街角100ライブ


081 チカチカ☆パフォーマンス62th
   「第7期最初はアカプラで」
/2014.10.25



 第7期最初のチカチカパフォーマンスを実施。会場は普段のチカホではなく、先日実証試験に参加した、地上のアカプラ(北3条広場)である。

 札幌国際芸術祭は終わったが、その間全く地下広場が使えなかった反動からか、各広場のスケジュールが詰まっているらしい。そこで同じ街づくり会社が管理しているアカプラが、10月の代替会場に割り当てられたという次第。
「広場の空き時間を有効利用し、オーデション通過のパフォーマーに開放する」というのがチカチカパフォーマンスの基本主旨なので、お金を払って広場を利用する組織が優先されるのは当然であろう。

 会場の使える時間帯は10〜13時だったが、前夜は諸作業に追われて、寝たのが明け方3時。8時半に必死で起きて簡単なリハを済ませ、ただちに家を出たが、会場到着は11時を回っていた。
 この日はアクション演劇のわんわんズさんと共演だったが、まだ姿が見えず、ステージは8月の実証試験時に好感触だった、芸術祭参加作品「一石を投じる」の前に設営。この作品、永久保存が決まったそうで、いまだ撤去されていない。

 すぐに歌い始めようとしたが、電子譜面がうまく起動しない。前回も同じ場所で同じ現象が起きたが、電波の悪影響でもあるのだろうか?まさに鬼門である。早々に電子譜面は諦め、持参のA5サイズ予備譜面で歌うことにする。
 この時期にしては温暖な陽気で、雨の気配もない。やや手間取って11時25分から始め、第1ステージでは洋楽を中心に10曲を歌った。(※はオリジナル訳詞)


「サン・トワ・マミー」
「パダンパダン」
「愛の賛歌」
「砂に消えた涙」
「花のささやき」
「エーデルワイス」
「レット・イット・ビー」※
「ケ・セラ・セラ」
「悲しき願い」
「End of the World」※


 通りを往く人々はそれなりにいたが、多くはいまが黄葉が見頃のイチョウ見物。写真撮影に忙しく、歌に関心を示す人は少数で、難しいステージとなった。
 実証試験時にはイチョウの周囲にあるベンチに座ってくつろぎながら聴いてくれる方が多くいたが、今回は座ってる人自体が極めて少ない。

 前夜遅くまでDIY代行作業に励んでいたので疲れは残っていたが、なぜか声はよく出た。こうなれば延々歌い続けようと覚悟を決めた矢先、背後からスピーカー音。駅前通りの真横で、某政党の広報演説が突然始まる。音が重なるとただやかましいだけなので、やむなくライブはいったん中止。
 時計を見ると12時前後だったので、昼食のサンドイッチを食べつつ、時間をつぶす。すると西側から共演のわんわんズ二人組がやってくる。彼らは離れた西側でパフォーマンスをするというので、そのまま待機することにした。

 12時20分ころに、ようやく演説が終わる。ただちに第2ステージを開始。昭和歌謡を中心に、およそ40分で10曲を歌う。(◎は初披露)


「カサブランカ・ダンディ」
「ジョニィへの伝言」
「池上線」
「パープルタウン」
「つぐない」
「どうぞこのまま」
「ブルーライトヨコハマ」
「アカシアの雨がやむとき」
「瞳はダイヤモンド」◎
「ルビーの指輪」◎


 第1ステージよりは幾分聴いてくれる人が増えたが、いずれも滞留時間が短い。この時期にしては温暖とはいえ、肌寒い陽気であることに変わりはなく、長時間歌を楽しむ余裕がないのかもしれない。
 それでも美しいイチョウ並木を見渡しながら歌う気分は得難いものだった。売上げもまずまずで、制限時間ぎりぎりまで歌い続けた。

 前夜遅くまでかかって準備した新オリジナルCDは、残念ながら1枚も売れず。次の機会に期待しよう。この時期に外で歌えたのは初めてのこと。多忙なスケジュールをやり繰りして強行参加したが、まずまず満足のゆく結果だった。




082 チカチカ☆パフォーマンス63th
   「積極リクエスト開始」
/2014.11.10



 第7期2度目のチカチカパフォーマンスに参加。2度目とはいえ、地下歩行空間を会場にしてやるのは今期初めて。前回チカホで歌ったのが7月上旬だから、実に4ヶ月ぶりとなる。札幌国際芸術祭の会場に使われていた関係で、かなりの間が空いた。
 今日の会場は北3条広場で、前回歌った際には工事中だった南側の壁がすっかり取り払われ、カフェとその前庭となる休憩空間に変わっていた。

 ちょっと見ると北大通広場に隣接して出来たカフェと似ているが、ここではカフェ内の飲食物を持ち込めず、いまのところ単なる通行市民の休憩コーナーになっている。
 椅子のデザインが細木を流線形状に組み合わせたユニークなもので、多くの市民がくつろいでいた。今後はこのコーナーに集う人たちも意識したパフォーマンスが必要となるかもしれない。

 事務局で手続きを済ませ、13時45分に会場に着いたが、共演のトイシアターさんの姿はまだ見えない。ゆっくり設営し、5分前にはスタンバイ。事前にテストしたリクエスト用紙と看板も忘れずセットした。

 14時ぴったりから歌い始める。開始前から関心を持ってくれる人が数名いて、人の集まりは早かった。およそ25分で8曲を歌う。
(※は初披露)


「白い冬」
「終着駅」※
「地上の星」※
「灯台守」
「学生街の喫茶店」※
「越冬つばめ」※
「虹と雪のバラード」
「恋人よ」


 この日のテーマはやや漠然としていて、晩秋から冬の雰囲気がする曲。ジャンルがバラバラで、8曲中初披露が4曲という冒険をしたが、来月上旬に地区センターで実施のオープン形式リクエストライブに備えたもの。同じ街作り活動の場でもあるチカチカパフォーマンスの場で、ちょっとテストしてみたい気持ちがあった。

 集客がピークに達したのは、初披露だった3曲目の「地上の星」。歌い進むうちにざわざわと人が増え、あっという間に20名を越えた。
 2日前にふと思いついて歌ってみたら、「独特の世界観がある」と、妻から太鼓判。それに勇気を得て、ステージの行方を左右する3番目に思い切って持ってきたが、当たった。
 正直に書けば中島みゆきはあまり好きではなく、得意でもない。レパートリーもこれまでは「時代」「わかれうた」の2曲のみで、人前で歌ったことがあるのは「時代」だけ。しかし、受けるものは受けるのだ。今後は考えを改めざるを得ない。

 実はこの日は自宅リハの時点から調子が悪かった。声がやや荒れていてツヤが足りず、声量もいまひとつ。全身の力が声に乗って行かない悪い状態だった。それでも聴き手が途切れることはなかった。喉の調子が必ずしも集客と一致しないという典型か。難しい。

 6曲目くらいに共演のトイシアターさんが現れる。予定通り、14時25分で終わってステージを引き継いだ。

 15時20分から第2ステージ開始。洋楽を中心に、およそ25分で7曲を歌う。

「恋心」
「ミスター・サマータイム」※
「わかっているよ」
「ラストダンスは私に」
「マイ・ウェイ」
「愛燦々」
「Let It Go ありのままで」※


 15時を回ると集客がガタ減りするのが常だが、この日は立ち止まってくれる人がかなりいて、聴き手ゼロの時間は最後までなかった。しばらくチカチカパフォーマンスがなかったことで、人々に目新しさがあったのかもしれない。

「マイ・ウェイ」を歌っているとき、小さな男の子を連れた若い女性がマイクそばまで近寄ってきた。歌が終わるとリクエスト用紙を手に取り、「リクエストOK?」と尋ねてくる。その言葉がカタコト。何と外国人だった。

「リクエストお受けします。何がいいでしょう?」
「《愛燦々》デキマスカ?」
「はい、できます」

 なぜ外国人で「愛燦々」なのか分からなかったが、子供がハーフらしかったので、おそらくは日本人男性と結婚し、日本文化に馴染んでいるのだろう。
 リクエスト受付の看板を出してはみたが、初回ということもあってMCでは全くふれず、聴き手が近寄ってくるのに任せていた。告知なしでどんな動きになるのか、試してみたかった。ともかくもありがたい最初のリクエスターである。素早く譜面を検索し、ただちに歌った。
 終わると「アリガトウ」と手を差し出し、強く握ってくる。暖かな手のひらだった。その目が少し潤んでいて、届いたんだな…、と思った。

 時間が迫ってきたので、最後に「Let It Go ありのままで」を歌って終える。一度消えたはずの外国人親子がまた戻ってきて、最後まで聴いてくれた。

 体力的に限界を感じたので、第2ステージで撤収。13曲中6曲が初披露で、他も久しぶりに歌う曲が大半。普段よりも神経を使ったこともあってかなり疲れたが、収穫は多かった。

 撤収作業中に背後から「菊地さん」の声。振り返るとカエルヤ珈琲店の店主ご夫妻である。お店が休みで、たまたま通りかかったそうだ。第1ステージを開始前から待ち受け、ずっと聴いてくれていた男性からも、「去年のクロスロードライブで歌ってましたね」と声をかけられた。
 さらには、「人混みの後ろで、お父さんの歌聴いてましたよ」と、帰宅後に長男のお嫁さんからメールが届く。身内も含めて告知は一切してなく、全て偶然のなせる業。フシギな200万都市、サッポロである。




083 チカチカ☆パフォーマンス64th
   「リクエストで場を共有」
/2014.11.21



 予約で埋まっていたチカホの北3条広場にキャンセルがあったらしく、事務局から突然のチカチカパフォーマンス枠割り当てがあった。11月の枠は先週の1回きりだと思っていたので、ありがたくエントリーさせていただくことに。

 自宅での準備中に、突然のアクシデントが襲った。今回からメインで使う予定だった新しいタブレットPCが全く起動しない。バッテリ不調のように思えたので、USB電源ケーブルをつないでみた。数分して再度試みると、今度は起動する。
 起動後のバッテリ残量は45%ほどで、昨夜の終了時より30%ほど少ない。やはり何かがおかしい。電子譜面は普通に起動したが、不安があるので、予備のはずだった古いタブレットPCで臨むことにした。

 前回より20分近くも遅れて出発。地下歩道を会場へと急ぐ。途中、おなじみの北4条広場では、「さっぽろアートステージ」のインスタレーション作品が展示されていた。

 北3条広場で展示部門の似顔絵まつみさんと遭遇。パフォーマンス部門の昼枠は私だけのエントリーで、久しぶりに貸切状態となった。
 かなり遅れて、14時25分くらいから歌い始める。フォーク系の歌を皮切りに、休憩なしの1時間10分で17曲を歌った。
(※は初披露、◎はリクエスト)


「長い夜」※
「恋人よ」
「地上の星」
「学生街の喫茶店」
「傘がない」
「白い想い出」
「時の過ぎゆくままに」
「池上線」
「ルビーの指環」※
「白いブランコ」◎
「兄弟船」※
「空港」
「さくら(直太朗)」◎
「さざんかの宿」◎
「青い山脈」◎
「なごり雪」◎
「青春時代」


 前回に引き続き、この日も人の集まりは早かった。時間の割に曲数が少ないのは、4分を超す長い曲が多数含まれていた関係。
 会場の寒さを恐れ、マフラーを巻いて臨んだが、歌い始めると暑くなり、途中で外すことに。マフラーやストールは温度調節のアイテムとして重宝する。

 リクエストが過去最高の5曲に達し、それが後半に集中したのは、出だしのフォーク系5曲を過ぎた時点でMCで積極的に声をかけ、リクエストを募った効果である。

「リクエストお受けしています。何かご希望がございましたら、こちらにリストを用意しておりますので、この中からお願いいたします」

 さっとこんな感じだったが、告知をするとしないとでは大違いで、聴き手の反応は抜群によくなった。フォーク系の曲を歌えばフォーク系の曲が、演歌系の曲を歌えば演歌系のリクエストが次々に飛び出す。
 自分のペースでは演れなくなるので、普段よりもかなり疲れるが、その分聴き手とのコミュニケーションは抜群で、大きな手応えを感じた。

 リクエストには概ね応えることができたが、80歳前後とおぼしき女性から、リストにはない「別れの一本杉」がいきなり飛び出して面食らった。春日八郎の歌った名曲だが、あいにくレパートリーにはなく、リストをお見せして「さざんかの宿」で勘弁していただいた。
 実は1番だけなら何とか弾いて歌えた。過去の経験から、さわりだけでも歌うと、リクエストを出した方は満足されるケースが多い。咄嗟のアドリブ力が必要な場面だったが、まだまだ修行が足りない。

 15時35分でステージ終了。目的はほぼ達成したので、そのまま撤収とした。
 反応のよさを裏付けるように、20枚ほど用意したA6版の案内状がほとんどなくなり、A4版のリクエストリストも持ち去る人が続出。想定外の事態にやや慌て、最後の1枚だけはお願いして残してもらった。次回は多めに準備する必要がある。

 これまで苦手としていた北3条広場だったが、この日でそんな苦手意識は払拭できたように思える。広場での売上げも過去最高を記録。要はやり方だ。
 投げ銭と並んで、リクエストは聴き手もライブに積極参加するひとつの手段だと再認識した。歌い手にとっては、聴き手と場を共有する大きな武器となる。今後にむけて、明るい展望がひらけた。