045 チカチカ☆パフォーマンス31th
「CD売上げ記録更新」 /2013.4.10
新年度最初、そして第4期最初となるチカチカパフォーマンスを実施した。新ステージ名での初めての活動でもある。予報では午後から雨だったが、そんな気配はない穏やかな日和。
早めに事務局に着くと、この日4組がエントリーしていた共演のパフォーマーは、まだ誰も来ていない。看板2枚をキャリーカートに積み込み、会場の北4条広場へと向かう。
準備中に似顔絵系のパフォーマー2人が相次いで会場入り。もう1人のジャグリングの方の姿が見えないので、少し遅れて14時10分から歌い始めることにした。
この日の第1ステージは、「春の香漂うシャンソン」として、久しぶりにシャンソン系の曲を歌ってみた。(※は初披露)(◎はオリジナル)

「パダン・パダン」
「オー・ソレ・ミオ」
「バラ色の桜と白い林檎の花」※
「独り◎」
「ドミノ」
「野ばら」
「月の沙漠」
「Godfather 愛のテーマ」
「ケ・セラ・セラ」
最初に通りに立ったときから気づいていたが、この日は通りを行く人の数が随分少ない感じがした。人が少なければ、相対的に立ち止まってくれる人も少ない。(今日は苦戦する…)そんな予感が走った。
悪い予感は的中し、歌っても歌っても聴いてくれる人は現れない。初披露の「バラ色の桜と…」で、ようやく離れた場所で立ち止まり、聴いてくれる人がいたが、拍手をくれたあとにすぐに消えてしまう。
喉の調子は悪くなく、めげずに粛々と歌い紡ぐ。気分を変えてみようかと、予定にはなかった「月の沙漠」を歌ってみたが、変化はない。結局予備曲を含めた9曲を30分で歌いきってしまう。

本来ならここで共演のジャグラーの方にバトンタッチするはずだった。ところが、一向に姿が見えない。少し離れた場所に似顔絵の方が2人店を広げていたが、いつものような賑わいはなく、手持ち無沙汰の様子だった。
ちょっと考え、久しぶりに1時間通して歌ってみようと思った。練習はしてなかったが、予備として春系の昭和歌謡を1ステージ分準備している。急きょ第2ステージとして、それを歌うことにした。
「赤いスイートピー」
「花の首飾り」
「花」(滝廉太郎)
「ハナミズキ」
「サクラ咲く」◎
「あなたならどうする」※
「空港」
いつもは受けの良い昭和歌謡に切り替えても、通りの動きに変化はない。唱歌の「花」を除く最初の3曲は、普段なら集客抜群の曲だが、この日に限ってはノレンに腕押しの反応である。
それでも手を抜くことなく、淡々と歌い続けるうち、オリジナルの「サクラ咲く」で何人かの人が近寄ってきた。そのうちの1人の中年女性が、歌い終わるとただちに500円のCDを買ってくれた。「地獄で仏」とは、まさにこのことか。
勇気を得て「あなたならどうする」を続けて歌うと、さらに人が集まってきた。この歌は初披露だったが、自分に合っているかもしれない。気分が乗ったこともあって、これまで歌った中で最高の出来。聴き手にもそれが伝わったのか、バタバタとCDが売れ始める。
「今日は1時間も歌ってダメかと思ってましたが、CDを買ってくださった皆様が、神様のように思えます」と、率直にお礼を言う。
さすがに左手が少し固くなってきたので、「空港」を歌って終わりとさせていただいた。

15分ほど休んだが、共演のジャグラーの方はまだ現れない。思いがけずCDが5枚も売れたので、切り上げてしまおうかと一時は考えたが、少し休んだら残り1ステージ分のセットを試してみたくなった。
気を取り直し、15時25分から第3ステージとして以下の6曲を歌う。
「夜空の笛」※
「悲しき願い」※
「ダンシング・オールナイト」
「バス・ストップ」
「寂しくなんかない」◎
「抱きしめて」◎
初披露の2曲は場に馴染む感覚はあったが、相変わらず通りは閑散としていて、人が立ち止まる気配はない。動きがあったのは「ダンシング…」を歌い始めてから。
何人かが立ち止まって聴いてくれる。続けて歌った「バス・ストップ」でさらに人は増えた。女性目線のバラードだが、この曲も自分に合っている気がする。そこが人の足を止める所以。結局のところ、自分に合った曲をいかに見つけ出して歌うか、である。

「バス・ストップ」を歌い始めるとピタリと立ち止まり、熱心に聴いてくれる中年男性がいた。最近は聴いてくれる人がいてもいなくても、歌唱そのものに大きな差はなくなりつつあるが、やはり聴き手が一人でもいると、張り合いがあるというもの。
不思議なもので、一人が立ち止まると、別の人も集まってくる傾向にある。よく言われる「サクラ」という意図的なやらせ行為は、実際にかなりの効果があると感じる。(私は意図的に使ったことはないが)
歌い終わるとかの男性、さらに近寄ってきて「いくつ?」と尋ねてくる。この種の問いに対する最近の答えは決めてある。
「還暦シンガーです」
相手は勝手に60歳前後と解釈したようだが、それでいいのだ。以下、相互のやり取り。
「いや、実はオレもこの歌が大好きでさ、いわゆる「十八番」なんだ。昨日もカラオケで歌ったばかりよ。まさかこんな場所で聴けるとはね」
「それは失礼しました。同年代ですよね?」
「58」
私よりも5つ下だが、黙っていた。
「ところで、メロディを微妙に変えて歌ってない?」
「え〜、カラオケでは10年以上も歌ってないんで、よく分からんのです…」
自分では原曲通りに歌っている気でいたが、どこか変えてしまっているのかもしれない。
(あとでYouTubeで確かめたら、Bメロの「どうぞ口を…」の「を」の箇所を下げずに歌っていた。完全に自己解釈で、指摘は正しかった)
それじゃ、と男性は去ってゆく。ありがとうございます、と頭を下げて見送る私。CDは買ってくれなかったが、こうした通りすがりの方との一期一会のふれあいは、路上ライブならでは。他のライブにはない魅力である。最近はこうしたやり取りを、積極的に楽しめる心境になってきた。

二人のやり取りを遠くで見ていた別の男性がいて、会話が終わるのを見計らったように姿を消したが、次にオリジナルの「寂しくなんかない」を歌い始めると、通りの向こうからまた戻ってきた。
今度はその男性が熱心に目の前で聴いてくれる。歌い終わると、「いまの歌、どのCDに入ってる?」と尋ねる。出来たばかりで、どのCDにも入ってません。では、入っているのを歌いますと、「抱きしめて」を続けて歌った。
実はその男性、市内で芸能関連プロダクションを経営しているという。その場でいろいろな話をし、身に余るような評価をいただいたが、勘違いしないよう我が身を戒めつつ、ありがたく受け止めておきたい。
ラストのオリジナル2曲で、CDがかなり売れた。あとでまとめてみたら、13枚持参したうち、10枚が売れていた。(500円×4、200円×6)終了間際に来てくれた知人のKさんも含め、2枚まとめて買ってくださった方が複数いた。
当初は過去最低の記録更新も覚悟していたが、終わってみれば逆に記録更新である。ストリートでは何が起こるか、やってみるまで分からない。
「流れる風になった気で淡々と歌う」
ストリートの極意ともいえるそんなことを改めて感じた。
