街角100ライブ


072 チカチカ☆パフォーマンス56th
   「チカチカ大苦戦」
/2014.5.26



 5月3度目のチカチカパフォーマンスに参加。未明から激しい風で肌寒く、午後から雨の予報も出ている。何となく気はすすまなかったが、体調には問題ないので、キャンセルは論外。自分にムチ打って出かけた。
 今回も共演は小樽のギタリスト、浜田隆史さん。これで共演は4度目で、互いに平日昼間枠の常連になりつつある。

 先着の浜田さんのステージのあと、14時30分から第1ステージ開始。昭和歌謡の演歌を切り口に、およそ25分で7曲を歌った。


「釜山港へ帰れ」
「夜霧よ今夜も有難う」
「つぐない」
「宗右衛門町ブルース」
「珍島物語(初披露)」
「夢のしずく(オリジナル)」
「ラブユー東京」


 最初に演った浜田さんもそうだったが、この日は立ち止まる人が極端に少なく、手応えの弱い日だった。写真のように、通りに人がいないわけではない。

 天候、曜日、時間帯など、人が立ち止まって聴いてくれるには、さまざまな要素がある。しかし、チカホで歌い始めてから3年近くになるが、「これ」といった決まった流れはないように思える。小樽運河で路上ライブを始めて10年以上が経つ浜田さんも、未だに人の流れがよくつかめないそうだ。
 経験の長いジャグリング系のパフォーマーにきいても、同様の意見だった。つまり、路上パフォーマンスに確立した傾向など存在しない、というのが現時点での結論である。

 そんな沈んだ空気のなか、浜田さんと交互に淡々と歌い続ける。浜田さんの第2ステージで幾分立ち止まる人が増えたように感じたが、停滞時間が短く、動きが慌ただしい。集客と売上げは基本的に連動するので、互いに苦戦のステージが続いた。

 15時30分から第2ステージ開始。POPS系の昭和歌謡を中心に、およそ27分で8曲を歌った。いつものことだが、2人とも時間厳守で、入れ替わりの時間も短い。ロスタイムゼロである。


「万里の河(初披露)」
「池上線」
「恋のしずく」
「アカシアの雨がやむとき」
「男と女のお話」
「夜が明けたら」
「抱きしめて(オリジナル)」
「聖母たちのララバイ」


 相変わらず立ち止まる人はいないので、途中から路線変更し、最近あまり歌っていない暗い曲を続けて歌った。皮肉なことにこれで少し聴いてくれる人が現れ、期せずしてCDが1枚売れる。
 この日は出たついでに車の給油や買物をする予定もあったので、ここらが潮時と、第2ステージで打ち切った。

 家に戻ってからちょっと気になり、直近4ヶ月ほどの売上額を集計してみた。すると、1〜3月までのステージ毎の平均値と、4〜5月のそれとに、実にマイナス63%という大きな減少が見られた。つまりは1/3に減ったということで、(このところ売上げが落ちてるな…)とは感じていたが、まさかこれほどまでとは。
 構成を含めたパフォーマンス自体に大きな変化はない。だとすると理由は明快で、ズバリ消費税率アップが原因であろう。
(ライブ告知は一切していないので、聴き手は単純な通りすがりだけとなり、分析数値のブレはない)

 私自身もそうだが、4月以降は以前よりも一層無駄な出費を控え、少しでも支出を減らすよう努めている。通りすがりのストリートパフォーマーに使う金など、節減の筆頭候補になるのは、立場を変えてみれば容易に理解できる。
 幸いに歌を生業としているわけではなく、売上減による生活への直接的なダメージはない。だが、毎回のように通りの風となって淡々と歌い続けるのは、さすがに寂しい。

 人々の心の中に、音楽に耳を傾ける気持ちの余裕が戻ってくるまで、しばし冬の時代が続くと覚悟したほうがよさそうだ。




073 チカチカ☆パフォーマンス57th
   「チカチカ自信回復」
/2014.5.29



 月曜日に続き、今月4度目のチカチカパフォーマンスに参加した。午前中から気温がぐんぐん上がり、まるで真夏のような陽気。都心のアメダスによると、正午近くに30度を突破した。
 当初、衣装はニットのジャージー上衣を着てゆく予定が、急きょ変更。今年初めて長袖シャツに黒ベストの夏衣装で臨むことに。

 前回ライブでの手応えのなさを自分なりに反省分析し、全てを消費税増税のせいにして逃避するのではなく、まだ工夫の余地があるのでは?と、短い準備期間の中で歌う姿勢全般を見なおした。
 そのひとつが衣装。4月上旬にアマゾンで買い、使う機会をうかがっていた黒い中折れハットを、気分転換として初めて使ってみることにした。たまたまこの日がデニムのシャツにベスト、ジーパンという出で立ち。かぶってみると、ちょっとしたウェスタンスタイルで、けっこうサマになる。
 どうせならと首に赤いバンダナまで巻き、気分を徹底させることにした。

 もうひとつ変えたのが、料金箱の置き場所。ずっとマイク前に置いてあったが、これがいかにも物欲しげで集客の障害になりかねないので、左手にあるCD陳列棚の真横に位置変更。右手には事務局から貸し出されるチカチカ専用看板を立て、歌い手を中心に全体を扇状に配置して、マイク前は広く空けた。

 共演は月曜と同じ小樽のギタリスト、浜田隆史さん。14時半から私のステージとなり、シャンソンを切り口に、25分で8曲を歌う。


「恋心」
「詩人の魂」
「パダンパダン」
「河は呼んでいる」
「さくらんぼの実る頃」
「サン・トワ・マミー」
「独り(オリジナル、作詞:まりりん)」
「バラ色の人生」


 久しぶりにシャンソンオンリーのステージを早い時間帯に演ったが、実はこれも前回の反省からである。無理に聴き手に媚びようとせず、チカチカパフォーマンス開始当初の原点に立ち返り、自分の歌いたい歌をまず歌おう、というのだ。

 いざ歌い始めると、予想外に場の反応は良かった。特に3曲目の「パダンパダン」では、あっという間に集客10名を突破。暗い曲で、過去にほとんど歌ってなかったが、決めつけは禁物である。
 不思議なことに、その後の明るめの曲調に変わると、逆に聴き手は減った。暗めの曲で徹底すべきだったかもしれない。このあたり、もうひと工夫が必要のようだ。

「聴き手は常に明るい曲を求めている」というのは、単なる思い込みに過ぎない。人の感情の起伏は実にサマザマで、暗い曲にどっぷり首まで浸かりたい気分のときもある。笑ったり泣いたり、そこに人生の妙味があるはずで、少なくとも1ステージ25分は同じ気分を貫くべきではないのか。

 15時半から第2ステージ開始。最近の定番である昭和歌謡路線に戻したが、選曲に工夫し、全体をバタ臭いPOPS系の曲で統一して、なおかつ大半を得意の女性歌手系でまとめた。25分で7曲を歌う。


「時の過ぎゆくままに」
「パープルタウン」
「グッド・バイ・マイ・ラブ」
「五番街のマリーへ」
「オリビアを聴きながら」
「寂しくなんかない(オリジナル)」
「天使のウインク」


 目論見が当たったのか、はたまた偶然の産物か、1曲目から非常に反応はよく、最初から最後までずっと聴いてくださる方も多数いた。「同じ気分の歌を並べる」という発想は、状況次第では当たる、ということなのだろう。

 終了後、3〜4名の方が集まってきて、いろいろ声をかけてくれ、身に余るようなお話しもいただく。売上げも4月以前の水準にまで回復した。水物でつかみどころのない路上ライブだが、工夫次第ではまだまだやれると自信も回復。今後の糧としたい。




074 チカチカ☆パフォーマンス58th
   「なぜか洋楽が受けた」
/2014.6.2



 6月最初のチカチカパフォーマンスに参加。このところ続けざまだが、今月中旬以降の割当て枠が少なく、さらには来月中旬から9月までチカホ等を会場にして、「札幌国際芸術祭 2014」なる大きなイベントが開催されるとか。
 その間のチカチカパフォーマンスはできなくなりそうで、代替会場も現段階では未定。枠に余裕のあるいまのうちに、せいぜい演っておこうというのだ。

 この日も共演は小樽のギタリスト、浜田隆史さん。いつものように私の第1ステージは14時半からで、「世界の歌」を切り口に、25分で以下の8曲を歌う。


「サンタルチア」
「ナポリは恋人」
「愛の讃歌」
「オー・シャンゼリゼ」
「End Of The World(初披露)」
「End Of The World(オリジナル訳詞)」
「夕凪ワルツ(オリジナル作詞)」
「Godfather 愛のテーマ」


 1〜2曲目がカンツォーネ(イタリア)、3〜4曲目がシャンソン(フランス)、5〜6曲目とラストがアメリカ、7曲目がルーマニアという内訳で、徹底して洋楽で攻めた。

 普段は手応えが弱いジャンルなので、あまり期待はしてなかったが、「愛の賛歌」で立ち止まる人が続出。そのままじわじわと増え続け、「夕凪ワルツ」でピークに達した。この構成でこれほどの反応があるとは、オドロキ。なにごとも決めつけは禁物で、まさにやってみるまで分からない。
「End Of The World」は共演の浜田隆史さんが先日、チカホで弾いていた曲。すごくいい感じだったので、自分も演ってみたくなった。
 得意のオリジナル訳詞をまず作ったが、韻を踏んだ美しい歌詞が捨て難く、英語版も同時に歌うことに。居合わせた浜田さんにも気に入っていただけた。

 予想外の反応に気をよくし、さぞや昭和歌謡系でも…、と勇んで第2ステージに臨んだ。15時半から25分で7曲を歌う。


「ジョニィへの伝言」
「真夏の出来事」
「ウナ・セラ・ディ東京」
「ハナミズキ」
「ラヴ・イズ・オーヴァー」
「誰も知らない夜(オリジナル)」
「どうにもとまらない」


 期待に反し、立ち止まる人はほとんどいない。後半の昭和歌謡が受けた前回とは、全く逆転した現象だった。これがストリートライブの不可思議で、不確かな部分である。
 喉の調子は悪くなかったので、あまり気にせず、いつものように風になって淡々と歌い紡ぐ。あとで思ったが、曲目がちょっと地味だったかもしれない。

 ラストの「どうにもとまらない」で数人が集まってくれたが、やや遅かりし…、といった感。共演の浜田さんが気配を察して、(延長して歌っていいですよ)とのサインを出してくれたが、この日も外はかなり暑く、夏日突破の28.7度。用心して久々に汗止めとしてのバンダナを巻いたほどで、体力面を考慮し、ここで打ち切りとした。
 月曜にしては売上げはまずまずで、思いがけず洋楽が受けたということで、この日の収穫としたい。




075 チカチカ☆パフォーマンス59th
   「チカチカで交流」
/2014.6.5



 6月2度目のチカチカパフォーマンスに参加。前回もふれたが、広場の空き枠や私自身のスケジュール、そして公的イベント開催等の関係で、しばらくチカチカパフォーマンスには出られなくなるかもしれない。
 先のことは分からないが、現時点では第6期ラストの参加になる可能性もなくはない。

 数えてみたら、第6期開始4月からの参加がちょうど10回目。2枠連続エントリーが2度あるので、累計枠としては12回となる。
 今期から2年間オーディション免除の特別枠活動者認定を受けたこともあり、認定の基準のひとつだった「1期半年間で10枠以上の活動」を、かなり意識していた。先のような事情から、今期は活動自体が普段通りにできなくなりそうだったので、自ら課したノルマをクリアでき、まずは一安心である。
(特別枠活動者に事務局からのノルマはなく、「指定に甘んじて活動数を減らしたくない」という、あくまで自主的な判断である)

 この日の会場も北4条広場で、共演も小樽のギタリスト、浜田隆史さん。浜田さんの精力的な活動には頭がさがるが、私自身は健康面の事情もあって、あくまでマイペース的活動である。
 先着の浜田さんからステージが始まったが、この日は琴似パトスで知り合ったギタリストの伊藤博一さんが来てくれることになっていた。
 出かける直前に伊藤さんのツイートで午後がオフであることを知り、「どこかで路上ライブでもやってないかな…」のツブヤキに、素早く返信告知したもの。全くの偶然だが、縁ある方とは不思議にどこかでつながっているものだ。

 同じギタリスト同士ということで、ステージ終了後に浜田さんに紹介。その後ずっと2人のステージにおつきあいいただき、CDまで買ってくださった。通りの風となって歌い続けるのも悪くはないが、ずっと聴いてくれる方がいると、やはり気持ちの入り方が違う。
 曲ごとにちょっとしたやり取りも互いにあったりし、非常に楽しい時間を過ごせた。ありがとうございます。

 第1ステージは前回に引き続き、「世界の歌」を切り口に、14時35分から30分で9曲を歌った。


「ろくでなし」
「ドミノ」
「花のささやき(初披露)」
「帰れソレントへ」
「エーデルワイス」
「ベサメ・ムーチョ」
「夕凪ワルツ(オリジナル作詞)」
「ケ・セラ・セラ」
「知りたくないの(アンコール)」


 内訳は前回に似ていて、1〜2曲目がシャンソン(フランス)3〜4曲目がカンツォーネ(イタリア)5曲目がオーストリア、6曲目がラテン(メキシコ)7曲目がルーマニア、8〜9曲目がアメリカである。
 いつもより1曲多いのは、共演の浜田さんのご好意によるもの。終了間際に聴き手がけっこう集まってくれたので、もう1曲どうぞ、との合図をいただいた。

 実は浜田さんの直前ステージでも似た雰囲気になり、私のリクエストで浜田さんオリジナルの「スープカレー」をアンコールとして弾いていただいた。そのお返しのような感じである。2人以外に共演がいないので、こんな気ままも時に許される。
 集客はまずまずで、冒頭のシャンソン2曲の評価が高かった。「ドミノ」では人がざわざわと集まってくる気配を感じ、久しぶりに足が震えた。
 続くカンツォーネではやや苦戦した印象。カンツォーネは歌う順番を再検討すべきかもしれない。「エーデルワイス」で盛り返し、前回に続き、「夕凪ワルツ」での集まりが抜群によかった。「半分オリジナル」という位置づけだが、実に不思議な曲である。

 終了後に近寄ってきた中年女性、「《ケ・セラ・セラ》が素晴らしかった。大好きな曲なんです」と声をかけていただく。自分では自信のある曲だが、それと聴き手の評価とは別物。しかし、こうして声をかけてもらうと、正直うれしい。

 その後あれこれあって、15時30分から第2ステージ開始。前回同様、「昭和歌謡系」を切り口に、25分で8曲を歌った。


「カサブランカ・ダンディ(初披露)」
「パープルタウン」
「そっとおやすみ」
「どうにもとまらない」
「人形の家」
「男と女のお話」
「抱きしめて(オリジナル)」
「また逢う日まで」


 前回、第2ステージでの反応がいまひとつだったので、慎重に選曲したつもりだったが、手応えを感じたのは3曲目あたりまで。以降はもっぱら浜田さんと伊藤さんに向かって歌う形となったが、「音楽を通した交流」という一点では、非常に意義あるものだった。

 特筆すべきは、1曲目の「カサブランカ・ダンディ」。2日間しか練習していない初披露の曲だったが、いい感じで歌えた。通りの途中で立ち止まる人がかなりいた。この曲は自分に合っていると思う。「時の過ぎゆくままに」同様、エースに育つ可能性を秘めている。