白石イベント広場・昭和レトロ〜歌と紙芝居の集い
「荒天でも盛況」 /2017.10.30
かねてから準備していた白石区役所まちづくりイベント広場での自主企画ライブの日だった。今年の1月と4月にもソロライブを企画実施したが、今回はときどき一緒に演っている紙芝居&朗読の田中さんとのコラボ企画で、名づけて「昭和レトロ〜歌と紙芝居の集い」。
今年6月に札幌地下鉄琴似駅パトスでも同種のコラボ企画に参画しているが、その際の企画責任者が田中さんで、今回はその「お返し企画」のような位置づけだった。
あいにく台風が日本列島を縦断中で、北海道への直撃は免れたが、その余波で外は激しい雨に強い風が吹き荒れ、時折アラレが混じるという荒天。先週も別の台風に襲われ、必死の思いでライブをこなしたばかりなのだが…。
先週は依頼型ライブだったが、今回は自主企画型なので、やるやらないを含めた判断責任がある。田中さんとは直前に連絡をとって実施を確認していた。
早朝にやるかどうかの問い合わせを一件受ける。会場が地下鉄直結の地下広場なので、天候の直接的影響はない。そこは大きな救いだった。
会場の空きの都合で、予約時間は前2回より30分遅い13時半。早めの昼食を済ませて12時半に家を出る。今回も撮影係として妻が同乗した。
13時に区役所に着き、窓口で使用許可書を提示して確認を得る。田中さんがすでに会場入りしているらしく、広場横にある物品倉庫の鍵は引き継ぎが済んでいた。
地下2階にある会場に入ると、直前の使用者はすでに撤収済みで、早めの13時15分から設営を始めることになる。
過去2回はバッテリを持参したが、今回は事前の届け出で、会場内の交流電源を使わせてもらうことになる。椅子も含め、多くの備品を無料で貸していただけるのでありがたい。
前回と同じく、カフェを背にして中央の通路をはさんで椅子を3つずつ左右に3列並べる。その後ただちにそれぞれの機材設営を開始。開場は13時半で開演は13時45分だが、開演前にお客さんが次々に入ってきて、並べた18脚の椅子がほぼ埋まってしまった。
急きょ椅子を後ろや左右に追加。準備が整ったので、開演2分前から挨拶をかねてこの日のスケジュールを案内する。13時45分ぴったりに拍子木が鳴って、田中さんの紙芝居が始まった。
田中さんの演目は「池にうかんだ琵琶」。昨年後半に自宅で転倒して体調を崩し、しばらく活動を休んでいて、今年6月からリハビリをかねて再開したばかり。
以前はノーマイクで朗々と語っていたが、今回は私が準備したマイクを使った。状態としてはまだまだ100%とは言えないが、私よりも6つ年上で、さまざまな持病を抱えつつも活動を続けている。その気概、ぜひ見習いたい。
20分くらいで終わって、私と交代となる。マイクスタンドはそのまま使えるので、転換は紙芝居のセットを横に移動させるだけで終了。正味1分ほどか。
前半はいつも通り、私のセレクションで進めた。過去のデータから場の嗜好を考慮し、演歌系洋楽系は各1曲とし、フォーク系を中心に30分で8曲を歌う。
「冬が来る前に」
「池上線」
「風来坊」
「氷雨」
「Godfather愛のテーマ」
「真夜中のギター」
「今日でお別れ」
「熱き心に」
ここ数日喉の調子はよかったが、明け方に不意の咳で目覚めてしまい、ヴィックスでどうにか凌いだ。まだ風邪の影響が多少は残っていたかもしれない。
幸いに声はまずまず出たが、先日の突発性難聴の影響なのか、左側に置いたPAの音がいつもより聞き取りにくい気がした。
30名近くも集まった聴き手のせいで音が吸われてしまうのかと、ボーカルのボリュームを少し上げたが、5曲目の「愛のテーマ」を歌い終えた直後に、会場の係員から「ボーカルの音を絞ってください」と、たちまちダメ出しが出てしまう。
係員の手には騒音計が握られていて、どうやら会場の騒音規制値(最大80dB)を超えてしまったらしい。ギターの音は問題ないそうなので、あわててボーカルを絞って元の位置に戻す。普段と違うことを安易にすべきではない。
予定通り14時35分で前半を終える。広場のある地下2階にはトイレがなく、エレベーターで1階まで上がる必要がある。休憩は長めの10分とした。
後半開始前に準備の終わった田中さんが場つなぎとして、自分の活動歴などを語り始める。もともとが教育畑の方なので、話術は巧み。皆が聞き入るうちに後半の開始時刻となる。
田中さんの後半は、菊池寛の「恩讐の彼方に」。過去に何度も演っている得意演目だ。時間と共に聴き手はじわじわと増え、席がまた足りなくなったので、ボランティアの方と共に追加する。イベント中のやり繰りが自在なのは、コラボ企画の大きな利点だ。
15時15分で田中さんの紙芝居が終わる。ただちに転換して後半のリクエストタイムへと突入。30分で8曲を歌った。
「カントリー・ロード」
「わかって下さい」
「冬のリヴィエラ」
「面影橋から」
「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」
「恋の片道切符」
「愛の讃歌」
「めまい」
実は休憩時間中に募ったリクエストの動きがなぜか鈍く、「わかって下さい」の1曲のみ。「カントリー・ロード」は6月の琴似駅パトスで演ったイベント終了後にいただいた持ち越しリクエストだった。
リクエストが途切れた場合を想定し、5曲程度の予備曲を別枠で必ず準備する。それでつなぐことも頭に入れつつ、いつもなら省略する部分をフルバージョンでゆっくり歌っていたら、中程から動きが急に活発になり、続々とリクエストが出始める。
6曲歌い終えた時点で、終了時刻まで5〜6分。1曲では時間が余り、2曲では足りなくなるかもしれない微妙な時間だ。その旨を場に告げると、バタバタと続けてリクエストが出る。
共に省略しにくい曲だったが、幸いに3分ほどの短い曲。ギリギリまで粘ってどうにかこなしたが、結果として予定を1分オーバーしてしまった。
終了後、未知や既知の方から多くの声をかけていただく。1年以上もお会いしてなかった方も来てくださった。たくさんの差し入れもいただいた。
「カフェとかでは歌われてないのですか?」と、初めて聴いたという同年代の女性から問われたので、最近になって不定期に歌い始めたカフェでの今後の予定などをお伝えする。
「ここでまたXmasライブをぜひ演ってください!」とも請われたが、12月はすでに介護系ライブで予定が埋まりつつあり、とても無理だ。
思いがけない荒天で集客には一抹の不安もあったが、終わってみれば前2回と変わらぬ盛況。イベントとして、ある程度定着した感じはする。
自主企画ライブは負担が大きいが、その分依頼型では得られないふれあいや収穫が数多くある。ある程度の比重で今後も続けてゆきたい。