歌酔倶楽部ありがとう・MJ "ひっそり賑やかに"/2010.11.28
7ヶ月ぶりに、なじみの居酒屋ライブハウスでの定例ライブに参加。この夜のエントリーは13組で、私の出番は9番目。今回は音楽仲間の西やんと二人で洋楽を2曲やった。
ビートルズの「オブラディオブラダ」とオールディズの「カレンダー・ガール」で、フォークが主体のライブハウスではちょっとした冒険だが、過去に洋楽を歌った人は皆無ではなく、ニギヤカ手拍子系が似合う場なので、それに相応しい選曲とした。
歌詞も英語はサビの部分だけとし、他は聴き手に親近感をより多く持ってもらうべく、原曲に沿ったオリジナル訳詞で臨んだ。
「オブラディオブラダ」(オリジナル訳詞)
「カレンダー・ガール」(オリジナル訳詞)
この日は昼間に別の高齢者対象のライブをこなしていたので、気力体力の維持には厳しいものがあった。買いたての新しいデジカメで動画を記録したが、よく見ると頬がゲッソリしているのが分かる。出かける前に妻にもそのことを指摘された。しかし、本番が始まると、うまく気持ちが乗った。喉の好調が持続していたことも幸いした。
西やんとは事前に自宅で音合わせをしていたので、大きな問題なくやれた。いつのもように練習と本番とでは微妙に音の作りが違う。場の空気で自然に変わってしまうのだ。しかし、それでいいと思う。
2曲とも出だしからいきなり手拍子をいただいたが、この日は全体的に手拍子の出る歌が多かった。昼間のライブもそうだったが、多くの場では明るく楽しい手拍子系の歌を求めていることを悟った。
私の得手とするナキの入った叙情系の歌も決して悪くはないと思うが、時と場を選ぶべきであろう。歌い手としては場の空気を敏感に感じ取り、時に応じた臨機応変なさばきが不可欠である。
YouTube動画を見ていただくと分かるように、今回は実戦で初めてブルースハープ(ハーモニカ)とフットタンバリンを同時に使った。いわば初の「マルチ演奏」だが、短い準備期間の割には、だいたいうまく運んだ。
ハーモニカは自分では失敗と思っていたが、動画を見る限りでは大きなミスはない。フットタンバリンは出だしとハーモニカの部分がなぜか「前打ち」(小節の始まりにリズムを切ること)になってしまったが、多くは会場の手拍子に合わせて「後打ち」でやった。
ちなみに、昼間の高齢者対象ライブで歌った「真室川音頭」では場に合わせ、ちゃんと前打ちでやっている。これまた場に応じた臨機応変な対応か。
ボーカルでの反省点は、ラストのサビで思わず力んでしまい、やや音程がブレたこと。まだまだ修行が足りない。反省点はさておき、大きな冒険を重ねた今回のライブは、今後の新しい方向性を確認できる有意義なものだった。
この夜は換気の死角ゾーンになっている店のステージ側が禁煙席に設定されていて、紫煙の苦手な私にはありがたかった。「飲み放題」の飲物にノンアルビールもあったりし、全体的に昨今の幅広い嗜好に対応しようとする店側の誠意を感じた。
特筆すべきは、初参加の男性二人女性一人の変則ユニットで、まるでバズーカ砲を思わせる迫力ある女性ボーカルに圧倒された。歌はなんと拓郎の「落陽」で、そもそも女性がこの歌を歌うこと自体が稀。長くプロのボイズトレーニングを受けているそうで、伸びやかで確かな声量はその成果かもしれないと本人が語っていた。
学ぶべきことは数多く、そして果てしない。少しばかりの賛辞で勘違いし、向上心を失ってはならない。いろいろな意味で刺激になった一夜であった。