街角100ライブ


069 チカチカ☆パフォーマンス53th
   「休日2枠のチカチカ」
/2014.4.26



 4月4度目となるチカチカパフォーマンスに参加。今回は休日の2枠を通してエントリー。以前にも2度やっているが、いずれも開始は遅めの午後からで、開始早々の午前11時から始めるのは初体験である。
 休日枠は11〜18時までと、平日よりも1時間長い。4日前の平日2枠通しのエントリー経験をふまえ、微修正して長丁場に備えた。

 30曲を超えると喉に限界がやってくることを再認識したので、今回は事前の自宅リハを軽めの5曲程度に抑えた。腰への負担を考慮し、作ったばかりの小型椅子を持参。10時50分に会場入りしたら、共演の2組はまだ誰も来ていない。
 最初は座って歌うことに決めていたので、電子譜面台をローポジションに設定。11時10分くらいから「内外の叙情歌」をテーマに歌い始めた。


「翼をください」
「思い出のグリーングラス」
「ハナミズキ」
「エーデルワイス」
「赤い花白い花」
「青葉城恋唄」
「サンタルチア」
「花は咲く」


 この日は初夏のような陽気だが、地下はひんやりと肌寒いほど。歩く人は少なめで、立ち止まる人も少数。
 それでも2曲目あたりで、以前に別のコンサートで私を聴いた、という中年女性から声をかけられた。一昨年の復興支援コンサートらしかったが、隣区で街づくり活動をやっているが、中高年対象の叙情歌を歌ってくれる人を探している。ぜひご協力を、と打診された。
 最近、札幌市が力を入れている街づくりサロン活動の一環らしく、他の組織からの依頼で、過去に数回出ている。一も二もなく協力を申し出た。

 11時半くらいに共演のアコースティック・ユニット、ミチカムさんが現れる。曲間で声をかけ、予定通り11時40分で場を引き継いだ。

 12時15分から第2ステージ開始。「昭和歌謡」を切り口に、およそ25分で7曲を歌う。


「パープルタウン」
「バス・ストップ」
「どうぞこのまま」
「夜明けのスキャット」
「赤いスイートピー」
「木綿のハンカチーフ」
「青春時代」


 いわゆる「昼休み時間帯」だが、立ち止まってくれる人はそれなりにいて、売上げもまずまず。このステージも椅子に座って歌ったが、電子譜面の位置はいい感じで、非常に歌いやすかった。目の前に遮るものがないので、聴き手とのコミュニケーションが取りやすい。
 座高47センチにした椅子の使い勝手もまずまずで、今後使えるメドがついた。椅子は地下鉄の階段移動時に重さがやや負担になる問題はあるが、休憩時にも座っていられるので重宝する。活動時間が長くなりそうなときは、常に持参するべきかもしれない。

 この日は3組の共演だったが、ジャグリングのはなえださんが、なかなか現れない。やむなくミチカムさんと交互に場をつなぐことになったが、13時過ぎにようやくはなえださん登場。さっそく演ってもらおうとすると、準備が必要ということで、結局13時20分から私が歌うことになる。
 第3ステージから、転換時間が早い立って歌うスタイルに変更。休憩時も含めてずっと座りっぱなしでは、かえって疲れるというもの。4日前にも演った「「洋楽のオリジナル訳詞」を切り口に、25分で7曲を歌う。
(◎=オリジナル訳詞、※=オリジナル)


「Without You◎」
「虹に消えた恋 」
「オブラディ・オブラダ◎」
「イエスタディ◎」
「誰も知らない夜※(リクエスト)」
「惜恋歌※(リクエスト)」
「アメイジング・グレイス◎(リクエスト)」


 3曲目あたりで、通りから会釈する見覚えのある顔がある。以前にチカチカパフォーマンスで3度も聴いてくださった「常連」のような女性で、CDも2枚買ってくださった方。今回で4度目だが、告知は特にしていないので、4度とも全くの偶然。よほどご縁があるとみえる。

 CDに入っているオリジナルの「誰も知らない夜」が大好きな方なので、さっそく歌ってさしあげた。続いて出来立ての新曲「惜恋歌」、ラストにオリジナル訳詞の「アメイジング・グレイス」を請われるままに歌う。
 ほとんどその女性一人のためのミニライブとなったが、大変喜んでくださって、お菓子の差し入れなど過分にいただく。ありがたいことである。

 第3ステージ終了後、13時45分から、はなえださんのジャグリングステージが始まる。椅子に座って軽食を食べつつ、邪魔にならない場所から見物。休日の昼枠は14時30分まで続くので、一気に3ステージも演ってしまったのは、全くの想定外だった。
 その後、ミチカムさんのステージをはさんで、再び私の出番となったが、気力体力面での不安から、ちょっと躊躇した。しかし、話し合いのすえ、結局は順番通りに演ることに。

 構成のネタが一巡したので、何を歌うかちょっと迷ったが、休日枠での演歌構成はリスクが多すぎる。第1ステージの「内外の叙情歌」に、少し変化をつけて演ることにする。
 14時45分から第4ステージ開始。およそ25分で8曲を歌った。
(◎=オリジナル訳詞、※=オリジナル)


「カントリー・ロード」
「涙そうそう」
「レット・イット・ビー◎」
「月の沙漠」
「サンタルチア」
「北の旅人」
「サクラ咲く※」
「ケ・セラ・セラ」


 すでに22曲を歌っているので、歌い始めると、さすがにやや疲労感を覚えた。しかし、左手がつることはなく、喉の不調もない。歌い進むうち、むしろ喉の調子は上向いてくるようにも感じた。
 聴き手の集まりは芳しくない。平日の同じ時間帯なら抜群の手応えのはずだが、曜日や天候によって聴き手の流れは激しく変わる。結果として、この日最も寂しいステージとなってしまった。

 2組のステージをはさんで、16時15分から全く予定になかった第5ステージ開始。実はジャグリングのはなえださんが、都合で2ステージのみで撤収してしまった。帰るきっかけを失ってしまい、自分の限界を見極めたい好奇心も重なって、結局はもう1ステージ演ることに。
 第2ステージで演った昭和歌謡を切り口に、少し変化を加えて7曲を歌った。


「時の過ぎゆくままに」
「桃色吐息」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「バラ色の人生(リクエスト)」
「恋心」
「わかっているよ」
「ろくでなし」


 実は「昭和歌謡」は3曲目までである。「桃色吐息」のあたりで熱心に聴き始めた女性が、突然近寄ってきて看板を見つつ、「シャンソンを歌われるんですか?」と尋ねる。
 ええ、歌いますが、お好きなんですか?と返すと、大好きだそう。何か歌いましょうか、何がお好きでしょう?と応ずると、「ラビアンローズ」が最も好きという。一瞬考えたが、レパートリーにはないな…、と思った。
 そこで、それは歌えませんが、「バラ色の人生」なら歌えますと電子譜面を繰って譜面を探す。ほどなく見つかって歌い終えると、大変喜んでくださった。その後求められるままに、3曲のシャンソンを歌う。
(その後の調べで、「ラビアンローズ」の和訳が「バラ色の人生」であるらしいことを知る。結果として、ちゃんとリクエストに応えていたのだ)

 以前にはよく歌っていたシャンソンだが、最近は反応が弱いのでずっと封印していた。まさかこんな場面がやってこようとは。人の嗜好はさまざまということで、奇しくも後半は第3ステージ同様、一人の女性のためだけに歌う感じとなったが、長く歌っているとこんなこともある。

 16時45分に全ステージ終了。この日はどのパフォーマーもきっちり持ち時間を守ってくれたので、ロスタイムはほとんどなく、いいペースで進められた。予想外の5ステージ消化の背景は、そのあたりにもある。
 数えてみたら延べ6時間、全部で37曲も歌っていた。リハの在り方や装備に工夫した効果もあって、4日前に作ったばかりの記録を簡単に更新した。重複曲は「サンタルチア」1曲のみという奇跡。
 余力は残っていたので、機会があれば40曲にもぜひ挑戦してみたい。まだ限界には達していない。




070 チカチカ☆パフォーマンス54th
   「偶然続きのステージ」
/2014.5.12



 前日夕方の練習で、喉の調子が80%ほどにまで復活した感じだったので、急きょチカチカパフォーマンスにエントリーすることを決意。申込み締切1時間前の20時に滑り込んだ。
 会場は苦手な北3条広場だったが、昼枠に共演者はなく、完全に自分のペースで演れる。

 この日は今季最高の27度を越す夏日を午前中に記録。平日だが、多くの人は屋外の行楽地に出かけた気配で、地下歩道は閑散としていた。
 苦戦の気配を感じつつ、14時過ぎから第1ステージとして「内外の叙情歌」を切り口に歌い始める。


「カントリー・ロード」
「赤い花白い花」
「夏の思い出」
「忘れな草をあなたに」
「涙そうそう」
「ハナミズキ」
「思い出のグリーングラス」
「オー・ソレ・ミオ」
「アニー・ローリー」


 実は明け方6時近くに、咳が出て止まらなくなった。まだ風邪が抜けきっていないらしく、ただちに起きて大根のはちみつ漬を作って飲み、どうにか咳はおさめた。当日のキャンセルは極力避けたかった。

 そのせいもあってか、調子はいまひとつ。上のキーがギリギリで、音程と声量を普段通りにキープしようと頑張るので、1曲毎に体力を消耗した。
 場の反応もいまひとつで、10人ほどが集まった「ハナミズキ」がこの日の最大集客。全体として手応えは弱かった。

 CDもそれなりに売れたので、早々に切り上げようと思い始めた矢先、見覚えのある中年婦人が目の前に立つ。つい先日、同じチカチカパフォーマンスで昭和歌謡を歌っていたときに絶賛していただき、CDも買ってくれた方だ。

「また会えたわねー。ぜひ2〜3曲聴かせてよ」と望まれるので、急きょ路線を昭和歌謡に変更し、休憩なしで第2ステージに突入することを即断。
 このご婦人、1曲毎に熱烈な拍手をくれて、近寄ってきた別の人にも、「この人、歌うまいよ。聴いていきなよ」などと誘っている。まるで私のマネージャーのようだった。
 とても3曲では終わらず、結果として8曲を歌うことに。

「男と女のお話」
「アカシアの雨がやむとき(初披露)」
「赤いハンカチ(初披露・リクエスト)」
「ラブユー東京」
「つぐない」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「赤いスイートピー」
「夕凪ワルツ(オリジナル・リクエスト)」


「赤いハンカチ」は、このご婦人のリクエストで、1曲毎にあれこれ話しながら進めていると、別の女性が近寄ってくる。その顔にもまた見覚えが…。
「以前にも確か聴いていただいてますよね?」と声をかけると、ええ、CDも買いました。その中の1曲が大好きで、何度も何度も家で聴いてます、などと言う。
 どの曲ですか?ぜひ歌わせていただきます、と申し出ると、タイトルは忘れたが、こんな感じ…、とハミングする。「夕凪ワルツ」だ!

 体調がいまひとつのなか、休憩なしで1時間近くが経過し、すでに16曲を歌っている。しかし、このような歌い手冥利につきる展開で、歌わないわけにはいかない。力を振り絞ってリクエストに応えた。
 聴き手の強烈な後押しもあって、過去最高の出来だったと思う。ご婦人にもたいそう喜んでいただけた。

 かってないような刺激的な出来事と疲労の両方で、やや脱力感に襲われた。実は2人のご婦人と話している最中にも、近寄って肩を叩く別の女性がいた。これが何と小学校時代の同窓生。
 数年前の同窓会で50年ぶりに再開してから、チカホで歌っているときに出会うのは、これが3度目。偶然がこれほど続けざまに起きるとは。

 時計は15時を回ったあたり。共演者がいないので、持ち時間は充分に残っているが、17曲を一気に歌って、そろそろ限界を感じ始めていた。打ち切るべきか否か、かなり迷ったが、体力の続くまでもう少し歌ってみようと考えなおす。
 15時15分から25分間で、昭和歌謡を中心に、以下の8曲を歌う。


「レット・イット・ビー」
「青葉城恋唄」
「パープルタウン」
「バス・ストップ」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「東京ドドンパ娘」
「抱きしめて(オリジナル)」
「グッドナイト・ベイビー」


 6曲目の「東京ドドンパ娘」で、左手に突如異変を感じた。薬指が硬直したまま、全く動かない。いわゆる「つった」状態で、やむなく歌は1番で打ち切った。
 以前にも25曲目前後でしばしば起きた現象だが、スポーツドリンクによるこまめな水分補給をするようにしてからは起きてなかった。しかし、もはや限界である。

 すでに立ち止まる人はほとんどなく、まさに退き時である。しかし、こんな時に限って近寄ってくる人影があった。指はマッサージで少しは動くようになったので、気力を振り絞ってラスト2曲を歌う。
 不思議なことに、こんなに悪い状態でも、最後にCDが1枚売れた。「最悪の状態でも評価された」という事実を、素直に喜びたい。

 最も恐れていた喉の調子は全体を通してまずまずだったが、ギターが押えられなくなるとは想定外。このところの練習不足が原因であることは明らかで、気ままにやれる共演者なしの単独ステージも、体調不良のときは考えものである。




071 チカチカ☆パフォーマンス55th
   「リクエスト連発」
/2014.5.15



 今月2度目のチカチカパフォーマンスに参加。風邪もようやく抜けた気配で、体調はよい。会場はナチュラルリバーブの心地よい北4条広場で、天候にも恵まれた。
 地下広場は外よりも寒いか暑いかのどちらかなので、何を着て歌うべきかちょっと迷ったが、薄手のセーターにストール、定番のハンチングに落ち着く。

 共演は今回が3度目となる小樽のギタリスト、浜田隆史さん。15分前に会場に着くと、すでに会場入りしていて、準備中だった。
 先着順の原則通り、14時ちょうどに浜田さんのステージ開始。私の第1ステージは14時35分あたりからで、「内外の叙情歌」を切り口に25分で8曲を歌った。


「翼を下さい」
「かなりや」
「ハナミズキ」
「エーデルワイス」
「河は呼んでいる」
「さくらんぼの実る頃」
「北の旅人」
「青葉城恋唄」


 人通りは3日前の月曜よりもさらに少ない感じがしたが、人々の足取りが幾分ゆったりしているのに期待した。しかし、前半は共演の浜田さん以外にほとんど聴き手はなく、普段は抜群に強い「ハナミズキ」でも、ほぼノレンに腕押し状態。
「さくらんぼの実る頃」からようやく立ち止まる人が現れたが、すでにステージは終盤である。共演がいるので時間延長は論外で、予定通りに終えた。

 浜田さんのステージをはさんで、15時30分から第2ステージ開始。「昭和歌謡」を切り口に、25分で8曲を歌う。


「ジョニィへの伝言」
「グッド・バイ・マイ・ラブ」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「時の流れに身をまかせ」
「アカシアの雨がやむとき」
「赤いスイートピー」
「酒と泪と男と女(初披露、リクエスト)」
「グッドナイト・ベイビー」


 第1ステージと違って、人の集まりは割りと早かった。「時の流れに身をまかせ」で急に立ち止まる人が増え始め、「アカシアの雨がやむとき」を次に歌うことをMCで告げると、聴き手から小さな拍手が湧く。
 この曲は前日になってキーを半音下げた。そのほうが思いを乗せやすいと判断した。暗い曲調だが、シャンソンを得手とする私むきの曲。人前で歌うのは3日前に続いて2度目だが、歌い進むうち、どんどん人が集まってくるのがわかった。
 急きょ予定を変更し、フルコーラスを歌う。聴き手の強い後押しもあって、満足のゆく出来だった。

「赤いスイートピー」を歌い終えると、熱心に聴いていた女性がついと近寄ってきて、「あのう…、リクエストいいでしょうか?」と尋ねる。曲にもよりますが…、と応ずると、河島英五の「野風増」を、という。
 てっきり昭和歌謡系と思い込んでいたので、虚を突かれた感じだった。そもそも、「野風増」はレパートリーに入っていない。恐縮しつつ、その旨を告げると、では「酒と泪と男と女」は?と重ねて尋ねてくる。人前で披露したことはないが、こちらは電子譜面に入っている。
 検索しながらお話しすると、河島英五が大好きという。初老のご婦人だが、人の好みはさまざまだ。

 初めての割にはうまく歌えた。ご婦人にもたいそう喜んでもらえた。すると、遠い場所で聴いていた別の女性から、かまやつひろしの「我が良き友よ」を、と重ねてのリクエスト。残念ながらこちらもレパートリーに入っていず、代案もない。持ち時間も迫っていて、慎んでお断りした。
 このところ毎回リクエストが飛び出すという、予期せぬステージが続いている。(リクエストを積極的に受けよう…)という構想はかねてからあって、水面下ではあれこれ準備していた。しかし、特に何もせずとも、自然な流れでそれが実現している。しばし、この流れに身を任せてみよう。

 状況によっては第2ステージまでで撤収することも頭にあったが、この日は喉の調子が抜群によく、前回のように左手がつる兆候もない。夕方が迫り、人の流れはさらに細くなったが、集客を度外視した構成で第3ステージをやることにした。
 16時30分から普段はあまりやらない「フォーク」を切り口に7曲を歌った。私も浜田さんも持ち時間をピタリ厳守し、入替え作業も素早いので、ロスタイムの全くないキビキビした気分のよい進行が最後まで続いた。


「季節の中で」
「やさしさとして想い出として(初披露)」
「闇夜の国から(初披露)」
「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」
「風来坊」
「惜恋歌(オリジナル)」
「傘がない」


 聴き手は数えるほどに減ったが、完全に通りの風になりきり、気分よく歌えた。「傘がない」は期せずして共演の浜田さんに大好評。たとえ同じパフォーマー同士とはいえ、真剣に聴いてくれる人がいるといないとでは、大違いである。
 集客に比例するように、売上げもいまひとつの印象だったが、楽しいステージであったことは間違いない。