わっか・シャンソンライブ/2010.3.20
近隣のカフェでのシャンソンライブに参加した。昨年春に開店したばかりの店だが、夏に実施されたシャンソンライブを聴きにいったのが縁で、主催者のNさんと懇意になった。その後何度か行き来しているうちに、3度目の開催となる今回、歌い手の一人として出演を依頼された。
ライブ前夜は妙な時間にうたた寝をしたので、なかなか寝つけず、その反動で朝が眠かった。しかし、午後2時開始なので、早めに起きないと声がでない。飛び起きてすぐにリハーサルその他の準備をする。
案内状を送ったまま、しばらく返信のなかった遠方のK子さんから前日連絡があり、体調が回復したので、急きょ参加とのこと。最寄りの駅はカフェのすぐそばなので、まずはその方をJRの駅まで迎えに行った。
会場のカフェに着くと、出番の早い方がすでにリハーサルの真っ最中。私も機材を運び込んだが、調べてみると照明は充分で、セットの必要がないことが分かった。事前調査がやや甘かったことを反省。
Nさんの依頼で今回はPA担当だったので、いろいろ準備してきたが、マイクを使う方も結果として私一人。何だか拍子抜けしたが、邪魔なので使わないものはすべて車の中に片づけてしまった。
ほほ予定通り、午後2時過ぎからライブ開始。店内は満席の25名強の聴き手で熱気に包まれている。主催のNさんは私よりやや年長だが、いつも時間はピッタリ正確に合わせてくる。几帳面な私に運営法がよく似ていて、好感がもてる。
最初は赤間らんじゃさんの歌とOさんのアコーディオン伴奏で、ややマニアックなシャンソンを4曲。アコーディオンがNさんに代わって、さらに2曲。5分の休憩後、Sさんによるエレキアコーディオンの不思議な音色が4曲続く。
最初に伴奏したOさんは今年83歳になるそうだが、非常に達者である。60歳の私など、まだ若造に過ぎないかもしれない。よい刺激になった。
2時55分から私の出番になり、以下の6曲を順に歌った。
「奥様お手をどうぞ」
「蘇州夜曲」
「パダン・パダン」
「ろくでなし」
「ラ・メール」
〜アンコール
「さくらんぼの実る頃」
持ち時間は25分だったのでMCは極力少なくし、歌唱中心でトントンと歌った。6曲中5曲はシャンソンの定番曲で、メリハリと季節感の都合で、1曲だけ日本の曲を入れた。
大きなミスはなく、途中ピッキングが怪しくなりかけた「蘇州夜曲」は、2番を飛ばしてうまく凌いだ。
「パダン・パダン」と「さくらんぼの実る頃」には、かなりの手応えを感じた。終了後に身に余る言葉を見知らぬ方からもかけていただいたが、中でもこの2曲はやはり評判がよかった。
実は「さくらんぼの実る頃」は2週間ほどしか練習していない。さくらんぼの実に人生を重ね合わせた、いかにもシャンソンらしい歌で、最初はなかなかしっくりこなかったが、数日前になって突然いい感じになってきて、急きょセットに入れる気になった。こんなこともある。
「ろくでなし」は、先月のシャンソンライブでアンコールをもらった曲だったが、レパートリーになく、断念したいわくつきの曲。その後練習し、今回初めて人前で歌ったが、会場から自然に拍手の出るノリのいい曲だ。もしかすると、場を選ばず使えるかもしれない。
途中の進行に多少もたつく印象もあったが、終了はピタリ3時30分。さすがである。大半が見知らぬ聴き手で、しかも店内が均一に明るく、かなりの緊張を強いられたが、最初の場としては、まずまずの出来ではなかったか。
終了後、最寄りの駅までK子さんを送る。車中でK子さんから、「菊地さん、"さくらんぼの実る頃"は大切に歌い続けてくださいね」と言われた。またひとつよい歌に巡り会った。