街角100ライブ


066 チカチカ☆パフォーマンス50th
   「リクエストで交流」
/2014.4.7



 4月最初、そして第6期初のチカチカパフォーマンスに参加。3週間ほどライブから遠ざかっている間に雪もほぼ解け、まだ風は冷たいが、気分はすでに春である。オーディション前後はチカホの割当て枠がどうしても少なくなる傾向にあり、満を持してのエントリーだった。

 今日のエントリーは2組のみで、それぞれが2つの広場に分かれた。私が選んだのは北4条広場。共演者がいないので少し遅めに家を出たが、会場でスタンバイを終えたのは、開始時間ちょうどの14時。
 新年度が始まったばかりで、しかも月曜。何かと忙しいのか、通りを往く人の足取りは一様に速い。何となく苦戦しそうな予感がしたが、ともかくも歌い始める。
 第1ステージでは「ジャンルを越えた叙情歌」を切り口に、およそ40分で以下の10曲を歌った。(※はオリジナル)


「カントリー・ロード」
「花(滝廉太郎)」
「荒城の月」
「さくら(直太朗)」
「僕の胸でおやすみ」
「青葉城恋唄」
「サクラ咲く(リクエスト)」※
「雨ニモマケズ」※
「惜恋歌(初披露)」※
「花〜すべての人の心に花を」


 人の集まりは早かったが、数は多くない。しかし、立ち止まった方は熱心に聴いてくれる。ライブの手応えとしては悪くない。
 オリジナルも含めて桜系の歌を4曲歌ったが、「サクラ咲く」は「CDの中のオリジナルを何か」という中年女性2人からのリクエスト。続けて「雨ニモマケズ」を歌い終えると、その女性は場を去った。
 ラスト2曲では誰もいなくなったが、初披露の「惜恋歌」では、かなり遠い柱の陰で中年男性がじっと耳を傾けてくれた。ストリートで歌ってみた感触は悪くないので、次回は別のシチュエーションで歌ってみたい。

 聴き手が少ない割に売上げはまずまずで、10分休憩したのち、14時50分から第2ステージ開始。16時までに切り上げたかったので、休憩なしの1時間5分で、以下の15曲を一気に歌う。構成は無難な昭和歌謡を選択した。


「桃色吐息」
「空港」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「花の首飾り」
「男と女のお話」
「木綿のハンカチーフ」
「抱きしめて」※
「天使のウインク」

《ここから大きくイメージ転換し、演歌を中心に歌う》
「釜山港へ帰れ」
「夜霧よ今夜もありがとう」
「独り(リクエスト)」※
「つぐない」
「宗右衛門町ブルース」
「黒い花びら」
「ラブユー東京」


 第2ステージではいろいろな動きがあった。人の集まり具合は前半と似ていたが、時が進むに連れて、場の定着時間が短くなる傾向にあった。
 チカホは本来、単なる通路である。基本的に用事のある人が歩いているので、長時間留まって聴いてくれる人は稀。そんな条件下で、ふと立ち止まって耳を傾け、時にはCDまで買ってくれる行きずりの人を歌で探し当てる。そこに路上ライブの捨て難い魅力がある。

 3曲目あたりから8曲目の「天使のウインク」まで熱心に聴いてくれる中年男性がいたので、キリのいいところで声をかけた。

「足を止めていただいて、ありがとうございます。何か聴きたい曲があれば歌いますが…」
 聴き手からのリクエストは過去に多数あるが、自分から申し出たのは初。活動を初めて3年目に差し掛かり、特別枠認定も受けたので、これまでとは違う色を何か打ち出してみたいと、かねてから考えていた。
 その男性、用事があるのでもう行かねばならないが、とても良かった。「花の首飾り」は元祖タイガースとは異なる味で、特に印象に残った、と感想をくれた。最近は女性歌手の曲を好んで歌うなど、自分なりの味つけで歌うよう工夫しているので、こうした評価は大変うれしい。

「釜山港へ帰れ」から構成を大きく変え、演歌中心に歌い進めたが、それなりの反応があった。途中、40歳くらいの男性が熱心に聴き始め、案内状を手にとって食い入るように眺めている。曲の合間に、向こうから声をかけてきた。

「クロスロードライブに出てらしたんですか?実は私もバンドの一員ですが、出てました」と、信じがたい話。JRの出発時間が迫っているのですが、ぜひオリジナルを何か1曲だけ歌ってください、と請われた。
 いろんなジャンルがありますが、お好みは?と問うと、案内状を見ながら、シャンソン系のオリジナルがあればぜひに、と言う。クロスロードライブでも歌って、CDにも入っている「独り」を歌うと、大変喜んでくれた。

 このあと、「魔の時間帯」と呼ばれる16時が近づくにつれ、人の集まりはパタリと途絶えた。しかし、終わってみると売上げは今年3番目。25曲という曲数も、過去のベスト3に迫る記録である。リクエストを使った聴き手との積極的なコミュニケーションという新しい方向性も見いだせた、収穫の多いライブである。




067 チカチカ☆パフォーマンス51th
   「休日午前のチカチカ」
/2014.4.19



 4月2度目のチカチカパフォーマンスに参加。実は休日午前から歌うのは初めての経験で、声がちゃんと出るかどうか不安があり、開始予定の3時間前から起きて備えた。
 リハは軽めに済ませ、10時過ぎに家を出る。途中、スーパーで昼食用のサンドイッチを買った。お昼をまたぐので、昼食の準備もこれまた必須。

 休日の場合、広場の開放時間は11時からだが、やや遅れて11時15分ころに会場に着くと、すでに共演のトイシアターさんと似顔絵のマツミさんがスタンバイ中だった。
 パフォーマンスの順序は先着順が原則。まずトイシアターさんのステージが11時30分から始まる。事務局で手続きを済ませたあと、ゆっくりスタンバイして、早めのサンドイッチをひとつ食べる。

 12時ちょうどから第1ステージ開始。内外の叙情歌を切り口に、およそ30分で以下の10曲を歌った。内外の比率は程よく50%。


「カントリー・ロード」
「赤い花白い花」
「宗谷岬」
「涙そうそう」
「思い出のグリーングラス」
「野ばら」
「エーデルワイス」
「いい日旅立ち」
「誰も知らない夜(オリジナル)」
「時代(コラボ)」


 未知の時間帯で歌うので、かなりの不安があったが、最初の数曲で熱心に聴いてくれる方が現れた。ただ、その数は少なく、「ゆっくり聴きたいけど、用事があるから」と、そそくさと立ち去る人が多かった。
 そもそも昼食の時間帯のせいか、人通り自体が少ない。昼食や午後一番の約束などがあるのか、みな忙しそうな足取りだった。

 それでもCDはそれなりにさばけて、売上げはまずまず。短めの曲が多いのでトントンと歌い進んだが、7曲目あたりで共演の互久楽さんが現れ、横でスタンバイを始めた。さりげなくMCで、「あと2曲で終わります」と告知。すると互久楽さんが、「もっと歌っていいですよ」と応じたが、持ち時間30分の超過は好ましくない。

 ふと思いついて、予定にはなかった「時代」を互久楽さんとコラボしてみたくなった。パフォーマーの入れ替わりをコラボ演奏でスムーズにつなごうというのだ。
 声をかけると、すぐに応じてくれた。全くの打合せなしだったが、得意の鼻笛で巧みに合わせていただいた。通りかかる人も物珍しいのか、けっこう集まってくる。あとでトイシアターさんからも、「あのコラボ、面白かったですね」と声をかけられた。
 他ジャンルのパフォーマーとの突発コラボは、以前に読み語りのまっつさんとも試みて成功している。双方のアドリブ力が要求され、難しいが、うまくさばくと新しい自分を発見できる。今後も機会があれば積極的にやってみたい。チカチカパフォーマンスは、またとない場である。

 互久楽さんとトイシアターさんのステージをはさみ、13時40分くらいから第2ステージ開始。実は開始直前に、音楽仲間のOさんが突然広場に現れ、声をかけられた。ツイッターで相互フォローしているので、てっきり出掛けのツイートを読んだのかと思いきや、全くの偶然らしい。直後に歌い始めたので、数曲を聴いていただいた。
 第2ステージでは昭和歌謡を切り口に、およそ25分で以下の8曲を歌った。


「桃色吐息」
「空港」
「ブルーライト・ヨコハマ」
「花の首飾り」
「赤いスイートピー」
「木綿のハンカチーフ」
「寂しくなんかない(オリジナル)」
「グッドナイト・ベイビー」


 前半よりも人の動きが穏やかになり、それに伴って立ち止まる人もぐんと増えた。1曲目から最後までずっと熱心に聴いてくれる方もいて、大きな手応えを感じた。結果として、売上げも前回の平日なみの記録。
 反省は「桃色吐息」の途中でピックが割れたこと。間奏と2番の間隙を使って咄嗟に予備ピックに持ち替えたが、力の入る本番では、新しいピックで望むべきだった。

 初体験だった休日午前からのチカチカパフォーマンス、強いて言えば昼休みあたりが「魔の時間帯」ともいえそうだが、平日にも16時過ぎに似たような時間帯があるので、結局は大差ないことになる。
 休日しか活動できないパフォーマーもいるので、これまで休日枠は積極的にエントリーしてこなかったが、今後は候補に入れてみようと思う。




068 チカチカ☆パフォーマンス52th
   「2枠連続エントリー」
/2014.4.22



 4月3度目のチカチカパフォーマンスに参加。今回は過去に経験のない、平日の午後から夕方にかけての2枠連続エントリーである。(休日の2枠連続は過去に2度経験)本業であるデザイン系業務が落ち着き、夕方の枠に空きがあったので、前日になって急きょ追加エントリーした。
 一回の手間で数多く歌えるのが魅力だが、問題は気力体力面。14〜20時までの長い活動時間となるが、自分の限界点を見極めてみたいという好奇心もあった。夕食時にかかるので、途中のスーパーでサンドイッチを調達。飲物も2種類準備した。

 14時10分前に会場の北4条広場に着くと、午後枠共演の即興ダンス宮脇さんがすでにスタンバイ中。てっきり私は2番目に演るものと思っていたら、アップに時間がかかるというので、最初に演ることになる。
 機材のセットにやや手間取り、14時10分から開始。およそ30分で8曲を歌った。


「釜山港へ帰れ」
「夜霧よ今夜もありがとう」
「よこはま・たそがれ(初披露)」
「宗右衛門町ブルース」
「つぐない」
「青葉城恋唄(リクエスト)」
「おふくろさん」
「ラブユー東京」


 平日の午後ということもあって、構成は久しぶりに「演歌」とした。この日は外の陽気がうららかで、地下歩道を歩くより春の陽光を楽しみたい人が多かったようで、人通りは少なめ。
 それでも中高年を中心に人の集まりはまずまず。1曲ごとに「チカチカパフォーマーの菊地です。札幌北区に住んでいます。今日は演歌を中心に30分ほどお騒がせしています」とMCを入れる。以前は曲紹介のみで淡々と歌い続けていたが、聴き手とのコミュニケーションを積極的に図ろうというのが今期の目標である。

 最初から熱心に聴いていた中年女性が曲間で近づいてきて、「あの〜、《青葉城恋唄》が聴きたいんですけど、ダメですか?」と突然のリクエスト。演歌中心と明言しているはずが、なぜか希望は叙情歌である。
 一瞬たじろいだが、青葉城恋唄は叙情歌ファイルに入っていて、いつでも引き出せる状態。「分かりました」とすぐに応じた。それにしても、なぜ青葉城恋唄だったのかナゾだ。私の声があの歌に向いていると判断したのだろうか?

 宮脇さんの長いステージをはさんで、16時から第2ステージ開始。場所は正面から南側の壁際に移動した。活動開始当初は好んで歌っていた場所で、通りからはややブラインドとなるが、他のパフォーマーの設置や撤収に無関係に歌えるというのが最大の利点。
 歌の途中で宮脇さんが帰ったので、ここからは一人で自由に演れる。内外の叙情歌を切り口に、およそ45分で13曲を歌った。


「カントリー・ロード」
「翼をください」
「ビリーヴ」
「赤い花白い花」
「涙そうそう」
「思い出のグリーングラス」
「サンタルチア」
「エーデルワイス」
「帰れソレントへ(リクエスト)」
「かなりや」
「野ばら」
「雨ニモマケズ(オリジナル)」
「いい日旅立ち」


 16時からの1時間は人々が帰宅を急ぐ「魔の時間帯」と仲間内では言われている。覚悟して歌い進んだが、なぜか4曲目あたりから立ち止まる人が増え始める。通りに斜めに向かっているステージ位置も関係していたかもしれない。
「エーデルワイス」を歌い終えると、熱心に聴いていた中年女性の一人が近づいてきて、「《帰れソレントへ》がぜひ聴きたい」と、これまた突然のリクエスト。1日に2度目のリクエストとは驚きで、しかも最近はほとんど歌っていないカンツォーネである。「内外の叙情歌を歌っています」と、コマメに曲間で告知していたのが伏線だろうか。

 リクエストを積極的に受けてステージを構成したいという願望はかねてからあって、水面下では準備を重ねている。しかし、その手法に関して迷いがあり、具体的には何もやっていないし、MCでも一切告知していない。それでもこうしてリクエストが出る。
 推測だが、曲間のMCでコミュニケーションを図ろうとしている姿勢が、自然に聴き手に伝わっているのかもしれない。だとすると、特にリクエスト専用カードなど作らなくとも、現状の流れに任せていいことになる。

 ともかくも、リクエストは無難にこなした。「野ばら」を歌っているころに、夕方枠の共演、小樽のギタリスト浜田隆史さんが現れる。広場の中央はガラリ空いているので、「どうぞ構わずに準備なさってください」と声をかけた。

 17時からの夕方枠から、小樽のギタリスト浜田さんとステージを交代した。浜田さんとは1月の休日午後枠で一度共演している。同じ音楽系なので、ちょっとしたミニジョイントライブの様相である。
 17時30分くらいから、この日3度目のステージ開始。浜田さんのステージがほぼ全曲洋楽系なのが分かっていたので、その傾向に合わせるべく、「洋楽のオリジナル訳詞」を切り口に構成した。
 およそ25分で7曲を歌う。(「虹に消えた恋 」以外は全てオリジナル訳詞)


「Without You」
「虹に消えた恋 」
「オブラディ・オブラダ」
「イエスタディ」
「コンドルは飛んで行く」
「アメイジング・グレイス」
「レット・イット・ビー」


 3月上旬にも似た構成で一度歌っているが、内容がマニアックなので、立ち止まる人はほとんどいなかった。今回も似た傾向になる覚悟はあったが、少なくとも共演の浜田さんには喜んでもらえるはずだった。
 ところが浜田さん以外にも、立ち止まる人がけっこういて驚いた。17時台に歌った記憶自体があまりないが、意外にいい時間帯なのかもしれない。
 終わると中年女性が近寄ってきて、「《アメイジング・グレイス》が素晴らしかった。楽譜をお持ちでしたら、譲っていただけませんか?」と言う。しかし、譜面は残念ながらタブレットPCの中で、持ち出し不可能である。

 音楽系パフォーマーの入れ替わり時間は素早い。広場の位置を重複しない位置に互いが設定したせいもあり、1分ほどで浜田さんとステージ交代。
 18時くらいから人通りがめっきり減り、立ち止まる人も少なくなった。浜田さんいわく、「夕食の時間帯は厳しいんですよ」。なるほど16時台が「帰宅時間帯」とするなら、18時台は「夕食時間帯」というわけか。

 18時30分からこの日4度目のステージ。実は第3ステージまでで、すでに28曲を歌っている。この日は喉の調子が万全でなく、出掛けの自宅リハでも、かなり歌っていた。気力体力面では限界に近く、打ち切ることも頭にあったが、浜田さんがMCで「次は菊地さんのステージとなります」と、派手に告知してしまい、引っ込みがつかなくなった。
 歌の構成には迷ったが、力の入る昭和歌謡は避け、第2ステージで歌った内外の叙情歌をもう一度歌うことにした。


「カントリー・ロード」
「赤い花白い花」
「思い出のグリーングラス」
「涙そうそう」
「サンタルチア」
「サクラ咲く(オリジナル)」


 この日ちょうど30曲目となる「赤い花白い花」のラストで、声が少し割れてしまった。過去の経験から、30曲あたりが危険であると分かっていたが、いつもは弦を押さえる左手がつるのが常。しかし、水分補給をスポーツドリンクに変えてから、その問題は起きていない。
 声が割れるのは午前中のライブで数回あったように思うが、歌い進むなかでは初めてのこと。立ち止まる人は皆無に近く、このあたりが限界と悟って、早めの20分で打ち切りとした。

 浜田さんのギターを聴きながら、ゆっくり撤収。事務局で売上げ金の精算をし、19時45分に会場をあとにする。少し疲れたが、1日34曲の記録更新も叶い、長丁場を乗り切る自信がついた。