039 チカチカ☆パフォーマンス25th
「自由気ままなスタイル」 /2013.1.19
今年初めてのライブとして、チカチカパフォーマンスを実施。実はエントリーしたのは前日夕方という、ギリギリの際どいタイミングである。それもそのはず、押し寄せる仕事の波と大雪の始末に忙殺され、腰は悲鳴をあげ、喉からは軽い違和感がずっととれない。
直前で体調不良を理由に、キャンセルすることは簡単だった。なにせ自由気ままなソロシンガーである。しかもライブはいわゆる誰かに頼まれた「依頼型」ではなく、あくまで自らの意志による自主企画ライブの位置づけだ。
しかし、これまでエントリー後のキャンセルは一度もない。これはちょっとした誇りでもあった。前日の大雪も峠を越え、比較的穏やかな天気に恵まれた。気温も零度近くと、この時期にしては高め。
迷ったが、本番のライブからは1ヶ月近くも遠ざかっている。ちょっとしたリハビリも兼ねて、やはり歌いに行こうと決めた。
渋滞を用心して、開始時刻より1時間半前に家を出る。幹線道路を選んだこともあって、ちょうど1時間で都心に着いた。
この日は「次回やるときは必ず連絡を」と事前にメールがあったKさんが来てくれた。Kさんとは昨年、チカチカパフォーマンスの聴き手として知り合った。私の活動をネットで知り、興味を持って観にきてくれたのだ。
その後半年近くが過ぎ、また私の歌を聴きたくなったという。嬉しい話である。
会場は南端の北大通広場で、午前中からパフォーマンスしていたフリーバスケットグループとの話し合いで、14時半から演らせてもらうことになる。
この日は気分を一新し、聴き手はあまり意識せず、自分の歌ってみたい曲を中心に極めてマニアックな構成で臨んだ。およそ30分で以下の9曲を歌う。(※は初披露)
「Without You」※(オリジナル訳詞)
「どうぞこのまま」
「人形の家」※
「イエスタディ」※(オリジナル訳詞)
「夢咲く街 チ.カ.ホ」(オリジナル)
「異邦人」
「シンプル・ラブ」※
「オリビアを聴きながら」
「抱きしめて」(オリジナル)
私のシンパシーともいえるKさんは別にし、立ち止まって拍手を貰えたのは「人形の家」くらいだった。喉の調子は70%ほどだったが、声が途切れるような致命的なミスはない。歌としてはまずまずの出来だったと自負している。
しかし、これだけ馴染みの薄い曲を並べると、さすがに人は集まらない。加えてこの日は中高年の姿が極端に少なかった。中高年を主なターゲットにしている私にとって、これは厳しい条件だった。
無理もない、終末とはいえ、連日の大雪で中高年は除雪に疲れ、外出を控えているのだろう。当の私でさえ、演るかどうか直前まで迷ったほどだ。
結果として第1ステージで売れたCDはゼロ。これはある意味で予期していた通りだった。
CDを手にとってくれた方は数名いたが、特にMCで販売告知はしなかった。まるで商売下手である。聴き手に全く媚びずに勝負すると、一体どんなことになるのか?この日のテーマは、そんな大それたものだった。
15時40分から第2ステージ開始。シャンソン系の歌を中心に構成し、やや耳障りのいい曲を並べた。
「ろくでなし」
「オー・ソレ・ミオ」
「バラ色の人生」
「独り」(オリジナル・作詞/まりりん)
「詩人の魂」
「かなりや」
「もっと」(オリジナル)
「幸福を売る男」※
第1ステージと打って変わって、1曲目からいきなり人が集まってきた。その数7〜8人ほどか。大半が中年女性だが、聴き手は実に正直だ。
オリジナルの「独り」を歌い終えると、そのうちの一人がCDを買ってくださった。この日は4曲のオリジナルを歌い、2曲のオリジナル訳詞を披露したが、全体的に閑散とした気分の中だったので、評価は難しい。
それでもオリジナルを歌った直後に、「いまの歌、CDに入ってます?」と確かめてから買ってくれたので、ちょっとした救いではある。
このステージでは、Kさん以外にも最初から最後まで30分間、ずっと聴いてくれた見知らぬ中年女性がいて、これまた大きな救いだった。
「真剣に聴いてくれる聴き手が一人いれば、ライブは成立する」が持論なので、その一点では満足すべき一日だった。
ただ、今後もこうした「好き勝手方式」で演るかどうかは、しばし考えてみたい。デザイン系の仕事がそれなりに増えれば、「CDを数多く売って小銭を稼ぐ」という、ある種さもしい目論見も意味が薄れてくる。
状況の変化に伴い、歌のスタイルも微妙に変化する。それでいい。