チカチカパフォーマンス 第6期オーディション/2014.3.16
第6期チカチカパフォーマンス・オーディションを息子と共に受けた。開始は14時だったが、休憩をはさんだ後半のオープニング担当だったので、タイムスケジュールによる割当ては15時45分から。自宅で簡単なリハを済ませ、会場入りは14時45分ころだった。
受付けを済ませると、顔見知りのパフォーマーから、「菊地さん、特別枠認定受けてましたね」と声をかけられる。一瞬何のことかと思ったが、冒頭の審査委員長挨拶で、その旨発表があったという。
実は一昨日、責任者の方から同様の内示がメールであった。特別枠認定を受けると、むこう2年間はオーディションなしで活動できる、という特権を得られる。だがそれはあくまでソロ活動での話。息子がサブボーカルに加わる場合の扱いを確認すると、やはり参加費を払って、正式に受けて欲しい、とのことだった。
パフォーマンス開始と同時刻に事務局から全メンバー宛に正式なメールが届いていたことをあとで知ったが、「特別枠認定」の要件は、以下の2つを同時に満たすことだった。
・各期の半年間に4回以上活動
・過去直近5期(2年半)の活動回数合計が50回以上
活動回数には、実証試験や菊まつり等の関連イベントは含めない。該当はわずか5組で、(こんなに自分が演っていたのか…)と聞かされて一瞬驚いたが、ちゃんと51回演っていた。
特別枠認定は「過去のチカチカパフォーマンスに対する貢献度が高い」という、ある種ご褒美のようなもの。地道に続けてきた活動が報われたようで大変うれしく、そしてありがたく思った。
あくまでソロでの扱いとはいえ、開始前からやや拍子抜けする感じもしたが、気を取り直してオーディションに臨んだ。歌ったのは以下の3曲。
「恋のバカンス」…昭和歌謡の定番(時間の都合で1番のみ)
「夢咲く街 チ.カ.ホ」…チカホのイメージを歌ったオリジナル曲
「まつり」…最近は介護施設で大人気の演歌
オリジナル以外の2曲は昨秋の介護施設ライブで息子と歌ったばかり。不安はなかったはずが、1曲目で息子のボーカルが小さいのが気になった。過去のイベントでも同様のことがあり、モニタスピーカーのない場に慣れていない息子は、どうしても声を遠慮してしまう傾向がある。
途中で指示は出せないので、二重唱の部分は私が抑え気味に歌った。あとで息子に聞いたが、出だしでは珍しく足が震えたそうだ。200人近い聴き手を前に、多少臆するところがあったのかもしれない。
2曲目以降はやや持ち直した感じだったが、ラストの「まつり」で場の手拍子・かけ声がやや少なく、介護施設ほどの盛り上がりに欠けたのが気になった。
時間通りに終えて他のパフォーマンスを見届け、19時半のJRで帰る息子と応援の妻は先に食事に向かう。終了後の結果発表と講評を聞くため、私だけ会場に残った。
やがて発表時間となったが、審査委員が一向に現れない。審査がもめて長引いている、との情報が入って、居残っていた受験者が色めき立つ。
(継続パフォーマーで、脱落者が出るのでは…)
10分遅れで発表があったが、音楽系の新規受験者は、私と息子のユニットを含めた3組全員が不合格。他の舞踏系など2組が、半年間限定の条件付き合格。審査対象9組のうち、無条件合格は、継続パフォーマーが中心の4組のみ、という厳しい結果となった。
私と息子のユニットでは、「ソロとしてのパフォーマンスをユニットが超えていない」との講評である。息子との反省会でも、なるほどと納得。楽器なしの単なる部分的なサブボーカルでは物足りなく、さらにはバランスをとるために互いが遠慮してしまった点を、厳しく見ぬかれていた。
その他、特に音楽系の受験者に対し、「趣味の発表会の場とは違う、ということを認識して欲しい」との厳しい指摘があり、さらには「非日常を演出するパフォーマンスとして、衣装を含めたスタイルにも充分配慮を」との要望もあった。
うれしさ半分の結果となってしまったが、「ユニットとしては不合格だが、帰省した息子さんが、菊地さんのソロにときどき加わるのは、構いませんよ」との温情も審査委員長からいただいた。
向こう2年間のソロ特別枠認定と、ユニットとしての初参加が同時期に重なったという難しさもあったように思える。今後どのように活動すべきか、じっくり考えてみたい。
オーディションから1日経って頭を冷やし、「ソロでのパフォーマンスを、ユニットが超えていない」という講評をずっと考え続けたが、褒められたのかケナされたのか、いまひとつ釈然としない。
ソロで歌い続けてきたのは他でもないこの私で、仮にそのパフォーマンスを量的に置き換えて「1」としよう。このパフォーマンスを私と息子のユニットが超えていない、ということは、「1」に達していない、つまりは1以下(0.8とか0.9とか)であるということなのか。
手前味噌の褒め言葉で考えるなら、「それほどアナタのソロパフォーマンスは秀でてますよ」となろう。2年間オーディション免除の恩恵を受けた背景の一面も、おそらくそのあたりにある。
ところが、ユニットの半分を構成しているのも、他ならぬこの私。リードボーカルやギター演奏、編曲構成面などで、ユニットにおける私の比重は大きく、数字でいえば70%ほどか。それがソロを超えられないということは、「自分の敵は自分自身だった」ということにもなりかねない。
ユニットとしてのパフォーマンスはかくも難しい、とも言えそうだが、ではどう工夫すれば、せめて「1+1=1」、つまりは、ソロなみのパフォーマンスをユニットで得られるのか、現時点ではちょっと分からない。
そもそもユニットで「1+1=2」のパフォーマンスを獲得している例は、ほとんどないのではないか?プロでも、「1+1=1.5」くらいがいせいぜいではないのだろうか…?
冷静に判断して、今回は父子で歌うことで、聴き手にある種の「物語」を期待していた甘さがあったようにも思う。介護施設系や家族系の場であれば、この「物語」がプラス方向に作用し、熱い聴き手の支持が得られる。
ところが、第三者の評価となるオーディションのような場では、この「物語」が全く作用せず、審査員の目には逆に物欲しげに映ってしまう可能性すらある。
当面はユニットでの活動をこれまで通り、介護施設系や家族系の場に限定するのが無難かもしれない。路上系の場では息子の助けを期待せず、ソロでの活動に磨きをかける方向となりそうだ。
第三者の評価を得て、自分の目指すべき方向が、より鮮明になった。ユニット不合格は、ひょっとすると天の啓示であったか。