街角100ライブ
034 チカチカ☆パフォーマンス20th
「聴き手は時に冷酷」 /2012.11.8
11月最初のチカチカパフォーマンスで歌った。11月は下旬に集中して札幌市のアート関連イベントが多数あり、割当て枠は極めて少ない。上旬の過密スケジュールを回避しつつ、2回のパフォーマンスをエントリーした。今日は相性のよい北4条広場が会場。先月初めてオリジナルCDを販売し、5枚も売れた場所で時間帯も同じ。唯一違っているのは平日であること。(前回は土曜に実施)
数日前からの天気予報は雨だったが、昨日になって曇りに変わり、今日は見事な秋晴れの空が広がっている。相変わらずの晴れ男だ。出かける直前の気温は15度を突破し、この時期としては暑いほど。暑さの中のライブは要注意であることを思い知ったので厚着は避け、長袖シャツにベストという軽装にした。
この日は同じギター弾き語りのLOVERSSOULさんとの共演だったが、互いのタイムロスを最小限にするべく、事前にメールで詳細なタイムテーブルを打合せ、パフォーマンス用の案内板運搬担当も決めた。13時50分に会場に入り、14時ちょうどから演奏開始。お店の改装で長めの休暇を貰っている妻がつきあってくれ、最初の数曲だけ会場にいて写真を撮ってくれた。
その後妻は近くのデパートに消え、一人で黙々と歌い続ける。季節が秋ということもあって、今日は第1ステージを久しぶりにシャンソン系の歌で構成してみた。
「サン・トワ・マミー」
「わかっているよ」
「サンタルチア」
「ケ・セ・ラ・セラ」
「雪が降る」
「独り」(オリジナル)
「月の砂漠」
「かなりや」
「ヘイ・ジュード」
歌いだすとすぐに人が集まってきた。数は10人前後で多くはないが、みなさん熱心に聴いてくれる。この日は改造したCDスタンドで5枚のオリジナルCDを並べたが、3曲ほど歌うと早くも買ってくれる方が現れた。
その後、歌うごとにパタパタとCDが売れ、陳列棚が途中で空になってしまい、あわてて補充したほど。30分で5枚が売れた。どの曲にも平均した反応があったが、特に人が増えたのは「雪が降る」から「月の砂漠」までの3曲。反応が強いとCDも売れる。この相関関係ははっきりしたものだった。
最後は「マイウェイ」で終えるつもりでいたが、「月の砂漠」で聴き手が20人を突破してしまったので、「このような歌をもっとお聴きになりたいですか?」と思わず問うと、多くの方が頷く。急きょ予定を変更して、似た傾向の「かなりや」を歌った。
これまで唱歌系の歌はおしなべて反応が弱かったが、構成次第ではちゃんと聴いてくれることを知った。おそらくはそれ以前に歌った叙情的な洋楽からの流れが自然だったのだろう。大きな収穫である。14時半にLOVERSSOULさんにバトンタッチ。前回同様、ステージは他のパフォーマーと干渉しない広場最北端の壁際に設定したので、互いの時間ロスはゼロで引き継げる。
15時から第2ステージ開始。「今日は通行人が少ない」とLOVERSSOULさんが休憩時に言う。3日続けてチカホで歌っているそうで、違いがはっきり分かるという。久しぶりに晴れたので、地下を歩く人が減るのもうなずける。第2ステージでは昭和歌謡を中心に30分で8曲を歌う。(※は初披露)
「夢の途中」
「待つわ」※
「白い冬」
「グッドバイ・マイ・ラブ」※
「抱きしめて」(オリジナル)
「五番街のマリーへ」※
「舟唄」※
「天使のウィンク」※
第2ステージでは初披露5曲という大冒険を試みた。偶然だが、これが全て女性歌手の曲。イベント系の場ではないので、受ける受けないは全て自分に帰着する。手堅い曲を並べるより、新しい曲がどの程度受け入れられるのか、どうしても確かめたかった。
時間の経過もあって聴き手は半減したが、反応自体は全体的に悪くはない。唯一計算外だったのは、ド演歌の「舟唄」。歌い始めたとたん、かなり集まっていた聴き手が次々に消えた。好きな歌で季節にも合っている。歌唱にも自信はあったが、結果的に外してしまった。
続けて歌ったラストの「天使のウィンク」では一気に聴き手が復活したので、第2ステージ8曲のなかで、「舟唄」だけが流れに沿ってなかったのだろう。何者にも束縛されていない通りすがりの聴き手の判断は時に冷酷だが正直、つまりは的を射たものである。これだけでもストリートで歌う価値がある。第2ステージでもCDが1枚売れた。何とこの方が大阪からの旅行者で、趣味で各地のストリートシンガーを探訪し、ブログにも記しているそうである。いろいろな巡り合いがある。そこもストリートライブの得難い魅力。
結局1時間でCDが6枚売れ、あっさり記録を更新した。多めに準備していって正解。来週もまたチカホで歌う。
035 チカチカ☆パフォーマンス21th
「売れ続けるCD」 /2012.11.14
11月2度目のチカチカパフォーマンスを実施。未明からずっと雨だったが、例によって朝になるとピタリ止む。
会場は南端の北大通広場。この日は3組のパフォーマーによる共演で、進行がシビアになりそうな予感がしたが、13時45分に事務局に着くとまだ誰も会場入りしていない。手続きを済ませ、一人で看板2つを抱えて遠い広場へと向かう。地下歩行空間は「アートステージ」というイベントの真っ最中。通りのあちこちに前衛的な作品群が並んでいる。さすがに広場はいつもどおりの佇まいだった。
共演のジャグリングのアッキーさんがなぜか会場にいる。この広場でやるのは初めてらしく、事務局で手続きする前に、まずは場所の確認に来たとのこと。打合せで私がトップでやることに。設営に少し手間取って、14時4分から歌い始める。最近は電子譜面を搭載した中華Padの時計を見て歌っているので、時間は正確に把握できる。
3組の共演なので安全を見てセットは曲数を減らし、およそ22分で以下の8曲を歌う。
「サン・トワ・マミー」
「ドミノ」
「サンタルチア」
「ケ・セ・ラ・セラ」
「雪が降る」
「独り」(オリジナル)
「月の砂漠」
「Godfather愛のテーマ」(初披露)
構成は6日前の第1ステージとほぼ同じで、シャンソン系の洋楽が中心。変えたのは2曲目とラストだけだ。前回は手応えのあった構成なので、この日も大いに期待していたが、反応はいまひとつ。
1曲目で10人を越す人がどっと集まってきたが、2曲目でなぜか大半が消える。前回も2曲目でかなりの人が消えた。「サン・トワ・マミー」があまりに強すぎてその反動かもしれないが、どの構成でも2曲目には悩む。今後の検討課題だ。「サンタルチア」を歌っている途中、中年女性が近づいてきて案内状を入れてある缶にコインを入れ、CDを買ってくれた。曲の切れ目で売れるのは過去にもあったが、歌の途中はさすがに初めて。
お釣りは不要だったので、間奏中に「ありがとうございます」と短く言って頭を下げたが、他の聴き手に対してこれでよかったのか?その後も聴き手は常時10人前後はいたが、反応は前回に比べていまひとつのように感じた。売れたCDも1枚だけで、それを裏づけている。
そのせいではないが、初披露の「Godfather愛のテーマ」では、ラストで半音転調し、B♭mで終る部分でセーハが甘く、音が少しビビってしまった。ただ、この曲はタイトルを紹介した時点で歓声が上がった。もう少し歌いこめば使える曲になることは間違いない。終了後の待ち時間で、反応が弱かった原因をいろいろ探る。思い当たったのは歌った場所で、節電の大号令でスポットライトが消された暗い位置だった。以前に若い方から「通りからもっと目立つ場所で歌っては?声だけでは分かりませんよ」とアドバイスされたことがある。
この日はいつも歌うライトの直下に、マンションの大型広告が掲示してあった。歌う位置をずらした理由がそれ。
(広告を背に歌うことは事務局から禁じられている)そこで第2ステージはこれまで歌ったことのない広場の外れに移動した。光の当たり具合を入念にチェック。15時20分から24分で以下の8曲を歌った。
「時の過ぎゆくままに」
「待つわ」
「白い冬」
「グッドバイ・マイ・ラブ」
「抱きしめて」(オリジナル)
「ジョニィへの伝言」
「天使のウィンク」
「愛燦燦」
後半も6日前に準じた昭和歌謡中心の構成だが、1曲目とラストを変えた。前回ラストで歌った「天使のウィンク」をひとつ前にずらし、「舟唄」を「愛燦燦」に差し替えたが、結果としてこの構成は当たった。
聴き手は10人前後でそう多くはなかったが、全体的に反応がよく、3曲目あたりで早くもCDが売れた。オリジナルの「抱きしめて」を歌っている途中には何と2枚も売れた。歌は止めずにそのまま続け、歌いながら会釈だけしたが、このあたりの場のつなぎ方は何とも難しい。「愛燦燦」でも曲紹介の時点で歓声が上がる。これ以外にも、途中でいろいろ声をかけてもらった。聴き手とのコミュニケーションのとり方も、かなり板についてきた感じだ。
終了後にもCD2枚が売れる。一人の方は千円札を出し、「お釣りはとっておいて」という。実は先週も同じことがあった。これは驚きだ。
(すべて事務局に申請し、源泉税10%を支払っています)
結果として6日前と同じ6枚のCDが売れた。手持ちが5枚に減ったので、また新たに増刷する必要がある。自分でも信じ難いが、嬉しい悲鳴である。