ、じわじわと聴き手は増えた。先月末の北3条広場でのチカチカパフォーマンスと同じ傾向で、このところ「聴き手ゼロ〜通りの風になって歌う」という厳しい状況からは、しばし遠ざかっている。

「雪が降る」あたりから聴き手はさらに増え、初披露の「雪國」を歌い始めると、一気に30人ほどに達した。
 ラストの「追いかけて雪國…」の箇所で音を外しやすく、何度も練習を重ねた難曲。歌詞の内容が北国の年末にはピッタリである。ぜひとも披露したかったが、苦労のかいがあった。

 割当ての30分を過ぎても共演の方が現れないので、予定を2曲オーバーして終える。ずっと聴いていた男性2人が、それぞれ新旧2枚のCDをセットで買ってくれた。

 15分ほど休憩したが、相変わらず共演の方は現れない。何か事情があるのだろうと判断し、第2ステージを一気に演ってしまうことにした。
 14時50分過ぎから歌い始める。およそ25分で7曲を歌った。
(※はリクエスト)


「恋人よ」
「終着駅」
「空に星があるように」※
「Happy Birthday to You」※
「雪國」
「地上の星」
「時代」※


「終着駅」を歌っているときに通りかかった中年女性が、間近で熱心に聴いてくれる。歌い終えあとに声をかけた。

…………………………
こんな感じの曲がお好きですか?
ええ、歌は大好きです。
何かお聴きになりたい曲がありましたら、こちらのリストからお受けします。もちろん無料です。
(リストを手にとってながめる。ほどなくして)
「空に星があるように」をお願いします。昔から大好きなんです。
それはまたいい曲をどうも。私も好きで、よく歌うんですよ。
…………………………

 ショウガ湯を中心としたメンテナンスの効果もあってか、この日は声がよく出た。歌い終えたあとも、かの女性とあれこれ話していると、そのやりとり耳にした若い女性3人が近寄ってきて、「リクエスト歌ってくれるんですか?」と尋ねる。
 ええ、レパートリーにある曲なら、と応ずると、ハッピバースデートゥーユーをお願いしたいんです。実は、この子今日が誕生日なんですよ。指差された一番若い子が恥じらう。
 それはおめでとうございます。もちろんOKです。お名前は?…M子さん、ハイ分かりました。

 こんなやり取りのあと、普段よりキーを少し上げて2度歌ってさしあげた。介護施設で同様の依頼がときどきあるので、譜面の準備はなくとも問題なく演れた。思いがけない歌での誕生プレゼントに、当の本人は大喜び。

 5曲目に入る前で「共演の方がなかなか見えないので、しばらく歌い続けます」とMCでふれたら、聴き手の中から手が上がり、「私がその共演者です」という。新規パフォーマーだったので面識がなかったが、ずっと聴いていた男性が実は共演の神山さんなのだった。
(車の急なトラブルで機材の搬入ができず、パフォーマンス自体がキャンセルになったことを後で知る)

 ではあと2〜3曲で打ち切りとしますと急きょ宣言。ラストの1曲はその場に居合わせた聴き手に声をかけ、中島みゆきシリーズとして、「時代」と「麦の唄」のどちらかを選んでもらった。つまりは、二択形式のリクエストである。
 結果は「時代」が圧倒的。対して「麦の唄」を選んだ方はゼロ。朝の連続ドラマの主題歌であることは事前にふれたので、タイトルに馴染みがなかったせいではない。転調を多用したこの曲、非常に難解な印象がする。聴き手は敏感だ。

 とはいえ、この日の喉の調子からすると、高音部の聴かせどころがある「時代」のほうが自分に合っていたのも事実。終わると多くの人が集まってきて、声をかけてくれた。CDも2枚売れて、都合6枚。多めの10枚を準備して正解だった。
 悪天候の予想で場の反応は鈍いのではないかと予想していたが、思いがけないやり取りなどもあって、手応え充分の結果となった。




085 チカチカ☆パフォーマンス66th
   「路上がつかめない」
/2015.1.26



 今年最初のチカチカパフォーマンスに参加。昨年暮れにエントリーしていた枠が、思わぬドカ雪で車が出せず、ライセンス取得後3年半を経て初めてのキャンセルという失態をやらかした。
 再び同じ轍を踏んではならじと、今回は数日前から天気の動向を慎重に調べ、万が一の大雪の場合でも、自力で幹線までの通路を確保する手段も会得した。

 予報通り温暖な陽気で、車の流れはスムーズ。会場は北4条広場で、エントリーが枠いっぱいの3組だったので、いつもより早めに家を出た。
 会場入りは開始20分前。まだ誰も来ていない。10分で準備を終え、到着一番の特権で14時ぴったりから歌い始めた。

 この日は初めてリクエスト用に絞り込んだ260曲入りのファイルを使って随時検索しつつ、歌ってみることにした。候補曲は事前に20曲程度に絞り込み、歌い忘れ防止に7センチ四方のメモ用紙に記して、電子譜面ホルダの隅に挟み込んだ。
 第1ステージでは、およそ30分で9曲を歌う。


「麦の唄」(初披露)
「学生街の喫茶店」
「異邦人」
「舟唄」
「仰げば尊し」
「故郷」(リクエスト)
「サン・トワ・マミー」
「抱きしめて」(オリジナル)
「天使のウィンク」


 1曲目の「麦の唄」は、軽く100回以上は練習した難曲。転調がやたらあって、メロディ展開も複雑。満を持しての初披露だったが、立ち止まる人は皆無で拍子抜け。リスクを避けて1曲目に歌った姿勢が消極的だったのか。
 その後も閑散とした状態が続いたが、4曲目の「舟唄」で中年男性が足を止め、熱心に聴いてくれる。それに釣られるように、かなりの人が集まってきた。
(結果として、この日の集客のピークだった)

「舟唄」は自分では得意曲と思っていて、2年以上前に一度だけチカチカパフォーマンスで歌ったが、歌い始めると一斉に聴き手が消えた、という苦い経験を持つ。
 今回こりずに歌ってみると、前回とはまるで逆の反応。実に不可思議な現象ではないか。

 以降多少の出入りはあったが、まずまずの集客だった。中年女性のリクエストで「故郷」を歌ったが、ソロで歌ったことは過去に数回しかない。そもそも唱歌のリクエスト自体が稀なこと。この日の不可思議な流れを象徴している。

 14時過ぎに会場に現れた共演のトイシアターさんのパフォーマンスをはさみ、15時7分くらいから第2ステージを始める。およそ25分で7曲を歌った。


「銃爪」(初披露)
「酒よ」
「地上の星」
「アメイジング・グレイス」
「時の過ぎゆくままに」
「サボテンの花」
「ブルーライトヨコハマ」


 第1ステージ同様、まるで手応えがない。興味を示して視線を送る人はいるが、立ち止まる人がいないまま、曲だけが虚しく過ぎ去る、といった感。初披露の「銃爪」以外は、過去に実績のある強い曲ばかりだったが、この日に限ってはまるで暖簾に腕押し状態だった。

 6曲目の「サボテンの花」でようやくわずかな反応があったが、すでにステージは終盤である。ラストに「熱き心に」を予定していたが、あまりの手応えのなさに7曲で打ち切った。
 皮肉なことにその7曲目ラストあたりで、興味を示して近寄ってくる男女がいたが、残念ながら時間切れ。人の流れがまるでつかめず、頼みのリクエストも空振り。こんな日は早期撤収したほうが身のためである。

 前2回の集客が抜群で、記録によると昨年1月下旬のチカチカパフォーマンスも手応えはよかった。大いに期待して臨んだが、思惑は外れた。
 いつも感じるが、まるでつかみどころがないのが路上ライブの定め。まあ、あまり深く考えずに次の機会に期待しよう。

 今回初めて試してみたマイクホルダにデジカメをはさんでのセルフ撮影、背面のボタン操作がしずらくなるという難点はあったが、まずまずやれることが判明。電子譜面搭載のマイクスタンドはどんな場でも持参するので、今後使えるメドがついた。




086チカチカ☆パフォーマンス67th
   「集客と売上げは一致せず」
/2015.2.17



 雪まつりイベント等で広場の割当て枠がずっとなく、およそ3週間ぶりにチカチカパフォーマンスに参加した。
 年末年始の過密スケジュールと除雪に追われて体調を崩し、青色申告の書類作りやら歯の治療も重なった。いい骨休めにはなったが、人前で歌っていないと、歌唱は確実に落ちる。さすがに3週間は空き過ぎだ。

 会場はいつもの北4条広場。共演はパントマイムのトイシアターさんだが、到着は私が先。5分前にスタンバイし、14時きっかりに歌い始めた。
 第1ステージではフォーク系の曲を中心に、結果として55分で13曲を歌った。


「長い夜」
「酒と泪と男と女」
「北の旅人」
「なごり雪」
「糸」
「サボテンの花」
「学生街の喫茶店」
「さくら(直太朗)」
「サクラ咲く」(オリジナル)
「地上の星」
「傘がない」
「亜麻色の髪の乙女」
「異邦人」(リクエスト)


 記録を調べると、1年前の同時期は手応え抜群だったとあるので、かなり期待して臨んだが、そんな思惑は空振り。曲によって立ち止まって聴いてくれる人はいるが、一様に滞留時間が短い。
 聴き手の数は少ないが、幸いに熱心な方が多く、CD等の売上げはそれなり。20分ほど歌った時点で共演のトイシアターさんが現れたが、メイクに時間がかかるとかで、しばらく歌い続けることに。

 予定の30分を過ぎたので、いったん打ち切ろうとしたら、事務局スタッフとパフォーマーを兼ねるコーヘイさんが椅子を抱えて突然会場に現れた。なんでもパフォーマー用に折り畳み椅子を6脚購入したそうで、その効果を試したいという。
 トイシアターさんの準備が整わず、やむなく私が延々歌い続けることになった。

 ラスト近くに現れた高校生と思しき4人組。「リクエスト受付けてるんですか?」とリストを手にとる。
「すげ〜、こんなにある」
「君たちむけの新しいのはないよ」
「あ、《異邦人》ある。聴きたい」
 なぜこの世代に「異邦人」なのかは聞き漏らしたが、ちゃんと椅子に座って最後まで聴いてくれた。

 1時間近く歌って、ようやくトイシアターさんにバトンタッチ。場の流れからの延長ではなかったので、ちょっと疲れた。

 30分休み、15時30分から第2ステージ開始。北4条広場では初となる聴き手専用の椅子があるので、普段とは場所を変え、久しぶりに通りを横に見ながら、南側の壁を背に歌ってみることにした。
 椅子は整然とではなく、あえてランダムに並べた。洋楽を中心に、およそ25分で7曲を歌う。


「夕凪ワルツ」(オリジナル・リクエスト)
「オー・シャンゼリゼ」
「ドミノ」
「砂に消えた涙」
「カントリー・ロード」
「アメイジング・グレイス」
「宗右衛門町ブルース」(リクエスト)


 椅子があると確かに人の集まりはよくなったように感じた。音楽系のパフォーマーにとっては、いかにも「ステージ」といった気分を醸しだしてくれる。
 問題は搬入と片づけで、普段は看板と同様、事務局に保管されている。専門の助手をつけるか、複数のパフォーマーが協力するしかない。難しい問題だ。

 ステージ冒頭からいきなりリクエストが飛び出したのは、開始直前に以前に何度も聴いてくれた熱心な中年男性が偶然通りかかったせい。リクエスト受付態勢になってからは初めての遭遇で、以前に買ってくれたCDの中からお気に入りの1曲を。「演歌も歌えるの?」と、最後に「宗右衛門町ブルース」を望まれた。
 ステージ最後まで見届けてくれ、「何でもこなせるんだね、驚いたよ」と、大変喜んでくれた。

 チカホで歌い始めて3年半が経過し、顔見知りの方も次第に増えてきた。全体の集客数は当初の頃より明らかに減っている気がするが、熱さの面ではむしろ向上しているかもしれない。
 結果として売上げは、過去57回(CD販売開始からの累計日数)の上から5番目。「集客と売上げは、必ずしも一致しない」それがこの日の結論である。




087 チカチカ☆パフォーマンス68th
   「さざ波のような聴き手」
/2015.2.19



 2月2度目のチカチカパフォーマンスに参加。一昨日も歌ったばかりだが、自らに課した暗黙のノルマである月に2度のエントリー、会場の空き枠や今後のスケジュールなどを考慮すると、この日しか選択の余地はない。
 ジャグリングの弥勒さんとの共演だったが、会場である北4条広場に姿は見えないので、14時きっかりから歌い始める。昭和歌謡を中心に、休憩なしの1時間30分で23曲を一気に歌った。(※はリクエスト)


「釜山港へ帰れ」
「夜霧よ今夜も有難う」
「つぐない」
「ラブユー東京」
「酒よ」
「舟唄」
「長崎は今日も雨だった※」
「兄弟船」
「冬のリヴィエラ」
「なごり雪」
「男と女のお話」
「夢の途中※」

「時の過ぎゆくままに」
「パープルタウン」
「空港」
「恋のしずく」
「どうぞこのまま」
「五番街のマリーへ」
「花の首飾り」
「ろくでなし※」
「長崎は今日も雨だった※」
「手紙(由紀さおり)※」
「宗右衛門町ブルース※」


 一昨日と同様に、立ち止まってくれる人は少なかったが、1曲目から熱心に聴いてくれる高齢の男性が現れて、あれこれと会話を交わしながら楽しく歌い進んだ。
 会話の中で飛び出した「リンゴ村から」「月の法善寺横丁」は、あいにくレパートリーにはなく、それぞれ1番だけをアカペラで歌った。譜面のない曲のリクエスト対応策として今後使えそう。

 30分で8曲を歌い、いったん休憩しようかと考えたが、共演の方は一向に現れない。一昨日のパフォーマンスが格好のリハビリになったのか、この日は喉の調子がよかった。左手握力の衰えもなく、いくらでも歌えそうな感じがした。
 そこで、共演の方が現れるまで歌い継ごうと決心。電子譜面を繰って、目についた曲を自由気ままに歌った。

 あたかもさざ波のように、聴き手は曲に応じて寄せたり引いたりしたが、最後まで途切れることはなく、間近に近寄ってきてマイクスタンドに吊したリストを手に取り、リクエストをくれる方も多くいた。
 CDもじわじわ売れて、売上げも一昨日に肉薄。待てども共演者は現れず、打ち切るきっかけをつかめないまま延々歌っていると、1時間を回ったあたりで熱心な中年女性2人が現れ、リクエストを連発。請われるままに応じた。

「塞いでいた気分が、一気に晴れました。楽しい時間をありがとう」と、女性2人が去る。余力はまだあったが、それを潮に撤収を決断。はっきりしないが、90分も連続で歌い続けたのは新記録かもしれない。

 一昨日のパフォーマンスで馴染みの方から演歌のリクエストをいただいたのをヒントに、この日は演歌を多めに歌ったが、場の流れには合っていたように思える。
 リストに「長崎は今日も雨だった」が2度あるがタイプミスではなく、別の時間帯に別の方から偶然いただいたリクエスト。奇しくも「宗右衛門町ブルース」も、一昨日に続いてのリクエスト。求められる曲には、ある一定の傾向があるように思えてならない。

 この日はひとつだけ新しい試みをした。メガネはいつも車運転用のものを使っていたが、どうも度が強すぎて譜面が見づらい。そのせいか、一昨日はラスト近くでコードの見間違いをしてしまった。
 そこで普段家で使っている室内用を持参して歌ってみた。度は少し弱いが、歪みがないので見やすい。いずれは歌専用に調整したメガネも欲しいところだが、しばらくはこちらでやってみる。

 マイクスタンド前に吊り下げたリクエスト一覧は、近寄ってきた聴き手にすかさず声をかけるタイミングなど、使い方にもかなり慣れてきた。素早いセットと撤収ができるし、離れた場所に置くよりも聴き手とのコミュニケーションをとりやすい。当面はこのスタイルでいきたい。