街角100ライブ


059 チカチカ☆パフォーマンス43th
   「突発リクエスト」
/2014.1.13



 いくつか試したいことがあって、今年2度目のチカチカパフォーマンスに参加。3連休ラストの午後枠にぽっかり空きがあって、急きょエントリーした。

 激しい雪による交通渋滞が予測されたので、初の試みとして、最寄りの地下鉄駅近くの駐車場に車を停め、そこから地下鉄経由で会場入りした。
 スーパーで買物をすれば3時間まで無料なので、真冬には便利と思われたが、駐車場から地下鉄駅までの歩道は除雪が充分でなく、キャリーカートは雪上を「引きずる」感じである。
 あれこれ手間取って、家を出てから会場に入るまでの時間は、直接都心に車を乗り入れる場合と大差なかった。ガソリン代や地下鉄代、駐車料金等を総合的に考えると、かかる費用も大差ないが、豪雪時のライブには有効な手段である。

 この日のパフォーマーは3組で、私より先に会場入りしていた小樽のプロギタリスト、浜田隆史さんがまず最初に演奏。休日午後の割当て時間は11〜4:30だが、午前の部が少し押していて、始まったのは14時40分。
 20分ほどで浜田さんが切り上げようとしたので、横で聴いていた私が「もう少しやってください」と進言。もう一人のパフォーマー、鼻笛の互久楽さんはまだ会場に現れず、聴き手も集まり始めたころだった。
 その後3曲ほど演奏し、2番手の私にバトンタッチ。14時17分から歌い始め、「演歌」を切り口に、25分で8曲を歌った。


「柳ヶ瀬ブルース」
「ラブユー東京」
「夜霧よ今夜もありがとう」
「つぐない」
「宗右衛門町ブルース」
「氷雨」
「寂しくなんかない」(オリジナル)
「人生いろいろ」


 この日もうひとつ試したかったのは、小型の乾電池式PAを直接床に置いて歌うこと。これまでずっとカメラの三脚に取り付けて歌ってきたが、会場がマルチビジョンのない北4条広場。5日前に大型のPAを直接床に置いて歌い、まずまずの結果だったことに勇気を得て、思い切ってやってみた。
 専用の支持金具を自作し、自宅スタジオで充分テストしてあったが、予想以上に歌いやすくて驚いた。ハウリング皆無で、集客にも大きな変化はない。今後はずっと床置き式でやれそうな感じがする。

 豪雪と3連休最終日、さらには成人式が重なったせいか、通りを往く人の数は多いが、若い人が中心。私のターゲットである中高年は除雪疲れで、街に繰り出す人は少なかったようだ。
 そんな中での演歌構成は、やや無理があったかもしれない。幸いに「聴き手ゼロ」の時間帯はなかったが、最大で10数人という静かな雰囲気だった。休憩中に浜田さんとも話したが、集客に一喜一憂せず、淡々と自分のペースで演るのがストリートライブの極意、ということである。
(浜田さんは小樽運河で、数百回のストリートライブ経験がある)

 他の2ステージをはさみ、16時45分くらいから第2ステージ開始。奇しくもこの日は、エントリーした3組がすべて音楽系。チカチカパフォーマンスが始まった3年前には考えられなかったことで、ちょっとした音楽ミニイベントの感である。

 第2ステージは趣向をガラリ変え、久しぶりにシャンソンを中心に歌い進めた。予定では全8曲をシャンソン系でまとめるつもりでいたが、4曲を歌った時点で、最初からずっと聴いてくれていた中年夫婦から、突然声がかかる。

「リクエストしてもいいですか?」
「なんでしょう、曲にもよりますが…。シャンソンですか?」
「それが、フォークをぜひ聴きたいです。《ふきのとう》か《かぐや姫》を…」

 虚をつかれた感じがした。この時点で歌い終えていた曲は「ろくでなし」「バラ色の人生」「冬よ来い(オリジナル)」「詩人の魂」。正統派シャンソンである。だが、譜面台に吊り下げた看板には、確かに「フォーク」の文字も書いてある。一瞬迷ったが、せっかくのリクエストなので、応えることにした。
 まずは得意の「風来坊」をフルコーラス歌う。すると、若い人もじょじょに集まってきた。実はオリジナルの「冬よ来い」あたりから、声の調子がだんだんよくなってくるのを感じていて、この曲で一気に気分は乗った。
 出入口そばにある広場は非常に寒く、用心してタイツをはいていたが、それでもギター弾く手が凍えるほど。歌い進むことによって、ようやく体温が上がってきたらしい。

 その後、「あてもないけど」「うちのお父さん」「突然さよなら」と、かぐや姫を3曲続けて歌う。「うちのお父さん」はご主人のリクエストで、5年ぶりにくらいに歌ったが、大きなミスなく演れた。
 奥様の好みはふきのとうで、この2組の歌は多くの場でリクエストを貰う。突然の要請だったが、電子譜面を駆使して対応し、喜んでもらえた。




060 チカチカ☆パフォーマンス44th
   「ターニング」
/2014.1.27



 今月3度目のチカチカパフォーマンスに参加。出掛けにちょっともたついてしまい、会場の北4条広場に着いたのが14時10分。すでに開始時刻を過ぎている。
 今日はジャグリングの弥勒さんとの共演だったが、まだ姿が見えないので、急ぎ準備。14時19分から歌い始めた。

 前々回からPAを床に置くようスタイルを変更したのに伴い、この日は看板やCDの陳列方法などを大幅に変えた。
 PAの下に吊るしていた看板は、始めた頃のように譜面台に吊るしていたが、いまいちスッキリしない。そこでキャリーカートの取手上端から吊るすようにし、CD陳列棚と一体化させて聴き手から見やすくした。
 これまでキャリーカートに止めたパイプ上端に空缶を取り付け、案内状とコイン入れにしていたが、これをスッパリやめ、案内状はCD陳列棚の手前に置き、予備のCDとお釣り用コインは、キャリーカート背面の布袋(マイクスタンド運搬用)に収納。
 CDの売上げ金を入れる箱は、別に折畳式の専用箱をダンボールで自作し、マイク前の目立つ位置に置く。

 第1ステージはオーソドックスな昭和歌謡が中心。およそ30分で以下の9曲を歌った。


「時の過ぎゆくままに」
「池上線」
「恋のしずく」
「白い想い出」
「つぐない」
「男と女のお話」
「抱きしめて」(オリジナル)
「グッドナイト・ベイビー」
「まつり」


 この日の人通りはそう多くなかったが、2曲目くらいから立ち止まってくれる方が出始め、曲を重ねるごとにじわじわと増えた。それに比例してオリジナルCDが飛ぶように売れ、500円のCDに対し「お釣りはいりません」という方が続出。床に置いた作りたてのダンボール箱は、たちまち千円札であふれた。
 うれしかったのは、オリジナルの「抱きしめて」で、人がどんどん増え始めたこと。「いまの歌、このCDに入ってます?」と確かめて買ってくれた方が多数いた。
 ラストまで聴き手は途切れず、およそ30名ほど。持参したCDは在庫が少なくなり、1ステージだけであっさりと過去の売上げを更新した。
 ストリートでは初めて歌った「恋のしずく」「まつり」は、どちらも受けた。介護施設でしか歌ってない曲を、もっとストリートで歌ってみるべきだと思った。

 途中で会場に現れた弥勒さんとバトンタッチ。寒さ対策でこの日もタイツをはいてきたが、それでも寒い。持参した携帯カイロを急きょ腰に貼り付ける。
 休憩をはさんで、15時45分から第2ステージを始める。フォークを切り口に、およそ30分で8曲を歌った。


「季節の中で」
「神田川」
「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」
「風」
「サボテンの花」
「風来坊」
「サクラ咲く」(オリジナル)
「傘がない」


 毎度のことだが、中高年が帰宅を急ぎ始める夕方の時刻は、私にとっては厳しい時間帯である。第1ステージに比べて聴き手は半減したが、比較的若い世代にも受けがいいフォークを歌ったこともあって、まずまずの集客。
 久しぶりにフォークの特集を組んだのは、前回のチカチカパフォーマンスでシャンソンの構成で歌い進むうち、「ぜひフォークを」との突発リクエストが出たことにヒントを得てのこと。千春、かぐや姫、ふきのとう、陽水など、要望の多い歌手はほぼ押さえた。
 ラストの「傘がない」は久しぶりに歌ったが、かなりの人が集まってくれた。さすがにこの曲は強い。

 どのステージでも同じ傾向があるが、人が集まり始めるのは、概ね3曲目あたりから。1〜2曲目は開始を周囲にアピールする「捨て曲」と思って歌い始めるのが無難である。4〜5曲目あたりに自分の得意曲を並べ、ラスト前にオリジナルを歌い、最も強くて盛り上がりそうな曲でラストを締める。
 最近はこのパターンで全体を構成することが多く、この日もその例外ではなかった。新しいセッティングもうまく機能し、当面はこの方向でやっていける自信がついた。今後のチカチカパフォーマンスの方向性を決める、ターニングポイントとなる日であったかもしれない。




061 チカチカ☆パフォーマンス45th
   「悩ましき選択」
/2014.1.30



 今月4度目となるチカチカパフォーマンスに参加。月に4度のパフォーマンスは過去に例がない。この日も当初の予定にはなかったが、枠が空いていいたので、急きょエントリーした。
 3日前の記録的な大盛況が、果たして一時的なフロックであったのか否か?を確かめたかったのがひとつ。2月は雪まつり系イベントで会場枠の割当てが少なく、当分パフォーマンスがやれないこと。さらには、ストレス度が最も少なくすむチカチカパフォーマンス自体を、今年の弾き語り活動の中心軸に据えたいことなど、もろもろの事情が背景にあった。

 この日も会場は北4条広場。3組の共演で持ち時間があまりなく、時間枠を有効に使いたい。ロスを少なくするべく、普段よりもかなり早く家を出た。
 4月上旬の暖かい陽気で、雪はどんどん解け、道路は乾いている。13時40分には会場入りしたが、まだ誰も来ていない。すぐに準備し、余裕を持ってスタンバイした。
 14時ぴったりに歌い始め、およそ30分で以下の9曲を歌う。


「ジョニィへの伝言」
「もしもピアノが弾けたなら」
「恋のしずく」
「花の首飾り」
「男と女のお話」
「抱きしめて」(オリジナル)
「青春時代」
「まつり」
「熱き心に」


 この日も第1ステージは最も受けが良い昭和歌謡でまとめた。当初の予定では「青春時代」で終わるつもりが、次のパフォーマーが会場に現れないので、自己判断で2曲を追加。この追加分を含めたラスト3曲で大いに盛り上がったので、いい判断だったと思う。
 全体としては3日前よりも集客は減ったが、売上げ自体に大きな変化はない。やはりこの方向性で間違いはないと自信を持った。
(あとでまとめてみたら、過去2番目の売上げ記録。つまりは、3日前に次ぐ数値であった)

 ひとつだけミスったのは、ギターの音がPAから出なかったこと。1曲目を終えて気づいたが、原因が分からない。シールドケーブルの断線と思い込み、あきらめて生ギターに徹した。
 持参したオベーションはヤマハよりも生音が劣ると思っていたが、音はそれなり。大きなハンデには結果としてならなかった。怪我の功名というヤツか。

 相次いで現れたジャグラーの方に場を譲り、休憩中にギターのケーブルを調べる。すると、ジャックのRとLを逆に挿していた。モノクロ音源なのでLのジャックに入れるべきで、ちゃんとテープでマーキングもしてある。なのに間違えた。
 記念すべき第1回のチカチカパフォーマンスでも似たような間違いをしでかしたが、またやってしまった。
(帰宅後、あまり使わないRの端子にテープで蓋をした)
 2人のジャグラーのパフォーマンスをはさみ、15時45分から第2ステージ開始。前回はここにフォークを持ってきたが、今回はマニアックなシャンソン系の曲で構成した。前々回にも後半で試みているが、突発リクエストで中断してしまった経緯があり、ぜひとも歌ってみたい気分だったのだ。
 およそ25分で7曲を歌う。


「ろくでなし」
「バラ色の人生」
「冬よ来い」(オリジナル)
「わかっているよ」
「雪が降る」
「夕凪ワルツ」(オリジナル作詞)
「Godfather 愛のテーマ」


 いつものことだが、前半に比べて集客も売上げも激減した。このジャンルは、あきらかにフォークよりも反応が劣る。まあ、後半はいつもこんな感じなので、自分の好きな歌を通りを吹く風のようになって歌う、という気持ちで演るなら、このやり方でよい。
 しかし一方で、前半なみの集客や売上げを期待するなら、ここでも昭和歌謡で臨むべきではないか?とも思う。曲目を大幅入替えすれば、気分も変わる。

 後半のステージをある種の「捨てステージ」のように捉えるのか、はたまた貪欲に集客や売上げを追求してゆくべきか、もう少し試行錯誤してみたいが、今後悩ましき選択になりそうな気配。